ナル
長いものからショート作品まで、いろいろ書いてみます。怖い話って書いてても怖いよね。
私、ナルが書いたエッセイと呼べるかぎりぎりの文章を集めました。しょうもないことしか書いてません。
作者・ナルが昨夜体験したかもしれない、妖怪たちとの交流のお話。事実か空想かは、ご想像にお任せします。
ナルの主観で書いた、岩手県紹介記事です。岩手への興味が増す記事を目指しています。
ナルが書いた自作の詩のようなものたちです。読んでいただけたら成仏できます。
「紅葉から人間を消してくれ」 目の前の男は血走った眼でそう言った。 「世界から人間を消せばいいんだな」 私は神。そのくらいのことは容易い。残念なことではあるが、この男一人を残して人間を消滅させてやろう。そう思った矢先、男は首を振って否定した。 「紅葉シーズンだけでいいんだ。なんなら、景勝地以外には普通にいてもいい。それに、モデルは何人かいてくれないと……」 男はぶつぶつと呟きだした。フォトグラファーだというこの男は、完璧な紅葉写真のために人間を消滅させたいらしい。彼
第三次世界大戦間際とまで後に言われるほどに、世界情勢は悪化していた。各国首脳や国連はこれ以上の紛争を回避するため、知恵を絞った。戦争以外の手段での国際紛争の解決策。もはや国際法すら存在意義を失っているこの世界に、そんなものはあるのだろうか。 国連職員であるジョナサンは、別件で盛岡に来ていた。 そこで彼が目にしたのは、さまざまな争いを『わんこそば』ですべて解決する盛岡の民だった。個人的ないざこざ、不良集団の抗争、痴情のもつれ。『わんこそばをどれだけ食べられたか』でそのすべてが
曇天を見上げた君の睫毛に、今年初めての雪が触れた。体温で溶かされた白い結晶は僅かばかりの雫になり、君の頬を流れていった。 「…ごめんね」 呟くようにして君が言った謝罪が僕に向けられたものだと気付くまで、静寂が僕らの間を流れていった。 「謝るようなことじゃ、ないよ」 つらいのは間違いなく君の方だと言うべきなのに、僕の口は機能不全を起こしている。もし僕がAIだったなら、もっと上手く君に寄り添えたのだろうか。何を言えば、君の瞳は僕を映すのだろう。何を言えば、あの日々が戻って
枕元の照明を消して、私はようやく私に戻った。 生きづらいと言うほどでもないが、窮屈な日々。ほんの少しだけ噛み合わないことばかりの日々に、心が疲れているのを感じていた。 目を閉じても、眠りに就けない。また照明を点けて立ち上がり、睡眠薬を服用した。 15分ほどして、ようやく効果が出てきたようだ。目を瞑ると、意識は次第に遠のいていく。 「夏菜実、そろそろ起きなさい」 眠い目をこすりながら、私は身体を起こした。珈琲の香りがする。辺りを見回す。眠る前と景色が一変していた。ログハウス
「兄貴、もう的を変えましょうや」 兄貴は、盗賊団『秋の香』の首領。俺はたった一人の部下だ。 江戸の頃生まれたこの盗賊団も、今では落ちぶれちまった。 それもこれも、『キンモクセイしか盗まない』という流儀のせいだ。 俺達は、池のそばのぼろ小屋を住処にしている。 昔はここに盗んできたキンモクセイを植えていた。今残っているのは、その香りのみだ。 「いいや、的は変えねえ」 兄貴は言った。 「だけど兄貴!近所にキンモクセイがないからって芳香剤を集めても仕方ねえよ!」 令和の世に
SNSでひそかに話題になっている『沈む寺』の取材に行くことになった。前回の山荘で臨時収入を手にした僕は、好奇心に突き動かされるように、その寺を目指した。 外から見ると、ごく普通の寺である。 中では説法が行われているようだ。こっそり入って聞くことにした。 「…すなわち、この世には神も仏もいない。いるのは有能な人間と無能な人間だけです!」 和尚が声を張り上げる。何だ、この怪しいセミナーみたいなノリは? 「いいですか!この諸行無常の世を生き抜くには、『金』がすべてなのです!
呼び鈴が鳴った。そのタイミングでカップラーメンを食べ始めた僕にとって、なかなかに腹立たしい出来事であった。 重要な客かもしれない。しぶしぶ割り箸を置き、インターホンのモニターを確認した。 そこには、誰も映っていなかった。 しかし、呼び鈴が再び鳴った。 怪奇現象を信じるタイプではない。もしかしたら、呼び鈴の動作不良かもしれない。確認のため、僕はドアを開けた。 そこにいたのは、一羽のハシビロコウだった。 「…なんで?」 そのハシビロコウは、僕の目をじっと見つめている。 「…」
魔物と続けば、日向坂46の四期生曲「見たことない魔物」になる。あれは数ある名曲の中でも、更に名曲。好き。 …と、まあそれは今日はいい。いずれ熱量100%で紹介するからいい。 僕が「見たことない」のは、スポーツの試合である。 高校時代に野球部の試合を見たことはある。 今でこそインドア派の極みみたいな人間だが、その当時の僕は応援団員だった。なかなかに重い旗を持ち、応援した。あの炎天下。つらかったよ。 というわけで、僕が見たことがないのはプロスポーツの試合だ。 野球、サッカー
※この記事は、過激な表現を含みます。 当時の僕の状況を適切に書くために必要なので、ご了承ください。 ただ、最終的には推し活記事です。 2020年当時、僕の自殺願望はとても強かった。 コロナ禍になる以前から、死にたいという感情があった。幼少の頃からずっと、死に対するぼんやりとした憧れがあった。それが、コロナ禍という特殊な状況に置かれたことで、より強くなったのだと思う。 震災以来、回復と悪化を繰り返しながら生きてきた僕の心は、コロナ禍という特殊な状況で、完全に壊れた。 自
青豆ノノさん考案の『小説を書いたり読んだりする人が答える20の質問』に答えてみました。 ノノさん、うたすと2参加させていただきありがとうございました! 是非またご一緒したいです。 では、早速答えさせていただきます。 Q1、あなたは、目的なく大きな書店へ立ち寄った時、まずはどのコーナーへ行きますか? 売上ランキング的なものがあるときはそこに。ないときは新刊コーナー。 Q2、好きな本の装丁を見せてください。もしくはその本のタイトルを教えてください。 小路幸也『蜂蜜秘密』
こちらは雨である。 外での仕事に従事していた頃は大嫌いだったが、今はそうでもない。 はい、推し活です。定期的に推しますからね、テストに出ますよ~。 四期生曲です。センターは小西夏菜実さん。美しいのは勿論、僕は小西さんのキャラが好き。小西沼に落ちたかもしれないと最近思う。 そして、このMV好き。世界観もかわいいし、要は全部好き。 まあ、皆様。まずは見ていただいて…。 え? ああ、そうだ。本文に戻る。 僕はかつて、雨に愛されていた。ファンタジックな話ではなく、極度の雨男だっ
最近の僕はというと、皆様が作ってくださった質問に答える日々を送っている。皆さん、とても素敵な質問を考えている。 そうすると、僕の性分的に思うのだ。 質問、作ってみてぇ。 そう、便乗に次ぐ便乗である。 海賊王にはなれそうもないが、note界の質問王にはなれるかもしれない(質問王とはいったいなんぞや)。 というわけで、作ってみました。題して「ナルが訊きたい40の質問」。僕の回答の下に、質問のみ書いてありますので好きにお使いください。 noteのことQ1.noteで使用して
敵国で和睦を締結し、私は帰路に着いた。城に足を踏み入れた私は愕然とした。門番から家老まで、皆同じ顔をしているのだ。見覚えのあるようなないような、特徴のない顔。 「これは、どういうことだ?」 すれ違った男に問う。すると 「お主の居ぬ間に奇病が流行ってのぅ。殿も、我々と同じお姿じゃ。殿を見つけ、和睦を報告せい」 と彼は言った。 それから、私は城内を駆け回った。 いくら待っても殿は現れない。直接探すことにしたのだ。 すれ違う者は、皆同じ顔。 男も女も、皆同じ顔。 これは、幻術なの
対向車の後部座席で泣き叫ぶレベッカと目が合ったのは、ほんの一瞬のことだった。あいつが誘拐されるのは、今年4度目だ。 俺は通信機を操作し、治安部隊に連絡した。 「よぅ無能ども。俺の愛する娘が、またどこぞやの馬鹿に連れて行かれた。理由?知るかよ。俺は追いかける。邪魔すんじゃねぇぞ」 Uターンして、さっきの車を追いかける。古臭い日本車、派手な塗装。すぐに追いついてタイヤに銃弾を撃ちこんだ。 車は路肩の木にぶつかって停まる。どうせ、レベッカは無傷だ。 大柄な男がふたり、レベッカ
大橋ちよさんが答えていて、僕もやってみたくなりました。 ヤスさん、はじめまして! いきなりで申し訳ないですが、参加させてください。 んだば(それでは)、早速。 Q.1 noteをはじめてどれくらいですか A.2024年7月からなので、もう少しで4ヶ月。 Q.2 書くのをやめようと思ったことはありますか A.ないです。 Q.3 書いてて嬉しかったこと A.自分で思っているより、たくさんの方が読んでくれていること。 企画参加でたくさんの方と知り合えたこと。 Q.4 書
僕はナルだが、タイトルはそれをもじった訳ではない。 どうでしょう、皆さん。 関節、鳴りませんか? 威圧のため?いや、そんな昭和のヤンキー漫画的なアレじゃない。そもそも、あれに何の意味があるかわからん。 ふとしたとき、それも静かなとき。そして、「ここで鳴るのか」というとき。 関節って、そういうときに鳴るものだ。 僕の膝は、馬鹿になっている。 と言っても、「足関節を極められすぎた」とか格闘家みたいな話ではなく、いつ曲げても膝が鳴るというだけの話だ。 スクワットを10回するとし