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おにぎりへのこだわり

コンビニとかの棚に普通に並んでいる

おにぎりを思い浮かべてほしい

あの見事なまでに美しい

三角形をしたおにぎりをだ

どうしてあんなに綺麗に

三角形に握れるのだろうかと

36歳になった今でも不思議で仕方ない

いや、あれは機械がやってるからとかではない

人の手だって綺麗な三角形に

おにぎりを握れる人はいるじゃないか

僕はおにぎりを作るのが

昔からどうしようもなくヘタなんだ

おにぎりなんだからどんな風に握られていようが

おにぎりにかわりないじゃないかと

思うがそうじゃないんだ

おにぎりと言われたら

これを読んでるあなただって

綺麗な三角形に握られた

おにぎりを思い浮かべている筈だ

つまりそう言う事なのだ

絵本にしろ、裸の大将にしろ

フィクションにしろ

現実にしろ

あらゆる場所で見かけるおにぎりのほとんどが

三角の形をしている

理想的なおにぎりの形とは三角形であり

そんな当たり前の形こそ

おにぎりがおにぎりたらしめる

重要な部分なのではないか

三角形がおにぎりにとっての

理想的な形であるのならば

僕が握るおにぎりは

一体なんなのかと言う事なのだ

たかがおにぎりの形じゃないか

と言われるかもしれないが

そんな簡単に割り切れる程には

僕は冷めてはないのだ

アツアツの白米を頑張って握って

理想的な三角のおにぎりにしてがぶりと

頭からかぶりつきたいのだ

たがしかし我ながら

なぜにこうも要領が悪いと言うか

飲み込みが悪いと言うか

むしろ惚れ惚れする程に

我ながら手先が不器用なのだ

親に教えてもらったり

本を読んで実践してみたところで

三角形にはならずにでこぼこ球体なんちゃって

おにぎりばかりが出来上がっていく

なんだったらむしろ丸いおにぎりならば

誰よりも上手く握ると言っても

過言じゃないくらいだがそうじゃない

僕はおにぎりが食べたいんだ

三角の形をしたおにぎりが食べたいんだ!

それを自分の手で握りたいのに

なかなかに実現への道は茨の道を極めていて

果てしなき思考錯誤の真っ只中に僕はいる

三角形を思い浮かべながら

手のひらにサランラップを乗せて

そこに白米を程よく盛り付ける

サランラップで白米を覆ってから

両手で軽く包み片方の手の指を曲げて

もう片方は指を伸ばして三角形にする為に

頑張ってあらゆる方角から握り返してみるが

出来上がるのはいつも不思議

丸いおにぎりの形ばかり、、

三角形の角っぽいところは

あるにはあるが角と呼ぶにはいささか頼りなげ

三角形にしたいのにいつも四苦八苦してしまう

だから結局は球体型の大きなおにぎりに

塩をぱらぱらと振って食べる事になる

僕にとっての理想の形をした三角形の

おにぎりを食べると言う夢は

まだまだ果てしなく遠いようだ

塩のかけすぎか

せつなくしょっぱい

おにぎりだけどもやっぱり美味しい

形にこだわったところで

美味しい事には変わりないが

だけども諦めたくはないのだ

不器用だろうと望む形に向けて

取り組む姿勢の果てに理想とするおにぎりが

そこにあるのならば頑張っていかなきゃいけない

おにぎり一つ

されどその一つを

食べる為に今日も僕はおにぎりを握るんだ

三角形に向けた試行の球体

僕の握るおにぎりは今もなお進化の途上にある

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