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【蔵出し編】昔出会った器をゴソゴソと⑧

見渡す限り北海道の雪氷、クールだなぁ。

私はもともとコピーライターですので、
物書きの端くれでもあるのですが。
これはもう直しようのない性分として、
結構敵を作るタイプの書き手でもありまして。w

誰にも愛される、受け入れていただける、
そんな文章は得意ではないのかもしれません。
それでよくコピーライターだなんて、
という声は甘んじて受け入れますが。

だってしょうがないべ?
そう思ってるし、書きたいんだもの。
わかる人だけわかってくれりゃいいのよ。
私が美味しいと思うことを美味しいと、
不味いものを不味いと書いて何が悪いんだか。

なーんてね、ウソウソ。w
結構ヒヤヒヤしながら書いております。
小心者ですから。商業作家ですから。
いつもご愛読、ありがとうございますぅ♪w

んなことはどーでもよく、今日の作品。
最初見た時、クールだなぁという思いが。
なんとなく、氷とか雪原とか、
そんなものをイメージしました。
こういう勘は結構当たるもんで、
この作家さん、北海道で作陶されているそうです。

ゴリンと削られた氷の上に横たわる稜線。

お会いしたのは笠間だったかと。
もともとあちらにいらしたようですし。
とはいえ、今日の作家さん、
あがたいちろう(阿形一郎)さんが
陶芸を始めたのは、なんとアメリカ東海岸。
そこで陶芸の面白さに目覚めて10年、
その後茨城・笠間で10年。
震災で一時高知に身を寄せた後、
現在は北海道で活動されているのだとか。

と、実は個人のSNSが見当たらないので、
もし間違いがあったらごめんなさい。
でもいろいろ紆余曲折して今に至る、
というのは間違いなさそうな感じです。

また今回ご紹介する作品は、
あがたさんの中では少し異色のようで。
本来は独自のアメリカン志野釉(なにそれ?)
と天然灰が全面に降り積もる、野趣感の強い、
それこそ猛吹雪にさらされているような
作品がメインのようでして。

もちろんそちらも素敵なんですが、
私は自分の持っている、雪がやみ、
キンと冷え切った冬の朝、
そんな趣のある器も大好きです。

凍てつく静けさ、なのに雄弁な冬顔の器。

器の高さは約75mm。
安定感のある底の周囲をザクザクと、
櫛目が残るように六角形に成形。

意図してなのかどうなのか、
このソリッドな六角形が雪の結晶を、
櫛目が雪原の風紋を連想させてくれる効果も。

上にはオレンジ色の稜線がぐるりと一周し、
その上はうっすらとグリーンがかった
静謐な、そして冷たい空が広がっているようで。
あらゆるものを凍りつかせるかのごとく、
細やかな貫入の景色が広がっています。

そして最後の仕上げの呑み口は、
緊張感を漂わせるようにごくごく薄く。
いやぁ、すべてがすんばらしくクールで美しい。
寡黙なのに雄弁な北の器。
お見事しか言いようがありません。

今度お会いしたときには
そのアメリカン志野釉、とかいうやつの
お話をたっぷり伺いつつ、
大粒の雪が降り積もる作品を
鑑賞させていただければと。
北海道は流石に遠いので、笠間でね。w

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