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#エッセイ
いつからか羊を数えなくなっていた ~睡眠障害~
困っていること、という程でもないけれど、最近寝付きが悪くなった。
休職した当初は、よほど疲れが溜まっていたのだろう。
時には13時間寝続けるようなこともあって、日中も少し動くだけで疲れて、ほんの仮眠のつもりが、気づけば2時間も寝てしまったりしていた。
それが最近は、日の出とともに目覚めるようになった。
日中に感じる疲れも、だいぶ軽くなったと思う。
その代わり、というのだろうか、寝付きが悪くなった
苦手な人の顔ばかりを思い出していた
友人に会いに行くようになって。
もとい、精神科外来に通いはじめて、気づいたことがある。
苦手な人の顔を、思い出さなくなった。
正確にいえば、それはゼロになったわけではない。
けれど、メールのやりとりをしたり、研究についてふと思い巡らせた瞬間に立ち現れる表情や声は、さほど長続きすることなく、意識の流れとともに過ぎ去ってくれる。
翻ってこの 1 年ほどを思い返すと、過去の傷をえぐるその人の非難や怒声
物語の弊害と効能と、情動粒度のはなし
ゆったりと過ごし、徐々に体力を取り戻す日々だが、少し、困っていることがある。
本が読めない。
正確には、小説が、読めない。
人文系や科学系の一般書は、まずまず読める。
論文も、複雑な解析など含むものになるとまだ頭がフリーズするが、自分の専門から大きく外れない分野の臨床系のものなら、大意を流し読める程度にはなってきた。
けれど小説は、読めない。手が伸びない。
映画も、ドラマも、漫画も。
そこに人
曇りの日には窓を磨こう
気分を変えたいとき、助けになってくれるのはどんなことだろう?
たとえば、深呼吸をする。
深く息をしようとすると、つい吸う方に意識が向ってしまうが、上手くいくコツは、しっかりと吐き切ることだ。
細く、長く、最後の一息までを絞り出した後。
力を緩めると、たっぷりとした空気が肺を満たしていく。
新鮮な空気が胸郭を押し広げていく感覚は、波立った気持ちをしずかになだめてくれる。
たとえば、水を飲む。
で