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夢を見ても忘れてしまう

夢を見たって朝には忘れてしまう

忘れたくはないのに覚えていられない

やるせない感覚だけが確かな感覚として

しこりとして残っている

忘れてしまうのに今日も僕は眠りにつく

忘れた夢を取り返すかのように眠りにつく

求めては繰り返し昨日も今日も

明日はどんな夢を忘れるのかな

覚えているのは断片的で抽象的な事ばかり

ゾウの夢を見た時僕は蟻の行列に最後尾にいた

踏み潰される未来を知ってか知らずか

結局はゾウに踏み潰されて終わる夢を見て

僕は眠りから覚めた

蟻だった頃の僕は夢の中で死んで

人だった頃の記憶を取り戻して

生き返ったのだと割り切ったら

悲しくは無いかもしれないが

確かに僕は夢の中で死んだのだ

悲しい夢だった

ゾウの足の裏が頭の上から

迫ってくるのを妙にリアルな感覚として

夢の中の僕は感じとっていたが

それは目覚めた僕が

そう思い込みたかっただけなのだろうか

真相は闇の中

夢の中に置いてきてしまった真実

思い出そうにも思い出せない

球体状にぽっかり空いた

記憶の片隅に今日も僕は何かしらの夢を詰め込む

忘れたくはないのに覚えてもいられない

やるせない感覚を僕はその空間に詰め込んでいく

ゾウに踏み潰されたアリの夢を

今日も僕は見られるのだろうか

はたまた全く違う何かしらの

夢を見る事になるのだろうか

それは寝てみない事には分からない

寝たところで結局は忘れてしまうのだから

真相は闇の中、、

やるせない感覚だけが確かな感覚として

僕の頭の中で膨らみ渦巻いている 

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