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【蔵出し編】昔出会った器をゴソゴソと⑮

私の型押し作品に対する偏見を変えた器。

1週間ほど病に臥せっていたということは、
1週間分の仕事が溜まっているわけで。
それに加えてボランティア参加している
イベントも近づきつつあり。
つまり、ここんところ大忙しで、
更新が滞ってしまってすみません。

さてとみなさん、藤野の陶器市、
行ったことあります?
東京に出て来て初めての年、
藤野というのがどこにあるのかもよくわからず、
初めて遠征したことを思い出します。

東京から2時間弱。
小ぢんまりとした駅、広大なイベントエリア、
そこにゲリラ的に点在するイベント会場。
車ではなく、駅からすべてを巡るには
不定期な巡回バスしかないという状況。
なんてとこに来たんだ、オレは、
そんな風に思ったことを。w

でもね、内容自体はとても楽しめたんですよ。
豊かな自然の中にぽつりぽつりと現れる会場、
そんな余韻や余白の大きさも含めて。
ただ、さすがに会場全体が広大なので、
一度行った場所の作品が気になって戻る、
というのはかなり困難ですが。w

今日ご紹介するのは
そんな藤野で出会った作家さん、
外川(磯部)ひろみさんです。

静なる白磁の内から漏れ出す情熱の叫び。

ご覧のとおり、外川さんの作品は白磁の型押し。
これまでの私のコレクションを
ご覧いただいているみなさまならご存知の通り、
白磁、そして型押し、いずれも私は
あまり手を出していないジャンルです。

きれいなんだけれど、きれいすぎる、
あまりにシンプルすぎるから。
簡単に言えば、心に引っかからない。
そんな風に思っていました。

藤野の会場の、どこで出会ったかまでは
覚えていませんが、型押しにもかかわらず、
この不思議な造形をした作品を初めて見た時、
かなり長時間魅入られてしまいました。

「何に使われるイメージですか?お酒とか?」
そう語りかけてきたのが外川さん。
ま、だいたいこの流れになると
お買い求めになるのが私の悪いクセですが。w

呑み口が細くかなりの縦長。
あまり見かけないこの比率に加え、
下部をぐるりと不定型にえぐられた造形。

ただ端正に、静謐に、型押しの流儀に
こだわるだけではなく、
いつか、どこかでそれらをブレイクスルー
しようと内に秘められた意思。
絶対零度の中に封じ込められたマグマ。
なにかそんな不穏な熱量を感じました。

で、もちろんお買い上げに至ったのですが。w

緑深い藤野の里で、いつの日かまた。

器の高さは約105mm。
私の収蔵品の中でもかなり高身長で
スマートな部類になります。

いつものごとく日本茶をいただく際にも
使いますが、日本酒やワインなど、
いろんな用途で使える懐の広さも。

モダンなデザインにも関わらず、
とにかく意匠が非常にシンプルなので、
料理はもちろん、どんなテーブルセットにも
似合うのがこの器の真骨頂かと。

新作では金彩なども取り入れ、
ますますデザイン性に磨きがかかっているようで。
今度お会いできることを楽しみにしています。

緑豊かな里山で出会った現代彫刻のような器。
そのいい意味での違和感や異質さは、
今も私の記憶に刻まれていますので。
別に外川さんがお美しかったから、
というだけではなく。w

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