見出し画像

残業なんてクソ食らえ!『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』感想

コメディとシリアスが。

ちょうど良く混ざっていて。

中々に面白い作品でしたね!


というわけで。

本日、ご紹介するライトノベルは、香坂マト先生の『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』(2021年3月刊行)です。

2025年には、アニメ化も決定されていますね。

それでは、本日も行ってみましょう!



あらすじをどうぞ

今回もまた、「BOOK☆WALKER」さんより、あらすじを引用させていただきます。

 強くてカワイイ受付嬢が(自分の)平穏のため全てのボスと残業を駆逐する!

 デスクワークだから超安全、公務だから超安定! 理想の職業「ギルドの受付嬢」となったアリナを待っていたのは、理想とは程遠い残業三昧の日々だった。すべてはダンジョンの攻略が滞っているせい!
 限界を迎えたアリナは隠し持つ一級冒険者ライセンスと銀に輝く大槌(ウォーハンマー)を手に、自らボス討伐に向かう――そう、何を隠そう彼女こそ、行き詰ったダンジョンに現れ、単身ボスを倒していくと巷で噂される正体不明の凄腕冒険者「処刑人」なのだ……!
 でもそれは絶対にヒミツ。なぜなら受付嬢は「副業禁止」だからだ!!!! それなのに、ボス討伐の際に居合わせたギルド最強の盾役に正体がバレてしまい――??
 残業回避・定時死守、圧倒的な力で(自分の)平穏を守る最強受付嬢の痛快異世界コメディ!
 第27回電撃小説大賞《金賞》受賞作!

ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います(電撃文庫) - ライトノベル(ラノベ)│電子書籍無料試し読み・まとめ買いならBOOK☆WALKER (bookwalker.jp)


というわけで。

本日のテーマは、「最強の受付嬢」となっております。



昼は受付嬢。夜は最強の処刑人

さて、この作品の解説を行っていくわけですが。

まず冒険の舞台は、ファンタジー世界でよくある。

「ギルド」(※)がある世界観となっております。

※ギルドとは
中世ヨーロッパの都市で発達した商工業者の独占的、排他的な同業者組合。商人ギルドは11世紀に、手工業ギルドは12世紀に成立。13~14世紀には各都市の政治・経済を支配したが、16世紀以降衰退。

ギルドとは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)


その中で。

クエストの依頼(ここでは、ダンジョン攻略)を一手に引き受けているのが。

この世界のギルドとなっているのですが。

そこで受付嬢をしている、少女アリナには悩みがありました。

受付嬢の仕事は、冒険職と比べれば、安全な職業。

公務ゆえに、安定。

終身雇用で、福利厚生も完璧。

そして、基本は定時で帰れる。

そのはずでした。

ですが、いざ、その仕事をやってみると。

「残業、残業、そして残業!」の連続で。

なによりも定時で帰りたい、アリナにとっては。

それは、悩みの種でもありました。

その原因を作っているのは。

ダンジョン攻略が難航しているため。

そして、その中でのボス。

ヘルフレイムドラゴンの討伐に、冒険者が苦戦しているためでした。

一ヶ月近い残業の中、アリナのストレスは最高潮に達します。

その結果。

「だったら、自分がボスを倒せば良い」という結論に至ります。

何を隠そう。

彼女は、突然ダンジョンに現れては。

一人で、ボスをなぎ倒していくという。

「処刑人」という、もう一つの顔を持っていたのです。

かくして、アリナは一人で、ヘルフレイムドラゴンを討伐。

その結果、仕事量も減り、定時で帰れる状況をつくることに成功します。

ですが、その結果として。

色々な理由から、ギルドによって。

「処刑人」捜索の願いが出されてしまい。

アリナは頭を抱えます。

彼女の職業は副業禁止だったのです。

その上、ボス討伐の際に。

アリナの顔を見てしまったという、一人の冒険者ジェイドの姿があって――。

というのが、話のあらましとなっております。



このお話の面白い所

なんといっても、アリナのキャラクターでしょうね。

本作で最強な彼女ですが。

そんな彼女の目的が、「定時で帰る」とか。

「残業をなくす」だとか。

「家でのんびりする」といった。

社会人をしていると。

とても共感できるネタで。

彼女の目的が、読者にとって。

非常に同調しやすいように作られています。

また、そんな彼女の圧倒的な力で。

敵がなぎ倒されていくという。

爽快感もあったので。

そこの所が良かったですね。


また彼女がどうして、そういった考えになったのかと言った。

過去の話もあり。

そちらも納得させられるものがありました。


その上で。

冒険者で、アリナの顔を見てしまったジェイドにも。

彼の信念と言いますか。

戦いの中で、その感情が見え隠れするような描き方が有り。

つまるところ。

非常に楽しめる作品になっていました。



この話の欠点について

アリナがどうして超人的な能力を持ったのかという部分ですかね。

そこらへんが、結構さらりとしか書かれておらず。

個人的には。

もう少し書いて欲しいかなと思いました。

でもまあ、いいのかもしれません。

この作品で描きたいところは、そこではないのですから。



最後に

コメディとシリアスとが。

ちょうど良いバランスを取っており。

何よりも。

「残業は嫌!」というのを。

これでもかと書かれたライトノベルとなっておりますので。

社会人を始めとして。

様々な人に読んでもらいたいと思い。

こうして書いている所存であったりします。


さて。

最後まで、ご覧いただきありがとうございます。

この作品に、ご興味がありましたら、是非、手に取ってみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?