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【現地リポート】コロナ中のカナダでIETLSを受験した話 (Computer basedの対策付)

こんにちは、ゆうです。

*2020年7月20時点の情報です。

コロナの影響が残る中、カナダでIETLSの受験をしてきたので現地リポートをしてみます。なぜこんなタイミングで受験することになったかを手短に言うと永住権申請のためです。試験6日前に急遽受験が決まったので、せっかくなのでこの経験を記事にしようと決めました。

試験会場は3密の条件を完璧に満たしているため、「制限付きで」試験は実施されているのですが、ただでさストレスフルな試験が各種制限のせいで更に難易度が上っているように感じます。

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こういった制限から、以下のようなハンデが受験者に生じていました。

・ペーパーテストは廃止、コンピューターテストのみ (痛手!)
・試験中マスク着用のせいで顔が温まり頭がボーッとする (追い打ち発生!)
・スピーキングテストでもマスクが必須で声がこもる (泣き面に蜂!)


もしかしたら、運悪く私のように絶賛コロナの中IETLSを受けなければならない人がいるかもしれません。コロナ中のIETLSに関する情報はあまり出回っていないと思うので、「本記事に巡り会えて対策ができた!運が良かった!」と言ってもらえるようになるべく詳細に現地レポートをしていきます。

またそれだけではなく、受験した感覚から紙とパソコンどちらのテストが有利なのかについての考察もしてきます。

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1.Computer baseテストしかないのがハンデ

従来のIETLSはペーパーベースで、
スピーキングを除く3種目(リーディング、リスニング、ライティング)は問題用紙も解答用紙も全て紙でした。

しかし、紙を媒体としてウイルスが拡散することが懸念されていることから、ペーパーテストは廃止され、コンピューターテストしか実施されなくなりました。ご覧の通り、パソコンマークしか見当たりませんし、しかも状態は「Fully booked (満席)」。こんな状況でもIETLSテストを受けざるを得ない人の多さに驚きます。

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コンピューターベースのテストでは、スピーキング以外の3種目全てコンピューター上でこなさなくてはならず、目への負荷がとても大きいです。Computer basedのIETLSと似たような試験でTOEFL ibtがあり、私は過去に6回受験しているのですが、両者の試験環境はほぼ同じで、違いがあるとしたらIETLSではリーディング・リスニングの後のトイレ休憩が無く、全てぶっ通しである点です 。

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つまり、Computer BasedのIETLSではリーディング1時間、リスニング40分、ライティング1時間の合計2時間半ほど休憩なしでパソコンのスクリーンを見つめ続けなくてはいけません。

「目の疲れは脳の疲れに繋がる」と言いますが、長時間パソコンのモニターを眺めていると目の筋肉が緊張し血流が低下するため、いわゆる「眼精疲労」を引き起こし、連動している首の筋肉も緊張し脳への血流が低下します。これがモニターを凝視することで起きる脳の疲れのメカニズムです。

したがって、パソコンの画面を長時間見続けることに慣れていない人にとっては、大量の英語を見続けることで生じる脳への負担と、モニターを見続けることで生じる目疲れで生じる脳への負担のダブルパンチが待っています。

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紙ベースの試験は問題集を模擬試験的に解くことで試験形式に十分慣れてから本番に挑むことができますが、パソコンベースの試験は事前に練習することができず、TOEFL ibtという代替はあるものの、純正のIETLSではないため試験形式に不慣れなまま本番を迎えなければならないという問題も孕んでいます。所詮は別のテストであるということをお忘れなく。

【ハンデと対策】
1.モニターのせいで目が疲れる→パソコン慣れをする+目薬
2.本番中に慣れない形式に戸惑う→体験談を多く仕入れる+TOEFL ibtの練習問題をこなしておく。


2.リーディング・リスニング中のマスク着用が地味に辛い

マスクを長時間つけていると、顔に自分の息があたって段々頭がボーッとしてきたことはありませんか?

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マスク着用のせいで集中力を存分に剃られるのですが、1度しか流れないリスニングと制限時間内に大量の英文を精読しなければならないリーディングにおいては致命的です。リスニング中に意識が少し朦朧としてきたので、1問は答えがどこにあるか全く聞き取れませんでした。

外そうとすれば巡回している試験官に注意されるので、外すことはできません。体感ですが、マスク着用での英語読解/聴解能力は通常の3割減ほどだと思います。

【ハンデと対策】
3.マスクによる聴解/読解力低下 →  試験前に一度マスクを着用し体験しておく+試験前にカフェイン摂取+眠気と戦いながら英語の長時間読書耐久マラソンをしておく

無理のある対策ですが、重りをズッシリつけて走る50m走のようなもので、そんなハンデの中一定の記録を出そうと思ったら、負荷のあるトレーニング以外、実質方法は無いでしょう...


3.スピーキングテスト中のマスクの着用で声がこもり発音に影響

マスクをしながら話すとどうしても声がクリアに聞こえず、発音が採点基準の1つになっているスピーキングではこの問題は致命的です。

しかも、マスクを付けると頭がボーッとする問題が再度出現し、単語が思い浮かばなかったり、文法ミスをしたり、質問がよく理解できなかったりとハンデにハンデをハンドレッド(100)ほど詰め込んだハンデを背負っているような気分でした。

発音の対策としては、普段より大きな発音を心がけることが挙げられます。日本人は人前で口を開けることに対して恥ずかしいと感じがちですが、なにせマスクをしているのでその抵抗はあまり感じないまずです。普段よりも口を大きくマスクの裏で開けることで、堂々とした発音が逆にできてしまうかもしれません。

【ハンデと対策】
4.マスクによる発音低下 →マスクの裏で口を大きく開けてはっきり発音する。恥ずかしさをマスクが隠してくれるので普段以上にハッキリとした英語になる可能性あり。

 

4.紙とパソコンどちらが良いか?

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結構気になっている人、多いと思います。
結論から言うとパソコン慣れしていない人でも

・リーディング:紙のほうが有利
・リスニング:紙のほうが有利
・ライティング:パソコンのほうが圧倒的に有利

であると言え、パソコンなれしている人ほど当然ですがパソコンでの受験が有利になっていきます。それでは個別に見てきましょう。


  ・パソコン上でのリーディングについて

リーディングは紙のほうが有利です。

コロナ中のIETLSのハンデを式化すれば、

慣れない形式 + 目の疲れによる集中力低下 + マスクによる集中力低下

という式になり、最初の項である「慣れいない形式」はTOEFL ibtの問題を事前に練習しておくことで比較的簡単に解決することができるのですが、パソコン使用時の目の疲れ易さはその人の体次第になるので事前の対策ではどうにもならないこともあるでしょう。

目薬という手もありますが、リーディング試験は40分のリスニング試験の後なので、目薬の効果が100%持続しているとは限りません。

さらに、紙で受験する場合、気になった箇所に鉛筆で丸やアンダーラインを書いたりメモを書いたりするのは自由自在です。

対してパソコンベースの場合、単語のハイライト機能はあるものの黄色一色で、ハイライトしすぎると文章が蛍光色の黄色一色になりますます目に負担が掛かります。そのため、キーワードを見失いやすいです。

ちなみに、A4サイズのメモ用紙と鉛筆は支給されるのですが、本文に直接書き込むことには繋がらないため、あまり意味はありません。

したがって、紙での受験のほうが有利であると結論づけることができます。

*マスクによる集中力低下はコロナ期間中の一時的な現象であるため本考察からは除外します。


  ・パソコン上でのリスニングについて

リスニングもやはり、問題用紙に直接メモを自由自在に書き込めるという点において紙のほうが有利です。

さらに見過ごせない点があります。

・紙ベースの場合、音声が全て流れた後10分間の解答用紙記入時間がある
・パソコンの場合、その10分が無い

紙媒体で受験する場合の10分の解答用紙記入時間とは、問題用紙上に取ったメモを解答用紙に記入する時間のことです。言い換えれば、リスニング音声が流れ終わった後でも、10分間は自由に使える時間があり、微妙だった問題について詳しく検討することができるのです。

パソコンで受験する場合、聞きながら答えを記入していくので10分間の熟考タイムがありません。より高度なタイピング能力、集中力、決断力が求められます。

リーディング同様、A4のメモ用紙と鉛筆を使用できますが、メモを取っているうちにどのメモがどのメモか分からなくなってくるため、問題用紙に直接書き込める利点には全然及ばないです。しかも、リーディング時と同じメモ用紙なので、リーディング時にたくさんメモを取った人はリスニングの時には書くスペースがあまり残っていなかったりするかもしれません。


  ・パソコン上でのライティングについて

ライティングに限っては、パソコンでの受験が圧倒的に有利です。

理由を箇条書きにすると、

・手書きが雑な人は、雑字による減点を避けられる
・手書きよりもタイピングのほうが早く書ける
・鉛筆が折れたり、先が丸まって書きにくいストレスが無い
・コピーペーストなどのショートカットキーが使えて時短
・消しゴムで消すよりも、delキー削除のほうが早い
・順不同で書ける

ライティングは特に時間との戦いでその所以は、60分でPart 1 (150単語以上) + Part 2 (250単語以上)書く事が求められることです。手書きで速く書こうと思えば、雑字で減点されるし、かと言ってゆっくり書けば時間切れになってしまう...と言った手書きでは超えられない壁をキーボード入力で簡単に超えることができます。

おまけに、Ctr+Cでコピー、Ctr+Vで貼り付け、といったショートカットまで使え、キーボード入力の恩恵を最大限に受けられます。初めてのコンピューターベースの受験でしたが、

Part 1 では188単語
Part 2では370単語

書くことができ、手書きでは成し得ない分量を書くことができました。

さらに、、、、

手書きの場合、上から「導入」→「本文」→「結論」の順番で書かないといけませんが、キーボード入力の場合、結論を先に書いてから本文を書くという芸当すらできてしまい、自由な順序でライティングを進めることができます。

例えば、まだ書く具体例は決まっていないけど、結論はもう頭の中にある、という場合立ち止まって時間を浪費すること無く結論を先に書き、それを書きながら具体例について考えることができるので時間の無駄が無いです。


まとめ

ぶっつけ本番で初めてのパソコンベースでのIETLS受験、それにコロナの影響というおまけ付きで、滅茶滅茶な受験になりましたが、得られた知見をシェアできたら私のようにコロナ中に突然パソコンベースのIETLSを受けることになり右往左往している人の参考になると思い、本記事を執筆してみました。

字数の関係で大筋しか書けませんでしたが、もし詳細な質問などございましたら遠慮なくコメント欄にお書きくださいませ。

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