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大河の流れに学ぶ、強い組織の作り方、人の育て方―『論語』
孔子の言葉を巡る2つの解釈
中国古典などをもとに、企業などで人間力の研修をしていて、言葉の意味するところを、仕事や人生の実践を結びつけて考えることで、気づきを得てもらうという進め方をしています。
講師である私の解釈、理解をベースに、ビジネスに展開するやり方で研修を進めるわけですが、ときとして、受講者の方たちが日ごろの仕事を通して、独自に理解し、実践に生かしていることのほうが、真の学びなのだ
お金もモノもあの世へ持っていけない。持っていけるのは、心だけ―『呻吟語』
あの世へは一つとして物を身につけていくことはできない
いくつになっても、夢をかなえるための準備と努力にエネルギーを傾けたい。そのためには、カラダのメンテナンスは欠かせない。数年前から始めたヨガのレッスンは、これからも続けていく。「人間力」講師の仕事も、研鑽を積んで、もっと世の中に貢献していきたい。
50代の頃にはココロもカラダもかなり傷ついていました。このまま人生が萎んで、終わってしまうの
風が吹けば草はなびく。徳のあるリーダーとスタッフの理想の関係―『論語』
北風(ムチ)型がいいのか、太陽(アメ)型がいいのか
組織をマネジメントするときに、よく次のように例えられます。
厳しい「北風」(ムチ)型でマネジメントするのか。
優しい「太陽」(アメ)型でマネジメントするのか。
パワーハラスメントが問題視されていることもあり、「北風」(ムチ)型のマネジメントは敬遠される傾向にあります。しかし、非常事態や戦時、あるいは組織が危機的状況にあるときには、「
克己復礼。一日でもいい、自分の都合ではなく、他人のために生きる―『論語』
自分の都合≧他人の都合 の生き方をしていませんか
人は自分の都合を第一に考えて生きています。
そう断定してはいけないのかな?
わが身を振り返ってみると、自分の都合を最優先にして生きていることが多いです。
数式にすると、
自分の都合≧他人の都合
それに対して、公私ともに、他人のために尽くす、自己犠牲、献身的な生き方をしている人も少なくありません。数式にすると
自分の都合≦他人の都合
人格が主人で、才能は召使い。できる人は才能をひけらかさない―『菜根譚』
肝に銘じたい言葉「才能をひけらかすな」
経営者の方々と『菜根譚』の読書会をしているときに、肝に銘じている言葉として挙がった言葉の1つが、「才能をひけらかすな」でした。 リーダーシップを発揮し、アグレッシブに経営をしている方に、その傾向が強かったのが印象的でした。
『菜根譚』で、は心構えについて、次のように触れています。
鷹のたたずんでいる姿は眠っているように見えるし、虎の歩いている姿はま
投げやりになったらお終い。挽回のチャンスはやってくる―『春秋左氏伝』
人生がうまくいかないときに、どうすればいいのか
昇進、昇格の選抜から外れた。希望の部署に配属されなかった。トラブルに巻き込まれた……うまくいかないときや不遇のときに、成功している人、輝いている人が羨ましい。恨めしく思えて仕方がない。
自分なりに努力をしてきたのに、能力も実績もひけをとらないのに……自分だけがどうして不運な目にあうのだ。そういう思いが込み上げてくればくるほど、ふて腐れたり、なげや
家族を守るのか、法に従うのか。正直に生きるとは?―『論語』
バカ正直に生きることがベストの選択なのか
正直者とはどういう人のことを言うのでしょうか。
その基準は、時代背景や社会のあり方、宗教観などによっても、かわってきます。
朝ドラ「虎に翼」では、第2次大戦後の食糧難のときに、闇米には一切手を出さず、栄養失調となり、ついには肺浸潤で33歳の若さで亡くなった判事の逸話をモデルにしたエピソードが、最近放映されていました。
闇米等を所持していて食糧管理
六言六蔽。優れた人徳が備わっているのに、結果がついてこないのはなぜか―『論語』
人の役に立ちたい。
困っている人を助けたい。
世の中に貢献したい。
強きをくじき、弱きを助けたい。
どんなに正義漢が強く、どんなに人徳に厚くても、それをうまくいかせないことがあります。
それは、自分の能力を自在にコントロールする知恵や術が備わっていないから、ということが多いのではないでしょうか。
あるいは、経験が足りないのに、頭でっかちで意識だけ先走ってしまう。結果、パフォーマンスを存分に発揮で
「恕」。自分を愛せない人は、他人も愛せない、優しくできない―『論語』
己の欲せざる所は、人に施すなかれ
見知らぬ人が交通事故に遭いそうになったら、あるいは、水難事故でおぼれかけていたら、自分の命を投げだしてでも助けようとする。自己犠牲をもいとわない、人をいたわる気持ちが、人間には生まれながらにして備わっているのです。
そういう心情を日々磨いて、実践に移していくことが、人として踏み行うべき道です。
中小企業再生の名経営者と言われた方が、相手を思いやる「恕(じょ)」
生涯をかけて追求したいことを見つけよう。あきらめてはいけない―『論語』
朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり
仕事でもいい、ライフワークでもいい。
生涯をかけて追求したいことがはっきりしたら、どうしますか?
その達成に向けて精力を傾ける。
あるいは、実現のための環境づくりをする。
いずれにしても、前向きのアクションを取りますよね。
そういう励ましの言葉として受け止めたいのが、『論語』で孔子が述べているこの言葉です。ただ、古来、受け止め方は人によって違
秀才型の新人リーダーに孔子が授けたマネジメントの極意とは―『論語』
新人マネジャーの心得とは
誰でも初めて責任ある職位に就いたときには、どう人をマネジメントするか、どう組織やチームを率いるか、経験がないだけに、戸惑うものです。
もちろん、マネジャー向けのテキストなどが刊行されていますし、企業においては新人管理職研修なども行われているので、予備知識を仕入れて、それなりに心構えもできるかもしれません。
ただ、いざ実践となると、座学で得た知識のようにはいきませ
知らないことは、知りませんといえる。そういう人こそ信頼される―『論語』
受け売りではなく、自分の言葉で話そう
知ったかぶりはしないほうがいい。
けれど、 立場上、あるいはビジネスを進めるときに、「そのことは知りません」といえないときもあります。
年下や部下からそんなことも知らないんだ、と見下されたくない、という心理が働くときもそうかもしれません。
ネットで検索すれば、おおよその情報や知識は瞬時に手に入る時代。一方で、日々流れていく情報をおいかけてもおいかけ
過ぎてしまったことは、とがめても仕方がない。最善の解決策を探る―『論語』
成事(せいじ)は説かず、遂事(すいじ)は諫めず
スタッフが、アドバイスしたことに耳を傾けずに、自分の考えでやってしまい、結果うまくいかなかった。
あるいは、事前に相談もなく、独断でやってしまい、相手先とトラブルを起こしてしまった。
あなたにとっても無傷ではありません、損害や信用にかかわる状況となったときに、当事者にどう対応しますか?
そうした「困ったちゃん」に、孔子がアタマを悩ませてい
「自分が正しい」にこだわりすぎる。それの何がいけないのか―『呻吟語』
人の一生の大なる罪過は、「自是自私」の四字に在り
これまでの人生、いろいろと失敗や間違いをし、それなりに反省をしてきた。そのつもりでいました。
しかし、まだまだ思慮も経験も浅い。そう思わされたのが、中国・明代の呂 坤(呂 新吾)『呻吟語(しんぎんご)』の言葉に触れたときです。
「自是自私」(じぜじし)。
耳慣れない言葉ということと、常にこの過ちを犯す可能性があるということで、とても身につま
答えをすべて教えない。自ら考えることで人は育つ。孔子の人材育成法―『論語』
「挙一反三」の教えとは
「啓発」という言葉の由来になった、孔子の人材育成に関する話の続きです。
と述べた孔子の学ぶ姿勢への激烈な思いは、さらに続きます。
その意味は、
一つの隅を示しただけで、他の三つの隅にも鋭く類推を働かせるようでなかったら、それ以上の指導は差し控える(教えない)。
ということです。
一隅を挙げて三隅を以って反すは、次の四字熟語で知られています。
「挙一反三(きょいち