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高齢期リハビリのココロエ

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これから高齢者になる方たちへ。高齢者リハビリ17年の作業療法士が考える高齢期リハビリにおけるたいせつなことをお伝えしていきます。リハビリは決して機能訓練だけではないんですよ。先入…
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2023年6月の記事一覧

高齢期リハビリのココロエ20 高齢者には不親切に?!

高齢期リハビリのココロエ20 高齢者には不親切に?!

 突然ですが骨折したことありますか?わたしはあります。あれは中学2年のときにスキーで大転倒して右親指を骨折、その後控えていたテニスの大会に出られず、悲しい想いをしました。
 右手を骨折したら不便ですね。右手でしていたことを左手でしないといけないですし。と、私達、若い世代は何かしら身体に不自由があっても、なんとかかんとか工夫をして生活をしていきます。だって右手を骨折してようが宿題はしないといけない、

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高齢期リハビリのココロエ19 認知症の方は不確かな世界にいる

高齢期リハビリのココロエ19 認知症の方は不確かな世界にいる

「あれ、わたしなんでここにいるのかな」「帰る手段はあるのかな」「知ってる人はいるかな」「よく考えたらここはどこ?」「お腹も減ってきた」「もう外は暗くなってきた」「足も痛いしどうしよう」と認知症の方は【状況が把握できないこと】に【自分の不快な感覚情報(痛みや外の暗さ、空腹など)】が重なるといてもたってもいられなくなります。興奮したり、同じ訴えを繰り返したり、といった症状です。
 この場合、状況が把握

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高齢期リハビリのココロエ18 物盗られ妄想・帰宅願望のある方への対応

高齢期リハビリのココロエ18 物盗られ妄想・帰宅願望のある方への対応

 施設の認知症ご利用者が「わたしは今日、帰ることになってはずなのにどうなってるの?」また、違うご利用者も「わたしが洗濯したものが返ってきていない、誰かに盗られた!」とおっしゃっています。さて、どう答えるのが正解でしょう?
 私の場合は、一旦ご利用者のおっしゃることを肯定して一緒に困った気持ちになります。「困りましたね、帰る予定だったんですね。」といった感じです。やっぱりご利用者自身が感じていること

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