note35目:わが家は今日も平和なり
MRIの結果が出た!
なんにも問題なかった!!
単なる炎症による痛みだった!
先生の言葉にほっと胸をなでおろす。
よかった、本当によかった。手術とかになったらどうしようかと思ってた。
「ただ、しばらくは安静第一。修復する前に激しい運動すると繰り返し炎症が起きてしまうので気をつけて」
と、釘を刺される。
まだまだ動くと痛いのでストレッチもできそうにない。
太るんじゃないかと不安が出るけれど、まずは身体を治すことが第一。
最低一ヶ月は我慢しないといけない。
再来週にも通院の予約をして病院を去る。改めてよかったなあと思った。
家に帰り夕ご飯の支度に取りかかろうとすると、ガチャリと玄関が開く。
旦那の御帰りだ!
「おかえり、早くない?」
「今日早く出勤したから早く上がってきた」
仕事が大変でさ~と、話し出す旦那。
うんうんうん、と最初は可愛く聞いていたけど、次第にムカムカとしてくる。
開口一番に仕事の話?
嫁は腰を痛めていてMRIまで受けているのに?
昨日病院に結果聞きに行くって話したのに「どうだった?」の一言もないわけ?
不満を胸に納めながらキャベツを真っ二つに切る。
旦那はソファーに寝転びテレビをつけた。
ざくざくとキャベツを切ったり、豚肉切ったりしていたら我慢ならなくなった。
「ちょっと!」
イライラがピークに達し、けんか腰に話しかける。
「え、なに?」と私の剣幕に旦那はちょっと動揺した。
「なにか言うことないわけ?」
こうやって問いかけてしまうあたり、私は可愛い女になれない。
もっとマイルドに言えたらいいのに。わかっちゃいるけど、できないもんだ。
旦那は「うーん?」と首をかしげる。
「今日!病院!行ってきたのっっ!!!」
「あっ、そうだ!玄関開けるまでは覚えてたんだ!どうだった?」
慌てて起き上がりキッチンにかけよってきた。
その姿勢にイライラは緩和され「……問題なかった」と医者からの診断結果を伝えると「よかったー」と喜んでくれた。
「原因はなんだったの?」
「重いもの持ったわけでもないし、わからないって」
ふーんと、納得したわけでもなさそうだったが、ひとまずちゃんと心配してくれたので、一触即発は免れた。
私が我慢ならない子だからすぐにペロッちゃうけど、我慢できる子なら聞かれるまで黙っているだろう。
辛抱がないのか、沸点が低いのかわからないが、なんとか今日もわが家は平和でした、以上、まる。
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