ノルウェーの人
こんにちは。すっかり涼しくなりましたね。
本日は半日お休みをいただき、午後はおとなりさいたま市へ。
明日から開催するさいたま国際芸術祭で、旧大宮会館や区役所は盛り上がっていました🙌
わたしも、フリーパスを買ったので、見に行きまくる予定です!
今年のノーベル文学賞
昨晩、ノーベル文学賞の受賞者が発表されました。受賞者はノルウェーのヨン・フォッセ氏。
…誰??
というのが正直な感想でした。勉強不足ですみません~;;
ただ、受賞理由が「言葉に表せないものに声を与える革新的な戯曲と散文」と言われており、これを機に読んでみたくなったのも事実…。
X(旧Twitter)では、こんなつぶやきも見られました
みなさん、うまいこと言いますね笑。
"Norwegian…" の発話にハッとした人は少なくないはず。
いつか村上春樹氏に取ってほしいな、と願う一方で、今回のヨン・フォッセ氏のような、今まで知らなかったけど魅力ありそうな作家を知る機会になるのも、ノーベル文学賞発表の楽しみだなと、私は見ております。
私のハートを打ち抜いた作家たち
ということで今回は、これまでノーベル賞を受賞した作家で、私のハートを打ち抜いた作家たちについて、書き連ねたいと思います。
①アニー・エルノー(仏, 1940-)
まずはこの方。2022年ノーベル文学賞を受賞した、フランスの女流作家アニー・エルノー氏です!ちょうど今から1年前、記憶に新しいことも影響しているのかもしれませんが、それを抜きにしても、彼女の自分語りは心に響くものがあります。
2023年の年明け、修論から解放されて好きな本を好きなだけ読める!という時期に、彼女の作品も一気に読んだ記憶があります。「シンプルな情熱」「事件」「ある女」などなど、いずれも半自伝的な作品ですが、恋人や家族に対する感情や性欲までもを、臆さず赤裸々に語っています。
正直、「シンプルな情熱」を読んだときは「これがノーベル賞?ただのエロ本では…?」(失礼w)などと感じなくもなかったのですが、それでもやはり圧倒されるものがありましたね。
私が一番好きなのは、作者と母親との関係性、母親への思いが書かれた「ある女」です。
(以下、若干のネタバレ)
エルノー氏の母親は大学を卒業せずに、家庭に入った女性。一方のエルノー氏は中流家庭に育ちながら、努力して学位を取り、上位の階層に足を踏み入れた女性。
そんな2人の関係性を見ていたら、自分の母のことも思い出したのです。私の母親は、家庭の事情で大学進学を諦めた身です。きっと学びたいこと・やりたいことも沢山あったのだろうと想像します(仲悪くないのですが、こればかりは踏み込めずにいる…)。色々思うことはあっただろうけど、私には4年制の大学に通わせてくれました。
母に対しては、まず感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ同時に、申し訳なさ、というか、後ろめたさみたいなものも感じていて…。その感情が、傲慢で、大学を出ていない人に対してどこか軽視しているようにも、我ながら感じられて。
…という、書いていてもよく分からなくなるような、複雑な気持ちを抱いているわけです…。
エルノー氏の作品は、決してつらい感情に寄り添うようなものではありません。ただ、自分が蓋をしていた感情を呼び起こす、そんな力があるように感じました。
「ある女」を読んだときは、エルノー氏の母娘関係に共感を覚えると同時に、母親への複雑な感情が一気に溢れて、どうしようもなくボロ泣きしました。
正直これが自分にとって、プラスなのかマイナスなのかは分かりませんが、これまでにない読書体験だったことは間違いありません。
思い出すのも中々しんどいので、この辺で笑。
②ヴィスワヴァ・シンボルスカ(波, 1923-2012)
もう一人はこの方。1996年に受賞した、ポーランドの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカ氏。知人に詩集を借りたことをきっかけに彼女のことを知りました。
彼女の言葉も、これまた力強い。詩という短い語数の中で、人の心や社会の本質をこんなに緻密に描けるのか!と衝撃を受けました。
詩集は短いので、修論を書いている中でパラパラ読んでいましたが、数万字かけていても要点がまとまっていない論文を書いている、そんな自分が恥ずかしくなったのを今でも覚えています笑。
百聞は一見に如かず。ぜひ手に取ってほしいです。
でもやっぱり・・
ここまで、欧米の作家2名について書いてきましたが、やはりいつかは日本の作家にもまた取ってほしいなと願うのも正直なところです。
これまで、日本文学界でノーベル賞を受賞したのは
の2名。
もちろん、ノーベル賞を取ることが全てではありません。でもやっぱり日本語の美しさ、そんな言語で書かれた作品たちは世界に誇るものだと思うんです。
そんなこんなで、来年以降も見逃せないノーベル文学賞です!📚
長くなりましたが、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
よい週末を!