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【怒りの雑感】パタハラ被害、管理職男性の33%が経験 育休の阻害など


「休みを取るなら辞めてもらう」「次の昇進はないと思え」――。育児休業などを理由に男性社員へこうした圧力をかける「パタニティーハラスメント(パタハラ)」が増えている。厚生労働省の調査によると管理職男性の3人に1人が被害を受けている。

日経新聞記事より


エルザスは激怒した。

必ず、かの邪智暴虐のパタハラを除かなければならぬと決意した。

エルザスには政治がわからぬ。
エルザスはただのnoterである。けれども男性育休にまつわる邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。


育休は選挙権と同じように、法律によって男女に関係なく認められた権利である。企業ごときが邪魔をして良いものではない。

法律にはこう明記されている。

第六条
事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。

第十条
事業主は、労働者が育児休業の申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法


では、「解雇その他不利益な取扱い」とは何か。厚生労働省は例えば以下のような場合を挙げている。

  1. 解雇すること。

  2. 就業環境を害すること。

  3. 自宅待機を命ずること。

  4. 降格させること。

  5. 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。

  6. 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。

  7. 不利益な配置の変更を行うこと。


これらの行為は厳に禁じられているのである。そして、「実際にこれらの行為をするぞ」とほのめかすことがパタハラである。


エルザスが育休を申し出たとき、職場の上司、同僚は本当にあたたかくそれを受け入れてくれた。今日のこの記事を読む限り、エルザスは恵まれていたのだろう。
だが、「エルザスが恵まれていた」のではいけないのである。それが普通にならねばならぬ。

選挙の日に従業員が投票にいくのを邪魔する企業があるだろうか?

まずないだろう。

ではなぜ、選挙権と同じく法律で権利として定められているのに(しかもそれを妨げてはならないとわざわざ明記されているのに)、男性の育休取得を邪魔する企業が絶えないのであろうか?
エルザスには理解できぬ。



パタハラに悩む男性たちへ、エルザスは声を大にして言いたい。

「悪に屈せず、育休を申請しろ!
申請した瞬間に勝利が確定する!」


育休を申請して拒否されたり不利益な扱いを受けたりしたら、それは端的に犯罪である。
法令順守に気を使うまともな企業ならば、まず拒否するということがあり得ない。だから申請を思いとどまらせるようにパタハラが行われるのである。

万が一、申請をしたのにそれが拒否されたら、その犯罪は通報して是正されねばならぬ(この場合労働基準監督署へ通報する)。

その後のことを企業の側に立って考えてみよ。端的に法令違反である。労基に出てこられてはもうどうしようもない。職場の人手不足云々は言い訳にならない。解雇その他不利益な取扱いは取り消さなければならない。
ついでに言えば、「会社としては男性の育休ももちろん認めるスタンスだったのに、問題の上司が勝手に拒否した」という論法で、上司はトカゲの尻尾切り的に解雇されるかもしれぬ。

が、法律という最強の盾で守られた育休希望者に、それ以上どうすることもできないのである。育休取得の権利は、このように法に保護された非常に強いものであることを忘れてはならない。


もうひとつ、男性育休の意義について考えてみよ。以前にも書いたが、

育休は社会を良くするために作られた制度。使うことこそが社会貢献


なのである。
政府は、少子化を「個人・地域・企業・国家に至るまで多大な影響をおよぼし、社会経済の根幹を揺るがす危機的状況」と位置づけている(少子化社会対策大綱)。
その少子化対策の重点課題とされているのが男性の育休取得なのである(同)。

男性の育休取得を妨げようとする者は、はっきり言って公共の利益に反している。

パナソニックを作り上げた経営の神様、松下幸之助は言った。

「企業は社会の公器」

と。
企業は、社会が求める仕事を担い、次の時代に相応しい社会そのものをつくっていく役割があるのだ、と。

育休を取得しようとする男性と、それを拒絶する企業。どちらに大義があり、どちらが悪であるかは明らかであろう。


法律の加護という力と、少子化対策という大義。あとはここにあなた自身の覚悟が加われば、勝利は約束されていると言って良い。

力と大義と覚悟を持ったものに、勝利の女神は微笑む。メロスがそうであったように。

もう一度言おう。

「悪に屈せず、育休を申請しろ!
申請した瞬間に勝利が確定する!」




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