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檸檬読書日記 泉鏡花にまいりました。 2月13日-2月19日

2月13日(月)

泉鏡花『外科室』を読む。
相変わらず難しい。漢字も少し形の違う昔のものだったり、これはほぼ古典では?と思うほど、頭弱い自分には難易度が高かった。

昔昔に『高野聖』を読んだ時、凄く苦戦した。だからこれは読解力や本読みスキルを高めてからでないと駄目だ…と思って、しばらく昔のものは遠ざかっていたのだけど。
でももうそろそろ良いのでは?と変な自信から、意を決して読んでみた。が、やっぱり難しかった…。
どうやらまだまだ早かったらしい。むむ。

けれど泉鏡花の凄いのは、分からないところがほとんどなのに、それでも何となく内容が分かるということ。理解できるということ。
そして何より、泉鏡花が作り出す美しくも危険で怪しい世界に、分からないながらもいつの間にか惑わされて惹き込まれてしまうといことだと思った。

室内のこの人々に瞻(みまも)られ、室外の彼(か)の方々に憂慮(きづか)はれて、塵を数ふべく、明るくして、しかも何となく凄まじく浸すべからざる如き観ある処の外科室の中央に据ゑられる、手術台なる伯爵夫人は、純潔なる白衣を絡ひて、死骸の如く横はれる、顔の色あくまで白く、鼻高く、(略)唇の色少しく褪(あ)せたるに、玉の如き前歯幽(かす)かに見え、眼は固く閉したるが、眉は思ひなしか顰(ひそ)みて見られつ。纔(わずか)に束ねたる頭髪は、ふさふさと枕に乱れて、台の上にこぼれたり。
そのかよわげに、かつ気高く、清く、貴く、美はしき病者の俤(おもかげ)を一目見るより、予は慄然として寒さを感じぬ。

うん、難しい。でも美しい。
完璧は配置で作り上げられているような、芸術性を感じられる気がする。(分かっていないくせに生意気なことを言っておる)
それに反対に理解半分だからこそ、余計幻想具合が増すのかも。
どちらにしても、やっぱり昔の文豪って凄い。

泉鏡花といえば(突然)、師匠である尾崎紅葉『金色夜叉』も読みたいと前々から思っているのだけど…。
泉鏡花でつまづいている時点でな…もうちょっと読書力を高めてから挑戦してみよう。(先は長そうだ…)




2月14日(火)

長田弘『読書からはじまる』を読む。

これが自分の椅子だ。これが自分にとっていちばんいい椅子だ、この椅子に座っていれば、たとえ本を読まなくて膝の上に本を置いて居眠りしても楽しいという椅子にめぐりあえれば、人生の時間の感触はきっと違ってきます。

自分もめぐりあいたい。
自分にあった椅子にめぐりあえなさすぎて、基本的に立って読んだり、狭い家中をうろちょろ歩きながら、歩きスマホならぬ歩き読書しているから、余計に思う。

憧れのゆったり座って読書…。
あぁ、めぐりあいたーい。


大高忍『マギ』23巻を読む。

自分より強い人からの優しさが信じられないのは、あなたたちの心が弱いからよ!!
(略)
いつまでそんな生き方をするつもりなの?
自分より強い相手が怖いからってよってたかって攻撃して……
でも、強い誰かのことも助けてあげたいって……
自分より強い誰かの気持ちを理解したいって思えなきゃ……
誰もが自分より下ばかり探して殺し合う、
敵だらけの世界になってしまうわ!!!
(略)
…分かってる。
(略)
怖かったのよね。
近くにいて、いつか自分の大切な家族を攻撃してくるかもしれないから。
でも、勇気をだして。
まわりをよく見てよ。
私たち、きっとそんなに大きな違いなんかないわ!
(略)
みんなが本当は、戦いなんかせずに家族と愛し合って生きていきたい
同じ心を持っているってわかっているから……
信じてる。

かっこいいな。
確かに強いからって、無敵なわけでも傷つかないわけでもない。人は誰でもどこかに弱さをもっていて、強い人はそれを隠すのが上手いだけなのかもしれない。

そして本当に、言葉や見た目が違っても、根本的なものは同じで、きっと違いはないんだろうな。
だから誰もが家族だと思えたらいいのだけれど…。
別にそう思えなくても、同じだとわかって争いのない世界になれたらいいのになあ。

それにしても、『マギ』を読み始めてから1ヶ月以上経っている気がするが、いっこうに進んでいる気がしない。
毎日1冊ずつ読めればもうとっくに読み終わっているはずなのに…。なかなか1冊が難しいぞ。むむむ。
面白くて、その分長く浸ってられるからいいのだけれど。
ただ待機本が…。時間がほしい、切実に。




2月15日(水)

ようやく、ようやく、『東京卍リベンジャーズ』最終巻を手に入れた。嬉しい。
全部揃ったから、熟成期間に入ります。(え)勿体ないから1,2年ばかし放置してから読もうっと。
その前に早くアニメ見よ。

それにしても、不良に憧れもないのに、どうしてこうも定期的にヤンキー漫画を読んでしまうのだろうか。不思議。
知らない世界だからこそ、余計に見たくなっちゃうのかな。うーむ。

個人的にヤンキー漫画で好きなのは、『今日から俺は』で有名な
西森博之『お茶にごす。』(全11巻)
か、『月刊少女野崎くん』で有名な
椿いづみ『俺様ティーチャー』(全29巻)
かな。
どっちも面白し、何より笑えるから好き。
後ヤンキー系なのか微妙だけど
もすこ『微妙に優しいいじめっ子』(全10巻)
も好きだな。 
どれもヤンキーだけどわりかし安心して読めるからいい。


前々から気になっていた『五三焼かすてら』を食べる。和三盆を使っていたりと食材にこだわっているのだとか。素晴らしい。

割と甘めであるものの、くどくない甘さで、カステラ自体はずっしり重い。だけど上の方はしっとり、下の方はむっちりして、2倍楽しめる、1切れで大満足の1品だった。

個人的には、甘かったから、クリームチーズやギリシャヨーグルトのような固めのヨーグルトをのせて食べても美味しいかも、とか思ったり。
まあ、そのままでも充分すぎるほど美味しいのだけど。特に濃いめの抹茶と一緒だと、最高。



2月16日(木)

長田弘『読書からはしまる』を読む。

子どもの本というのは、子どものための本なのではありません。大人になってゆくために必要な本のことだというのが、わたしの考えです。そうした本であるべき子どもの本にとってもっとものぞまれるべき読者がいるとすれば、それは大人であり、子どもの本を読むことによって、それまで自分でも気づかなかったけれども、ふりかえって今、子どもたちに伝えたい何かを、とくにそう意識しなくても、大人たちはきっと自分で、自分のなかに確かめるようになる。そう思えるからです。

大人になって気づくことってあるよなあ。
でもそれは気づいたんじゃなくて、最初から自分の中にあって、大人になってようやく形になっただけなのかも。


セング・ソウン・ラタナヴァン『きみだけの夜のともだち』を読む。絵本。

題名通り、夜が不安な主人公が、夜のともだち探して次々と見つけていく話。
自分の頭が悪いからか、内容はところどころ、ん?という感じになるけど、絵がカラフルで見ているだけで楽しかった。
ところどころに、鯉のぼりとか日本のものもあったりして、それを見つけるも面白いポイントだった。



2月17日(金)

たなか鮎子『森のささやきの標本室』を読む。児童書。

音に導かれて、本の中の森に迷い込んだ主人公が、森の中から消えていく音を取り戻す話。

ところどころに音が散りばめられていて、まるで森の中にいるような、森の中の音が聞こえてくるような感覚になった。
自然のもつ音の素晴らしさを再確認できた本だった。



阿津川辰海『蒼海館の殺人』を読み始める。
前作『紅蓮館の殺人』の続編で、名探偵である葛城の家を助手が訪れた際に、殺人と水害が起きるという内容。

最初の『紅蓮館の殺人』を読んだのが随分前で、ほとんど内容を忘れていた。
助手と名探偵ってこんな人物だったっけ?と思いながら読んで、多少は思い出してきたけど、多少でも問題なさそう。これなら意外と前作を読んでなくても、平気そうな感じだ。

それにしても、名探偵が結構うじうじとしていて、名探偵にしては珍しい性格だなと思った。(それとも自分が読んでいるのが、自信満々のものが多いのか?)
それでもどうやって自信を取り戻していくのか、これからの展開が楽しみだ。



2月18日(土)

長田弘『読書からはじまる』を読む。

子どもの本というのは、そこから世界がこんなふうに見えてくるという記憶をのこす本です。遠眼鏡であるような本であって、同時に顕微鏡であるような本。

本によって、世界が広いことも反対に狭いことも知るのかもしれない。
本によって、自分の世界とは違う環境も心情も、反対に自分の身近な環境の心情も知ることができるのかもしれない。
なんて、思ったり。


デデン!

マーラーカオー!
卵蒸しパンのような、ふわふわで素朴な味。もう大好きです。
レーズン入りや、生姜シロップ入りも良き。
そのままでもいいのだけれど、黒蜜ときな粉をかけて食べるのも好き。



2月19日(日)

阿津川辰海『蒼海館の殺人』を読む。
どんどん何かが迫ってきている。わぁ、なんだかドキドキしてきた。


前回↓
前の週で、スプラウト観察日記を載せていた。

その続きはというと、結局駄目になってしまった。
あれ以上成長せず、ひょろひょろと頼りなくて、これは完全に駄目だなという感じになってしまった…。

種が古いせいかなとも思ったけど、おそらく温度が足りなかったせいな気がする。
基本暖房がないから、常に寒い。
一応アルミホイルに包んで、箱の中に入れて日に当たる場所に置いておいたけど、それでもやはり寒すぎた模様。
これを反省に、もう少し暖かくなったら再挑戦してみよう。
今度こそ成功させるぞ!おー!


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