青い世界〜貝殻を見て触れて〜

重なり擦れて

割れて砕けて

欠けて失われて

二枚貝の中身は

空っぽで

名前も分からない

貝殻の山々

宝の山を見るかのように

その山を掘り返して

つまみ上げては裏表

綺麗な模様の貝殻

刻まれた生命の証

自然の厳しさ

磯の香り

海の記憶

命の痕跡

見ては想像

膨らませては海の底

見た事は無くても

ワクワクしてしまう

海の世界

例えその場所に行けなくても

想像してしまう魚たちの楽園

小さな泡が立ち上る

海底の砂地にだって

生命は生まれ育ち

海流に掘り起こされては

流されて遥々青空の下にまで

やってきた

名も無き貝殻たちよ

指で摘めばトキメキが

ポケットに入れたら夢にまで

家に持ち帰っては

飽きるまで

見ては膨らませる

海の記憶

耳をすませば聞こえてくる

海の声

命の叫び

貝たちが焦がれて

見上げてきた世界で

僕は今彼らについて

考えている

二つの青い世界

海と空

繋ぐ記憶の香り

貝殻に見入って魅入られて

僕の想像力がますます膨らんでいく