【アフリカ自転車放浪記】№16 自転車旅の醍醐味は「一期一会」
こんにちは。長野県茅野市の工務店エルハウスです。
エルハウスには、20代の頃、自転車でアフリカを旅してしたメンバーがいます。このメンバーが、自転車でアフリカを放浪していた頃のお話をご紹介していきます。
↑私です!槍ヶ岳で働いていたこともあります^^
今回はボツワナの村で野宿させてもらった話です。
トップの写真は、マイカメラをおもちゃにして遊ぶ少年たち。ちなみに、次のナミビア、最終ゴールの町で、このカメラは御臨終します。笑
当時の動画はこちら
ちなみに動画の中に出てくるボツワナのVDCは支援系の団体ではなく、どうも公務員さん的な人のための社宅的なエリアみたいです。
詳しい部分は、私の拙い英語力では理解していません。
野宿天国ボツワナ
はい、今回もボツワナです。
ボツワナは、まあ、楽しいですよ。
なにせ野宿天国。
というか、宿がない。
次の村まで50km。
そして、町の外はライオンキング(笑)
そんなわけで、宿のない村ではお願いして、宿泊させてもらいます。
海外野宿って怖いイメージもありますが。
現地の人も、宿がないし、たまにこういう変な旅人が来るので慣れているのか、
「ねえねえ、今晩、ここの村で野宿させて欲しいんだけど」
なんて話しかけると、
「じゃあ、あっちのポリスで聞いてみなよ。多分、裏で泊まってもOKって言ってくれるよ」
っていう感じです。
助かります。
アフリカに限らず、日本でもそうですが。
案外、最初に声をかけるのが大変なだけで、声さえかければ、ほとんどの人って意外と優しいものです。
腕立て伏せだって遊びになっちゃいます。
なんだって遊びなんです。
ちなみに、彼らは自転車を見たことがないです。
貧乏だからじゃなくて、隣の町まで遠すぎて、しかも、外は野生動物で危険だからでしょう。ボツワナには自転車は存在していません、多分。
こうして村で泊めてもらえると、現地の人とお話する機会にもなるので楽しいですよね。
流浪の旅人 コスタ老人
さて、ボツワナでは他にも、途中、コスタ老人という方にも会いました。
結構な年齢のおじいちゃんなんですが、流浪の旅を続けるおじいちゃんです。
コスタ老人は簡単にイメージだけ言うと、スティーブ・ジョブズが禅にハマり過ぎて、世界を流浪するようになったような感じです。
別にお金持ちなのかは分かりませんが。
コスタ老人と出会ったのは、ナタという町に到着したところ。
「おい、お前、自転車旅か?! おれはそこでキャンプ場を作っているんだけど、今晩泊まっていくか?」
と突然、白人さんに車から声をかけられました。
ピックアップトラックの後ろの荷台には、大きなワンちゃんも乗っていました。彼の名前はルーペルト。
「今さ、キャンプ場を作っているんだよ。アフリカでキャンプ場を作るのがオレの夢だったんだ」
「へー、アフリカでキャンプ場を作るのが夢なんて、なかなかぶっ飛んでて素敵だね」
「今日はもう一人宿泊客がいるから、仲良くやってくれよ」
と連れて行かれたキャンプ場にいたのが、コスタ老人だったんですね。
コスタ老人はカウチサーフィンという、無料で宿泊させてくれる人を募集しているサイトを使ってルーペルトのキャンプ場を見つけたらしいです。
無料で宿泊する代わりに、お手伝いしてね、など条件はいろいろあるらしいです。外人さんは結構使う人もいるみたいです。
コスタ老人、ルーペルトと一緒にキャンプ場の貴重な電源、ソーラーパネルを設置します。
ルーペルトは溶接の保護のため、かっこいい鉄の面をかぶります。
ルーペルト「いやー、今日は手伝いが二人もいるから、ソーラーを設置するには最高だよ!」
ソーラーパネルを、キャンプ場の母屋になる、コンテナハウスの上に乗せるという作業なのですが。
なぜかルーペルトは上に乗せる前に、下でソーラーの台座を溶接して連結して、それを持ち上げようとするので、これが驚くほど重いわけです(笑)
3人で笑いながら、屋根の上にソーラーを設置しました。
居候の福田とコスタがルーペルトのためにした仕事って、そのくらいです笑
そのくせ、福田とコスタは、延々とルーペルトのコーヒーを飲み続けます。
目の前にあるものに感謝して、楽しむのが大事なんだよ
福田「コスタはコーヒーが好きなの?」
コスタ老人「いや、別にそういうわけでもないよ。私は何も好きでもないし、何も嫌いでもないんだよ」
福田「でも、ずっと飲んでいるじゃん」
コスタ「目の前にあるものをおいしく飲み続ける。目の前にあるものに感謝して、楽しむのが大事なんだよ」
福田「ふーん、そんなもんなの?」
コスタ「何かが好きっていうのは思い込み、クセなんだよ。Habbit mekes people slavesだよ」
福田「ふーん、なんだか禅の精神みたいだね」
コスタはアフリカに来る前はアジアを自転車で旅していたそううで、アフリカは今はバスで旅しているそうな。
僕とコスタはぼんやりとコーヒーを飲んで過ごしました。
ふたりとも別にやることもないですからね。
福田「コスタは昔から、そんな仙人みたいな人だったの?」
コスタ「どうかな? いろんなことを経験してきたからね。その中でいろんなものが変わったかもしれないし、変わっていないものもあるのかもしれないね」
無料で泊まらせてもらっている二人で、延々とルーペルトのコーヒーを飲みつつ、そんなお話をしました。
まあ、別にコスタとの話って、こうして文字に起こすと、大した話はしていないんですけどね。
不思議な仙人みたいな人と言葉を交わす時間っていうのは、不思議な気持ちよさがあるんですよ。
※タダ飯食って、眠って。恩返しにしたのが、ソーラーパネルの設置の手伝いだけ。ルーペルト、ありがとう。
この記事を書きながら、
「ルーペルトのキャンプ場は無事に完成してオープンしたのかな?」
と思って検索してみたところ、見つけました。
↑もちろん英語ですけど。ちゃんとあのワンちゃんも元気そうで良かったです。
なかなかボツワナに行って、キャンプ場に泊まる機会はないかもしれませんが、もし、行く機会があったら泊まってみて下さい。
ルーペルト、いい人でした。
自転車旅の醍醐味は「一期一会」
自転車旅の良さは一期一会のところでしょう。
他の旅人と比べると、すごくペースが遅いし、一人乗りの乗り物なので一緒に進むっていうこともしにくい。
同じ自転車旅の人同士っていうのは、あまり、一緒に走ることをしたがらない。別に人と走るのが嫌いってわけでもないんですけど。
一人で自分のペースで走っているのが気楽ですし、目的地や今夜寝る場所も自由に決められますから。
コスタは今、元気にしているのかな。
ルーペルトは無事に夢を実現してアフリカでキャンプ場をしていて本当に良かったなと思いつつ。
ボツワナもあれこれ楽しかったです。
象と野宿ばっかりでしたけど。笑
泊まる宿がないというのも、いろいろな出会いがあって楽しいものです。
次回は最後の国、ナミビアに行きましょうか。
それではまた!
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追伸
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