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「僕は財布としか思われていない」フィリピン講師とお金の真実

先日、オンライン英会話の先生から、「ずっと連絡を取っていなかった父方の叔父から連絡があったんだ。お金を貸してほしいって…」という話を聞きました。フィリピンでは、家族や親族を助けるのが文化であるため、親からのお金の借り入れや、親戚からの金銭的な支援はよくあることです。しかし、このような状況でお金を貸すことは、大きなリスクを伴います。親族を助けるため、先生はお金を貸すべき?

親戚からの突然の電話「困った時にはなにも援助してくれなかったのに…」

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先週のオンライン英会話。先生から衝撃的な話を聞きました。「妹から連絡があり、父方の祖父が生活に困ってお金を送ってほしいというんだ。祖父はもう年だから働けない。本来なら叔父さんたちがいるからその人たちが助けるべきなのに、彼らは何もしない。なぜうちに連絡してくるんだ。父はもうずっと前に亡くなっていて、連絡も取っていなかったのに」。

先生の父親は15年以上前に亡くなっていて、実家は裕福な家庭だったもののトラブルが多いことから絶縁状態だったといいます。その後、父親が亡くなり、生活は貧しくなったけれど、一切援助はしてもらえなかったそうです。にもかかわらず、いまさらお金を無心されても……。そう思ったからこそ先生は怒っていたのでしょう。とはいえ、祖父であることには変わりはない。そこでほんの少しお金を送ったそうです。そしたら翌日、今度は叔父から電話があり、叔父にもお金を送ってほしい、と。

先生は6人兄弟で長男。妹たちはまだ学生だからお金を稼げない。妹が「こんな電話してごめんね」と謝っていたそうです。それで先生は妹に「あなたたたちが謝ることじゃない」と伝えたそうです。妹2人は、いつも長男である先生にばかり負担がかかっていることをよくわかっているのでしょう、たぶん親よりも。

大人が寄ってたかって1人の「子ども」に頼る構図

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お母さんは、そもそも血がつながっていないので関係ないし、先生が生活費を送っている状態なので、家庭も援助するお金は一切なし。彼のお母さんも怒っていたそうです。

自分たちが困っているときには一切助けてくれなくて、自分の子どもが働いているからと都合のいいときだけ頼ってくる。しかも、祖父や叔父にお金を送ったら、そのぶん自分たちに送ってくれるはずだったお金が減ってしまう。そんなふうに思ったのかもしれません。

「おじいさんはともかく、叔父さんたちは助ける必要がないんじゃないの? それを続けていたら、あなたは自分の友達とも彼とも遊べなくなるし、それは自分の人間関係を壊すことになるよ」。そう伝えたら「わかってる」と。

「親もお金の用事があるときしか連絡してこないし、いまだって大変なのに祖父も叔父もなんて、ひとりで支えられない。それに実家に帰ると、いつもお金を無心される。だから実家には帰りたいけど、嫌なんだ

「叔父さんたちは、あなたのことを財布としかみてないよね」

「本当にそうなんだ……。とはいえ、父親の兄弟だから放ってはおけない。実家に帰るためにお金を貯めていたんだけど、それを使うしかない」

「フィリピンの文化だから仕方がない」でも本音は……

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彼の性格からしたら、困っている人、とくに血縁関係は放っておけないのでしょうが、改めてフィリピンの貧困世帯の血縁関係は大変だなと思いました。誰か1人でもお金を稼げるようになったら、言い方は悪いけどみんなで群がってお金をたかる。

だから貧困世帯から普通の生活に上がるのは大変なんだろうと思います。いくら自分ががんばっても親や親戚に足を引っ張られる。縁を切らない限り、その関係は続く。

彼の友達は、長男長女でなく、とくに末っ子であればあるほど上の兄弟が支援してくれるから、お金は十分にあり、親を支える必要もない。すごい差だなと思います。

またここまでひどくはなくても、何人かの先生から親に給料の8割を渡しているという話を聞きました。先生にいったら「給料を渡していてもちゃんと子どもが家を建てるために貯金してくれている親も多い。でも、僕の家は、義父が働かないし、母親もスモールビジネスしかしていないから、送ってあげたお金は全部使ってしまうからまったくないんだ。でも、お金を送るようになってから、2人とも僕に対する態度が変わったよ。以前は奴隷のような扱いしかしてなかったけど、今は尊重してくれる」と言ってました。

自分が親や親戚にとって財布としか思われいないことを十分にわかったうえで、それでも過去の後悔もあって支えなければいけない、というのは本当に大変なことだと思います。しかし、縁を切ることもできないので仕方がないでしょう。ここでつい「こうしたほうがいい」と言いたくなるのですが、それを言われても本人もつらいだけなので、ただ話を聞くだけにしておくのがベストかなと思います。

フィリピン人と結婚する際に気を付けておきたいこと

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よくフィリピン人と日本人が結婚すると、ずっとフィリピンの親や親戚のためにお金を送金しつづけなければいけないという話を聞きますが、本当にこの負の連鎖は大変だなと思います。親や親戚を助けるのが美徳とされているフィリピン文化ですが、良心の呵責につけこんでお金を無心してくる人も多いので、美談だけでは語れないなと思います。

とはいえ、健全な家庭の人も多いのでむやみやたら心配する必要はないとは思います。また貧困世帯でも、必ずしも親が子どもに無心するわけではないので、その点も覚えておいてください。無心してくる親や親戚が多い、という話です。

日本でも親や親族間で同じようなことはあちこちで起こっています。その場合、血縁関係という謎のつながりに縛られているとお金も時間も無駄にするうえに精神を病むので、早めにフェードアウトしたほうがいいと思います。親戚はあれこれ言うでしょうが、そもそも親戚も高齢で亡くなっていくし、良心の呵責を刺激するようなことをいろいろいうでしょうが、彼らの目的を考えれば「自分が楽したい」の1点なので、そこに付き合う必要はないかなと思います。

普段はあまり書かない本音の話、今回はちょっとひどいなと思ったので書いておきました。結婚する場合は、相手の人柄だけじゃなく家族との関係、お金のトラブルなどをよく見ておかないと、あとで面倒なことに巻き込まれるので要注意。





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