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マキネマ〜私的映画感想文〜

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映画好きライターによる、私的な映画レビュー。観た映画のメモがわりにも使います。
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#映画感想文

「ミッドナイト・クロス」監督:ブライアン・デ・パルマ/1981

「ミッドナイト・クロス」監督:ブライアン・デ・パルマ/1981

こんなお話

フィラデルフィアに住む音響効果マンのジャックは、低予算のエクスプロイテーション映画で使う効果音を録るために川の畔りに来ていた。そして収録中、偶然自動車事故を目撃してしまう。ジャックは事故車に乗っていた女性サリーを救出し病院に搬送するが、同乗の男性は亡くなり、病院にて物々しい雰囲気に包まれる。ある人物にこの事故のことは忘れるようにと口止めされ、疑問に感じ始める。

マキネマレビュー

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「銀嶺の果て」監督:谷口千吉/1947

「銀嶺の果て」監督:谷口千吉/1947

こんなお話

野尻、江島、高杉の3人は銀行強盗を働き、冬の北アルプスに逃げ込む。しかし、捜索隊が追いかける中、高杉は雪崩に巻き込まれて姿を消してしまう。運良く助かった2人はスキー小屋に辿り着くが、そこには老人と、その孫娘の春坊、登山家の本田がいた。次第に野尻は彼らの温かな人情に心を動かされるが、世間との接触を極度に恐れた江島は…。

レビュー

「世界のミフネ」がデビューを飾った作品。
端正なお顔

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「しとやかな獣」監督:川島雄三/1962

「しとやかな獣」監督:川島雄三/1962

こんなお話

パートが立ち並ぶ郊外の団地、前田家はその四階の一角を占めている。前田時造は元海軍中佐、戦後どん底の生活を経験した彼は自分の殻にとじこもり、子供たちを踊らせるあやつり師になった。息子の実には芸能プロの使い込みをやらせ、娘の友子は小説家吉沢の二号である。

レビュー

とある団地の一室に住む家族。・・・が、この家族がどうもおかしい。

伊藤雄之助が演じる父、山岡久乃が演じる母、どちらも恐

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可愛い顔して実は...!? 「私は二歳」監督:市川崑/1962

可愛い顔して実は...!? 「私は二歳」監督:市川崑/1962

こんなお話

小児科医で育児評論家の松田道雄の随筆をベースに、和田夏十が脚本化した作品。当時、市川・和田夫妻にも同じような子供がいたということが、映画化の動機になったんだとか。

一人息子の子育てに悪戦苦闘する家族を、赤ちゃん目線で描いているのですが、ベタベタな愛情ではなくシニカル目線が市川崑らしい。

赤ちゃんはカワイイ顔して、こんなこと考えているのか・・・と少々複雑な気持ちにすらなりますw

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「さがす」監督:片山慎三/2022

「さがす」監督:片山慎三/2022

こんなお話

大阪の下町に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」と言う智の言葉を、楓はいつもの冗談だと聞き流していた。しかし、その翌朝、智が忽然と姿を消す。警察からも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にされない中、必死に父親の行方を捜す楓。やがて、とある日雇い現場の作業員に父の名前を見つけた楓だったが、その人物は父とは違う、まったく知ら

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「ライフ・アクアティック」監督:ウェス・アンダーソン/2005

「ライフ・アクアティック」監督:ウェス・アンダーソン/2005

こんなお話

世界的に有名な海洋探検家にして海洋ドキュメンタリー監督のスティーヴ・ズィスー。傲慢で自己中心的なのにどこか憎めいない魅力を秘めた彼は、先の航海で 昔からの大切な仲間を幻の“ジャガーザメ”に喰い殺されてしまう。近頃自作映画のヒットがない彼は、仲間の敵討ちと映画のヒットを誓い、気心知れたクセ者 揃いの映画製作集団“チーム・ズィスー”を率いて探査船ベラフォンテ号に乗り込み、新たな航海へと旅

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「竜とそばかすの姫」監督:細田守/2021

「竜とそばかすの姫」監督:細田守/2021

<こんなお話>

高知県の田舎町に住む女子高生・すずは幼い頃に母を事故で亡くして以来、大好きだった歌を歌えなくなり、父との関係にも溝が生まれていた。作曲だけが生き甲斐となっていたすずはある日、ネットに詳しい友人ヒロちゃんの手引きの下、全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット空間の仮想世界〈U〉にベルという〈As〉(アバター)で参加する。そこでは自然と歌えたすず(ベル)は自作の歌を披露し、突如

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「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/2015

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ/2015

<こんなお話>

リーガン・トムソンは落ち目のハリウッド俳優である。かつては『バードマン』という映画で主役のスーパーヒーロー、バードマンを演じ数十億ドルの興行収入を稼ぐほどのスター俳優だったが、それ以降ヒットに恵まれず、20年以上が経過していた。60代となり、家庭でも失敗したリーガンは『かつてバードマンを演じた俳優』として惨めな生活を送っていた。単なる落ちぶれたアクション俳優ではなく、アーティスト

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「ラビリンス/魔王の迷宮」監督:ジム・ヘンソン/1986

「ラビリンス/魔王の迷宮」監督:ジム・ヘンソン/1986

数日前まで夏の暑さでしたが、今日は一転ひんやり・・・。
肌寒い日は、ホットになれるダンサブルな作品はいかがでしょ?

こんなお話

幼い弟の子守をしていた少女サラ。泣き続ける弟に腹をたてたサラは、こんな弟なんかいらない、と叫んでしまう。その声を聞いたゴブリンの王ジャレスは、サラの希望通り、赤ん坊を連れ去った。サラはあわてて、ジャレスの居る妖精界の城へ、弟を取り戻す冒険に旅立つ。

レビュー

デヴ

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「ラ・ラ・ランド」監督:デイミアン・チャゼル/2017

「ラ・ラ・ランド」監督:デイミアン・チャゼル/2017

3月28日、いよいよ米アカデミー賞が開催されますね〜。「ドライブ・マイ・カー」のノミネートもあり、今からドキドキ!!

そんなわけで、今回のレビューはアカデミー賞でも6部門に輝いた『ラ・ラ・ランド』!

〜 こんなお話 〜

夢追う人々が集うロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは、女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る。一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを心ゆ

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「戒厳令」監督:吉田喜重/

「戒厳令」監督:吉田喜重/

〜こんなお話 〜

大正十年の夏も終りに近いある日、小さな風呂敷包みを持った女が、北一輝のもとを訪れた。朝日平吾の姉と名乗る女は、風呂敷包みに入っている血染めの衣を一輝に渡した。それは、安田財閥の当主・善次郎を刺殺し、その場で自殺した平吾の着ていたものであった。平吾の遺書を読む西田税、その遺書には明きらかに、北一輝の「日本改造法案」の影響が読みとれた。一輝はその衣を、銀行へ持って行き、現われた頭取

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「女は二度生まれる」監督:川島雄三/1961

「女は二度生まれる」監督:川島雄三/1961

こんなお話

芸者小えんは建築家の筒井の胸にいだかれていた。売春禁止法も彼女にとってはなんのこうそくも感じさせなかった。
そんな彼女にも心をときめかすことがあった。それはお風呂屋への行きかえりに顔を合わせる大学生牧純一郎に行きあう時であった。
しかし彼女の毎日は、相かわらず男から男へと渡り歩く生活だった。そんな時知りあった寿司屋の板前、野崎にふとふれあうものを感じるが、野崎も将来のことを考え、子ど

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ほっこり心温まる時代劇。
「かあちゃん」監督:市川崑/2001

ほっこり心温まる時代劇。 「かあちゃん」監督:市川崑/2001

<こんなお話>

不景気、失業、相次ぐ暗い事件。現代の世相を思わせる天保末期。老中・水野忠邦の改革の効なく、江戸の庶民の生活は困窮を極めていた。ある貧乏長屋で5人の子供を育てる、おかつ(岸惠子)もその例外ではなかった。そんな生活の中、おかつの家では一家6人が総出で金を貯めこんでいると噂になっていたが、それには理由があった。

<レビュー>

市川崑監督が2001年に手掛けた晩年の作品。あまり期待し

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濃霧と共に、亡霊現る!
「ザ・フォッグ」監督:ジョン・カーペンター/1980

濃霧と共に、亡霊現る! 「ザ・フォッグ」監督:ジョン・カーペンター/1980

<こんなお話>

誕生100周年を迎え記念祭に沸く小さな港町アントニオ・ベイ。午前0時、ラジオDJのスティービーが町の誕生を告げると同時に、町のあちこちで不可解な出来事が起こりはじめる。やがて不気味な霧が町を覆い、亡霊たちが住民を襲う。実はこの町には、100年前の誕生にまつわる呪われた過去があった。

<レビュー>

カーペンター好きを標榜している私ですが、お恥ずかしながら「ザ・フォッグ」は未見で

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