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夏との相性(音について)

夏がものすごい勢いで来た。
秋は「深まる」と言うが、夏は言わない、と思う。夏が深まるなんて、どことなく地獄に近づくようで嫌だ。
夏の「音」といえば、なんだろうか。
花火の打ち上がる音。波の音。仲のいいカップルがはしゃぐ声。それに歯軋りする僕のうめき声。時々絶叫。そして、蝉、蝉、蝉、蝉。
夏とは、蝉に支配される季節である。

盛岡という地方都市で暮らしたことはあるが、東京のような大都会で暮らしたことはない。そのため、東京で蝉の声がするのかわからない。盛岡ではそれなりに鳴いていた。
現在の僕が暮らす片田舎では、蝉の声がものすごい。蝉の声でテレビも聞き取りづらい。イヤホンをしたとて、その合間をぬって、蝉の声が聞こえる。体調が悪くて昼寝をしたとて、蝉に起こされるのだ。
この農村では、人より蝉が多いと思う。
僕の主観であって、確証はないが。

蝉の声というと、夏らしいイメージを持つ方も多いだろう。
涼しげな夕方のイメージにぴったりなのは「ヒグラシ」という蝉の声である。カナカナカナカナ…と鳴く。
ミーンミーン、というアニメなどでもお馴染みの声は「ミンミンゼミ」である。これが一番馴染みがある、かもしれない。
ジージージーという、でかい耳鳴りみたいな声は「アブラゼミ」である。僕の町で、人間より多くいるのは彼らである。

以前、僕が「病気のデパート」であると冗談で言ったが、僕は慢性的な耳鳴りにも悩まされている。気圧の関係で痛みがあったり、めまいがあったりもする。その上に聴覚過敏に近い症状がある。金属音や大きな音で、具合が悪くなる。
これのせいで推しである日向坂46が盛岡のフェスに参加してくれた際にも、行くことを諦めた。チャグチャグロックフェスティバルである。行きたかった。昨日の4人同時卒業発表の傷は癒えていない。だが応援することはやめない。卒業するみんなも、過去に卒業したみんなも、現メンバーのみんなも大好きだ。日向坂46に関わった全てに幸せあれ。

…話が大幅に逸れた。申し訳ない。
推しの話は別記事で書こう。愛を持って書こう。

大きな音や金属音のほかに、僕の耳にとってつらいのが「アブラゼミ」の声なのである。だから夏は苦手だ。暑いのもしんどいが、日中ずっと耳にダメージを与え続けられているのだから。
毎日ずっと、うっすら具合が悪い。
蝉のせい、などと言っても仕方ないのだ。彼らの種としての繁栄に関わるのだから、鳴くなというのも悪い。だから、我慢の一手だ。夏を耐え抜いたものこそが、素敵な秋を迎えるのだ!知らんけど。

今もジーーーーーー、と奴らの声が…もとい、彼らの声が響いている。
正直な話、カマキリや鳥が食ってくれやしないか、と思っているが、良くない感情なので規制をしておく。

先日、窓を開けて昼寝していたら、網戸に蝉がいた。
3匹であった。
みな、アブラゼミであった。
一斉に鳴き出したときは、僕はここで死ぬのだろうと思った。
そっと追い払った。
すまなかった。だが、お前らも悪い。場所は選んでくれ。

夏の只中にいると、蝉をはじめとして、暑さなど色々とつらい。
だが冬になると、ちょっとばかり夏が恋しくなる。
でも、今は本当に、早く秋になってくれ。
そう願うばかりである。

…実を言うと、花火を見るのは好きだが、音は苦手である。
そして、海は好きだが、人混みは苦手である。
多分、僕は夏と相性が悪いのだ。
秋はまだかー!?
(今日は立秋らしいですね)



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