2020年10月の記事一覧
〘異聞・阿修羅王27〙乾闥婆
阿修羅を除いた八部衆全員が、乾闥婆王(けんだっぱおう)の見解に興味津々とばかりに傍近く集った。
「始めに言うておくが、これから話すことは、あくまで、私が見聞きして来たことから推測したに過ぎん。それは承知の上で聞いてくれ」
六人が頷く。
「皆も薄々気づいているとは思うが、この須彌山(しゅみせん)は、幾度となく消失と再生を繰り返している。これは間違いないと、私は確信している」
創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」19話 絵美とジョニーと周りのひとびと
18話のあらすじ
火星から地球に帰還した絵美と、姉の真菜は本当に久しぶりに再会した。そして、昔のようにふたりで神社へ行き、万能通信アイテムである「コミュニ・クリスタル」を通して氏神のスサノオノミコトと尽きない話に花を咲かせた。一方、絵美と同じ宇宙船で故郷のロンドンへと帰ったジョニーは、久しぶりに両親と顔を合わせていた。ここからはジョニーの記録。
19話
日時: 2225年5月30日 ゴミゼロ
The Latest Mythology -vol.45-(note神話部週報)
【今週の神話部活動報告】今週 #note神話部 に投稿された作品をシェアします。ぜひ元記事にリアクションをお願いします。そのワンクリック・ワンコメントが神話部の原動力となります!
投稿期間:2020/10/18〜2020/10/24
今週の作品:7点(ストーリー4、エッセイ・コラム1、詩歌1、絵画1)
今週の部員:笹塚心琴さん、矢口れんと、すーさん、悠凛さん
皆さま、いつもたくさんご投稿を
〘異聞・阿修羅王26〙二分されしもの
天が二分されてから、どれ程の年月が経ったのか──。
無謀にも雷帝インドラに闘いを挑み、最初の敗北を喫した阿修羅王は、忽然と姿を消した。
その後、何度となく、いや、何十回、何百回とインドラに挑み続け、同じだけの回数、負けを喫していた。だが、いつも唐突に現れては去っており、阿修羅本人はおろか一族の者すら、どこに住まうか依然としてわかっていない。
ただ、いつの頃からか、魔族に襲
〘新話de神話〙異聞でも何でもないやつ6
とりあえず、何となく前半戦っぽいとこ(←!)までひと段落したので、1回休みってことで。
ホント、マジで、絶対、何があっても、信じちゃダメなやつですから!w
有名な神話であれば認知されてるから、誰もデタラメを信じたりはしないでしょうし、むしろ違う風に書いてるとこは指摘されまくる気がするんですが、どうも今回のように仏話成分と神話成分の比率が 6.5 対 3.5 とかだと、どうにも似非感
創作未来神話「ガーディアン・フィーリング」18話 絵美とジョニーと周りのひとびと
17話のあらすじ
火星の滞在先で、ついに絵美とジョニーはガールフレンド、ボーイフレンドの関係から一歩前に進み、恋人どうしとなった。そして、地球へ帰還したあとのことにふたりで思いを馳せるのだった。一方、絵美の紹介で姉、真菜はスペースデブリ拾いという仕事をすることになった。その後三年が経ち、自宅でのリモートワークにも慣れた真菜。ここからは、真菜の記録。
18話
日時: 2225年5月30日 ゴミ
さいはてキッチン.【終止符】
←15【月】
***
あれからどれくらいの時間が経ったのか、そのこと自体を考えなくなっていた。何日、何ヶ月、いや何年経ったのだろう。僕が「あの日」のことについて思考を至らせたのは、その年の年末(とされる時期)の寒い日に、ゼロイチが編み物の編み針を落として、咳こんでしまった時のことだった。
「大丈夫?」
「ごめん、拾って」
僕はゼロイチに言われて暖炉の近くに落ちた編み針を拾う。もうずいぶん、ゼロ
〘異聞・阿修羅王25〙勝敗
インドラが振り上げた大剣と、阿修羅が上空から振り被った二刀は、ぶつかり合った瞬間、激しい火花を散らし、衝撃波が床を捲り上げた。
押し引きの狭間、互いの剣が研がれ合う激しい鳴りが耳を突く。
(相変わらず、見かけによらぬ剛力よ……!)
一見、華奢な阿修羅の腕は、確かにその見かけからは想像出来ない力を放っていた。
(真、いとも簡単に、このおれを薙ぎ払った力と、再び相まみえる日が
The Latest Mythology -vol.44-(note神話部週報)
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投稿期間:2020/10/11〜2020/10/17
今週の作品:7点(ストーリー4、エッセイ・コラム2、絵画1)
今週の部員:笹塚心琴さん、吉田翠さん、なえさん、すーさん、悠凛さん
皆さま、いつもたくさんご投稿
さいはてキッチン15【月】
←14【因子】
***
僕たちが食卓にこないことを不審に思ったアオは、現場を見るや条件反射のようにランパトカナルの光をミズに照射した。
「無駄だよ」
僕がそう伝えても、アオは照射をやめない。僕はため息をついた。
「ランパトカナルは奇跡以外のなにものでもなかった。奇跡はもう起こらない。終わるんだ、やっと」
「ミズ……ミズ……」
僕が与えたミズの致命傷は、光を受けてその色を浮かび上がらせている。その場