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【元教員ライター】教員を辞めたあとのキャリアの話。学校現場での経験はどう活きる?

教員を辞めてから勢いでフィンランドに行き、帰国後に転職活動を始めた当時28歳の私。

思い知ったのは、「教員は転職市場では全然評価されない…」という現実でした。

転職エージェントさんに紹介されるのは塾講師や幼児教室の先生など、子どもに関わる仕事がほとんど。それ以外は?と聞くと、「紹介できる求人はありませんね。。」と言われてしまったり。

学校の中の世界でどんなに実力があっても、転職市場においては教員のスキルはなかなか評価されないものなのです。

それから5年が経ち、今の私はインタビューライターとして仕事をしています。

ちなみに私は「教員経験は学校以外の社会では活きない」とは思っていません。ライターをしている今も教員を経験して良かったと心から思うし、これまでにもキャリアを活かしていきいきと働く元教員の方にたくさん出会ってきました。

それでも、教員を辞めて次のキャリアを考えている方にとっては、学校を離れた後にどんな道に進むのかは悩むところだと思います。実際に過去の私は、「転職サイトに登録する」以外の選択肢が見つけられず苦労しました。

教員経験は今の仕事にどう活きているの?
どんな経緯で今の仕事をするに至ったの?
そもそも今どんな仕事をしているの?

その答えを、私のストーリーとともにこの記事に綴っていきたいと思います。

今、やっている仕事

今はインタビューライターとして教育に関わる人や場の取材をして記事を書く仕事をしています。

例えば、取材させてもらうのはこんな方。

・元教員で、現在は社会起業家として全国の先生たちが学び合えるコミュニティをつくっている方

・学校の校則を生徒たちと一緒に考え直し、新しいルールをつくる取り組みをした学校の先生方

・探究的な学びを大切にしているスクールを卒業し、現在はアーティストとして活動している方

どんなことを質問するのかはその企画のねらいによってさまざまです。「なぜ先生たちのコミュニティをつくろうと思ったのですか?」「生徒との関わりで印象的だったことは何ですか?」「幼少期のどんな体験が今に活きていますか?」などなど、一人ひとりのストーリーを深掘りしていきます。

お話を聴いているときはもちろん、文字起こしをしたり原稿を書いたりする中で何度もその方のお話に触れることができるので、その方が大切にしている教育への想いにどっぷりと浸ることができるのです。その度に、教育が秘めている可能性を感じます。

私がこの仕事の中で一番嬉しさを感じる瞬間は、取材相手の方に喜んでもらえたとき。「インタビューしてもらうことで、自分が大切にしていることを再認識できました」「記事を読んで、なんだか自分自身がかっこいいなと思えました」。そんな感想をもらえたときは胸がいっぱいになります。

その方の思いを丁寧に紡ぎ、知らない誰かに届けることができる。そして読んだ方の心に小さな変化が起こったり、ちょっとしたアクションに繋がったり。もちろん私は読んだ方の変化のすべてを把握することはできませんが、誰かの背中をそっと押せるような記事にしたいといつも思いながら、記事を書いています。

インタビューライターとなるきっかけ

教員を辞めてから、1年間のブランクをあけて一般企業へ就職。会社員をしながら、私はnoteのアカウントをつくりました。

「現役教師へのインタビュー記事」を書いて、発信しようと思ったのです。学校現場を離れてからも、心のどこかで「学校と関わる仕事がしたい」「先生たちが、自分が心から良いと思っている教育ができるようになったらいい」と思っていました。

とにかく先生との関わりを持ちたいし、先生の本音を聞きたい。そこで思いついたのが、現役教師へのインタビュー企画だったのです。

もちろん当時はライターになるなんて夢にも思っておらず、「インタビュー記事を書かせてほしい」と言えば、たくさん質問することができるし、それを公開してその先生や読んでくれる方に何かプラスになることがあったらいいな、くらいに思っていました。

インタビュー記事を書き始めてから1年半がたった頃、「いつか一緒に仕事がしたいなぁ」と密かに憧れている方とお話する機会があり、ちょっとした雑談の中で、「実は趣味でインタビュー記事を書いていて、それがすごく楽しいんですよね」という話をしました。

すると、その方に「今、教育関係者に向けたメディアを運営していて、そこでライターが足りなくて。良かったら書いてくれないかな?」と言われたのです。

もちろん喜んで引き受け、全力で記事を書きました。それが人生で初めての、「お金をもらって記事を書く」体験でした。

その後も継続的にそのメディアで書かせてもらうことになり、私が書いた記事を別の方が読んでくれて、そこからまた執筆の依頼をしてくれたり…という感じで現在につながっています。

1年半前に私は会社員を辞め、フリーランスとして働くことを決意。「ライターになろう」と思っていたわけではなく、自分のやりたいことを仕事以外でやっていった結果として、インタビューライターという仕事にたどりつきました。

先生を経験してきたからこそ書ける記事

いわゆるWebライターは、ネットや本などの情報を集めて、検索上位に表示されるような記事を書くライターのことを指しますが、私が普段書かせてもらっている記事はそれとは少し違います。他者への「取材」をもとにして書く記事がほとんど。

取材とは、「相手に質問する」ということです。どのような観点で質問するのかは取材者の腕にかかっています。取材した内容から重要なポイントを選び、取材相手の思いがより読者に伝わるように執筆するのも当然ライターのスキルの1つ。

このときに必要なのは聴く力や書く力ですが、それと同じくらい、書く内容に関する知識が必要です。私の場合は、教員時代の経験や知識が活きています。

例えば、先生に対して学校現場での取り組みを取材をする場合、どんな思いでその取り組みを始めたのか、実際にやってみてどんな困難さがあったのか、どんな成果が得られたのか、などをお聞きします。そのときに、教員経験がある人が取材をしているというだけで、相手は心を開いてくれますし、きっとこんな大変さがあったのではないかな?と想像しながら取材をすることができます。

「元教員」というキャリアの活かし方は、なかなかないように思われがちですが、意外なところで活きるのです。そしてそれはライターに限ったことではなく、あなたのその経験を活かすことで、誰かの願いを叶える手助けができるかもしれません。

これから始まる新しい企画

元教員のキャリアにフォーカスをあてたインタビューがしたい。

自分が教員を辞めて数年経ってから、そう思うようになりました。純粋に「私自身が人のキャリアに興味があるから」というのが理由の1つです。そしてもう1つの理由は、「教員から次のキャリアを考えている方の世界を少しでも広げるお手伝いがしたいから」です。

これまで出会ってきた元教員の方のキャリアについて聞かせてもらい、インタビュー記事にして発信する、新しい企画をスタートさせます。

・今、やっている仕事は?
・なぜ教員を辞めようと思ったの?
・辞めたあとは何をしたの?
・なぜ今の仕事に就いたの?
・教員経験が活きたことはある?
・教員を辞めて一番変化したことは?

などなど、記事にまとめていきたいと思います。

すでにお一人へのインタビューを終えていますが、人生はこんなにも自由で豊かなものなのかと、感動してしまいました。

もはや"自分自身がやりたいから始める企画"という感じですが(笑)、この取り組みが誰かの背中を少しでも押すきっかけになったら嬉しいです。

2022.8.7 追記
元教員インタビューのマガジンをつくりました。興味のある方は、ぜひフォローをお願いします!


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