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このタイトルは真実です『探偵に推理をさせないでください。最悪の場合、世界が滅びる可能性がございますので。』感想

探偵。

つまりは、隠された事実を調べたり、推理したりする人たちのこと。

前に『探偵はもう、死んでいる』というライトノベルの感想(※1)で。

「探偵と同じ旅館では、泊まりたくはない!」と。

書きましたが。

また、こうやって。

推理物のライトノベルが出てくるたびに思うんです。

「やっぱり同じ空間で、一緒にいたくはないな」と。

え? 同じじゃないかって?

だって、怖いですもの。

殺人事件とか。血とか。死体とか。

そんな皆さんは、いかがでしょうか?


※1『探偵はもう、死んでいる』の感想は、こちらから。


さて。

ということもあって。

本日、ご紹介するライトノベルは、夜方宵先生の『探偵に推理をさせないでください。最悪の場合、世界が滅びる可能性がございますので。』(2023年12月刊行)です。

殺人は嫌ですが、今回も行ってみましょう!



あらすじをどうぞ

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

美少女名探偵と5人の助手が紡ぐ非日常系ミステリラブコメ!

「私はね、探偵なの。それもただの探偵じゃなくてね。この私、推川理耶は――本格的名探偵なんだよ」
ミステリ好きの高校生・福寄幸太は、自称名探偵の美少女・推川理耶から一方的に助手に指名される。
するとなぜか、目隠しをした幼女、二重人格のお嬢様など、助手希望者が続々と集まってくることに。
そんなある日、校内で発生した事件において、空想上の怪物が犯人だという「迷推理」で幸太を呆れさせる理耶。
しかしその夜、幸太は空を飛ぶ怪物を目の当たりにし、理耶に隠された秘密の一端を知る――名探偵は絶対に間違えない、「真実を生み出す」ことによって。

探偵に推理をさせないでください。最悪の場合、世界が滅びる可能性がございますので。(MF文庫J) - ライトノベル(ラノベ)│電子書籍無料試し読み・まとめ買いならBOOK☆WALKER (bookwalker.jp)

というわけで。

本日のテーマは、「非日常系ミステリー」です。



ラブコメ要素は抑えめ

この作品。

あらすじの最初の部分で。

「非日常系ミステリラブコメ」と書かれていますが。

ラブコメ要素は、薄いです。

なので。

この作品を一言で説明するのなら。

「非日常的なミステリー」となっています。


では、どう「非日常」なのか。

前に感想を書いたライトノベル。

『魔術探偵・時崎狂三の事件簿』(※2)みたいに。

魔術やアーティファクトが出てくるかというと。

それらは、出てきません。


※2『魔術探偵・時崎狂三の事件簿』の感想は、こちらから。


かといって、納得できない超展開ミステリーかと言うと。

それも違います。

では、どういうことか。


この作品の全体像を説明すると。

三つの殺人事件が起こります。

それらに、ヒロインの推川理耶が事件を調査し。

推理をします。

そこまでは、いいのですが。

彼女の推理の場合。

「怪物」や。

「ヤマタノオロチ」が真犯人だと、言い出すのです。

そんなトンチンカンな推理を。

主人公であり、ヒロインの助手でもある福寄幸太が。

彼女の考えを訂正し、ちゃんとした推理で犯人を当てる。

というのが、話の大まかな流れなのですが。

そこで終わらないのが、この作品の良い所です。




この作品の面白い所

ちゃんとした推理ものとして成立させていることです。

ただ、それだけでは終わらず。

なんと、このヒロイン。

現実ではあり得ない事実をねじ曲げてしまう能力がありました。

つまるところ、それは。

「彼女が推理で言ったものは、すべて存在する」ということなのです。

そういう訳で。

「怪物」や「ヤマタノオロチ」が現実世界に現れ。

人を襲っていきます。

事件とは別に。

そういった存在をどうにかしようとするのが。

この話の面白いポイントであったりもします。




この話の欠点について

このヒロインの設定が。

谷川流先生のライトノベル、『涼宮ハルヒの憂鬱』を連想させてしまうことです。

『涼宮ハルヒの憂鬱』とは違って。

こちらの作品は、ミステリーが組み合わさっているので。

厳密には、別作品となるのですが。

私は、このライトノベルを見ていて。

「ハルヒっぽいな」という感想が。

出てきてしまいました。

なので。

気になる人は、避けた方がいいかもしれません。




最後に

とはいうものの。

本文の中に、事件の見取り図があったり。

ちゃんと推理もしていたりと。

ファンタジックでありながらも。

ミステリーとして成立している、この作品。

中々に、面白いと思うので。

薦めてみる所存であったりもします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

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