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何もかもを忘れたくない痛み

昼を貪り

夜を貪り

貪欲に求める何もかも

見上げれば瞬く太陽

見送るは月夜の晩に

寝ては覚めて

儚く散り逝く夢の形

馳せて参じて刻んでも

忘れてしまう何もかも

君との出会いも明日になれば

新たな思い出に上書きされて

あの日の約束も

交わした言葉も

明日の今頃には

胃袋で溶かされ

跡形もなく塵芥

忘れたくないのに

忘れていってしまう

矛盾した円環の中で

繰り返し葛藤しながら

探すは確かな痛み

忘れたくないからこそ

自らの身体に痛みを刻み

感情を昂らせて流した涙の轍

忘れられない様に

抗ってはみるが

あぁどうして、、

日毎に薄まっていく痛みの形

色褪せてもはっきりとした

輪郭でもって触れたい時に

立ち返りたい確かな思いの出発点

君がいたからこそ

今の僕がいると言う事

僕にとっての君の存在感

頭の中から漏れて流れ出た

あの日の君は今頃どこへ、、

探しに行こうにも

記憶はすでに朧げ

太陽に聞いても首を傾げて西の空へ

月に尋ねても上の空で

声高に叫んでもこだまのように

跳ね返ってくるだけの僕の声

忘れたくないと心から思う

この気持ちさえも

いつか忘れてしまうのかな

それはそれでまた寂しい話だ

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