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発達障害関連

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発達障害関連の情報や個人的な考え
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記事一覧

たられば人生の終わらせ方

たられば人生の終わらせ方

産まれてからおよそ30年毎のタイムリープを繰り返すブラッシュアップライフの主人公のように、この記憶を持ったまま人生をやり直せたらどんなに良いか考えることが度々ある。

それはやっぱり過去の自分を振り返った時にあまりに非効率なやり方で物事を進めていたり、極端な視野の狭さから人を傷つけたりといった失敗ばかりが目につき、できることなら全て無かった事にしたいからだ。

また1度目の人生よりも2度目の人生の

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教科書の見つからない社会へようこそ

教科書の見つからない社会へようこそ

新卒一年目は正直、大学生活の延長線上と、ひきこもりからの社会復帰のリハビリ期間だった。「これをやってね」と出された課題を期日までに終え、「これを覚えてね」と言われたことを少しずつ頭に入れる。

以前からこのnoteに書いてきたように、同期もいないしリモートワークでたまにしか会社に行かない中で、「報連相」「コミュニケーション」「仕事の力の入れ具合」といった「基本のき」を、うだうだ悩みながらも身に着け

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日常をRPGに〜トークンエコノミー活用術

日常をRPGに〜トークンエコノミー活用術

怠惰症候群

うちの会社はお盆休みが無い代わりに、年間どこでも使える5日間の休暇が存在する。それを使わずに取っておくと、年度末に9連休というとんでもない休みがまとめて取れる。ただいま絶賛消化中なのだが、一人暮らしだと一つ大問題が発生する。

それは「仕事を再開するのが億劫になるくらいダラけてしまう」である。

10時にようやく目が覚めて、昼過ぎまでスマートフォンを見る。コンビニにご飯を買いに行き、

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「哀れなるものたち」の僕なりの解釈

「哀れなるものたち」の僕なりの解釈

ヨルゴス・ランティモス監督最新作「哀れなるものたち」が生涯ベストレベルで好きな作品だったので、感想をつらつら綴ります。

【注意】
壮大なネタバレを含む、かつ物語の起承転結についての説明は省きます。とにかくぜひ劇場に足を運んで下さい。

CMでも指原さんが携わっていたり、「女性の自立」が根幹にあるということは意図されていると思います。こちらが引くほど性描写にフォーカスした映画ですし、物語が進むにつ

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やわらかさ

やわらかさ

21歳の頃、今はもう無い新高円寺のバーで隣に座った地方の新聞記者のおじさんに「君は自分をカッコ良く見せようとして武装し過ぎている」と、何の脈絡もなくいきなり説教されたことがある。

「DA PUMPのU.S.A.はなぜ売れたと思う?それは楽曲のダサさっていうのが、むしろキャッチーでカッコ良い物として大衆に受け入れられたからだよ。そうやって相手に対して壁作ってばかりいるからモテないんだよ。(意訳)」

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言葉で世界を捉えてる

言葉で世界を捉えてる

「何となくイメージする」ができない

受験勉強の英語の長文読解で、ある一定以上のレベルから急に文章の表現が抽象的になるせいで、やたら読むのに時間がかかってしまうという悩みを抱えたことがある。
文章の表現を頭の中でイメージするのもそうだし、見たことない単語の意味を何となくで理解することができない。

しかも周囲の話を聞く限り、要領の良い人は分からない表現があっても話の大枠を掴み、テンポ良く読み進めら

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新卒発達障害者がオープン就労で1年働いてみて②~なぜ続けられたか

新卒発達障害者がオープン就労で1年働いてみて②~なぜ続けられたか

前半、僕の仕事の詳細と苦労した点はこちらから。

上記の記事でひたすら、社会人1年目で苦労した点について述べてきた。とはいえ良かったなと思うのは、所用で有休を使った以外に全く休みも遅刻もせず働き続けられたことである。

冷静に考えて就活44連敗するほどのポンコツである自分が全く使い物にならなかったり、早々に潰れてしまう職場は沢山あるだろう。そんな中でたまたま入社した会社に、そんなにストレスなく得意

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新卒発達障害者がオープン就労で1年働いてみて①~苦労した点

新卒発達障害者がオープン就労で1年働いてみて①~苦労した点

はじめに

オープン就労で障害者手帳を会社に開示しながら、一般と変わらない仕事内容で新卒として就活してちょうど1年が過ぎた。精神障害者のオープン就労の1年後の定着率が46.2%と低い中で、目立ったトラブルも大病もなく安定して働けたのが何よりも良かったと思う。

今回の記事では2回に分け、そんな僕自身がなぜ1年間仕事を続けられたかを振り返ってみる。前半良かった点後半苦労した点にしても良いとは思ったが

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聞き上手になろう③〜結局はテクニック

聞き上手になろう③〜結局はテクニック

全3回シリーズの最終回、これまでの記事はこちらから。

結局聞き役に回った方が強い

これまで2回に分け、ASDが喋りすぎてしまう事実と雑談が苦手な理由について考察してきた。興味の対象が狭いが故に相手の話に興味を持てず、自分の話を一方的にしてしまうのが原因である。

だがASDほど、相手と円滑なコミュニケーションが図りたいのであれば聞き役に徹するべきだ。なぜなら人は、自分に関心を持っている相手に対

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聞き上手になろう②〜雑談ができない理由

聞き上手になろう②〜雑談ができない理由

全3回の2回目。第1回目はこちら。

そもそもとして、アスペルガー人は雑談が苦手と言われている。理由はいくつか挙げられるが、代表的なものをピックアップする。

会話が目的思考

「この前こんなゲーム買ってさ」
「俺が若手社員の頃は」
「〇〇さん(その場にいない人)って感じ悪いよね」

定型発達同士のコミュニケーションは目的なんてものが無く、その場にいる人同士の交流自体に重きが置かれている。
相手も

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聞き上手になろう①〜マシンガントークで嫌われる

聞き上手になろう①〜マシンガントークで嫌われる

いくつになっても同じ事で悩む

社会人になってなお、人の集まりに参加するのが苦手だ。毎度毎度、変なタイミングで相手に声をかけて気まずい空気にさせたり、グループの中で展開される話題についていけず退屈していることが露骨に顔に出たりして、帰り道「絶対周囲から嫌われたな」なんて思いながら1人反省会をする。

発達障害を抱えていると相手の反応が想像できず失言したり、雑談の内容に興味を持てなかったりとコミュニ

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ADHDと妄想癖、その対処法

ADHDと妄想癖、その対処法

脳内多動の弊害

大学でお笑いサークルに入った後NSCか人力舎の養成所に入学して、毒舌でシュッとしたMCもできるツッコミの相方とコンビを組んで、自意識過剰キャラを前面に出した漫才をしてM-1で優勝するという妄想を、特にこのM-1の時期暇さえあれば考えてしまうのが自分という人間だ。

この裏側には多動ADHDの脳内多動が災いして常に頭の中で何か考えていないと気が済まないという特性がある。

思えば幼

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社会人1年目、ちょっとした注意に耐えられない

社会人1年目、ちょっとした注意に耐えられない

社会人1年目ももうすぐ終わり。成長を阻むものは…

社会人1年目なんて正直、怒られてそれを改善することが仕事だ。周囲も即戦力を見込んで採用したわけでは無いし、だからこそメイン業務では無くて研修や雑務の方が圧倒的に多い。

それでいて業務内容が破滅的に自分に向いていない訳でも、職場環境(フルリモート)が合わないわけでもない。むしろほぼ毎日定時で上がれているし、死なない程度に一人暮らしできている。

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全自動黒歴史記憶装置

全自動黒歴史記憶装置

生きてるだけで増える黒歴史

定型発達に擬態して一人暮らしし、いっちょまえに仕事していると、「本当にLITEさんって発達障害なんですか?」的な反応を貰うことがある。確かに派手な遅刻癖もないし部屋はゴミ屋敷ではない。そういう意味では分かりやすいタイプの発達障害者ではないだろう。

だが毎度このnoteを読んでくださっている方ならお察しの通り、自分の症状の真骨頂は内向性に表れている病的なまでの面倒臭さ

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