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【比較】英和辞典と英英辞典、どっちを使うべき?初心者に最適な英英辞典とは

こんにちは、語学の裏設定のゆうです。今日は英語の辞書のお話です。

英語を学習していると必ずと言っていいほどぶつかる問題。

「英和辞典と英英辞典、どっちを使うべき?」
「英英辞典はどれを使うべき?」

に答えを出していこうと思います。
結論から言えば、

・英語の初級者は英英辞典を使えるように語彙増強をすべし。
・中級者はLongmanから英英辞典を使い始めるべし。
・慣れたらCambridgeOxfordとステップアップすべし。
・専門用語臭い単語は和英辞典で処理すべし。

初めての方でもわかりやすいように、英英辞典とはそもそも何か?から解説を始めて、メジャーな英英辞典3つの比較へと移っていくので、この記事を読み終える頃には、要領よく英英辞典を使い始めることができるでしょう。

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1.英英辞典とは

読者の皆様の中には英英辞典という言葉を初めて聞いたという人もいるかもしれないので、まず英英辞典の解説からします。

英英辞典とはいわゆる英語を話す人にとっての国語辞典です。

私達が国語辞典を使う時、見出しの言葉の意味が母国語の日本語で書いてあるのと同じで、英英辞典を使うと単語の意味が英語で書いてあります。

つまり、英語→英語の辞書のことを「英英辞典」と呼ぶのです。


2.英和辞典の使い時は「専門用語臭い時」

英和辞典を使ったほうがいい場合、すばりそれは

専門的な単語を調べる場合です。

例えば、Chroline という単語を英英辞典で引いてみましょう。

すると、、、

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何がなんだか分からないですよね?

まるで、
理科のクイズが英語で出題されたみたいでもうさっぱりなはずです。

ところがこれを英和辞典で引くと、

Chroline→塩素

と一発で分かります。

ということから、専門用語臭い単語に対しては英和辞典で積極的に攻めていくのが基本戦略だと言えます。


3.英英辞典と和英辞典の長所と短所の早見表

英英辞典と英和辞典、どちらが悪でどちらが善であるか、という単純な議論で済む話でもないです。どちらにも優れている点とそうでない点があり、バランスよくいい所取りをするスキルが求められます。

さらに、学習者のレベルによっても相性の善し悪しが変わってくるので、自分の英語レベルを正しく理解していることも欠かせません。

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ここから以下のことが言えます。

・英英辞典は文法を磨くのに使えるが、使いこなすにある程度の文法が必要
・和英辞典を使ったほうがいい単語がある
・和英辞典は時間の節約にはなるが、英語の思考回路や語感は磨けない

つまり、
初級者には英英辞典のハードルは高く、英英辞典を使うには一定の英語力が必要であるということ。

そして、
英英辞典を使えば時間こそはかかりますが、英語回路の構築に一役買ってくれること。反対に英和辞典を使えば時短になるかもしれないということ。あとの章でお話しますが、専門的な単語に関しては和英辞典で調べたほうが良い単語群があるということ。

ただし、
英語の学習を始めたばかりの方々は英和辞典を使うしか選択肢がないので、まず英和辞典にお世話になると思います。そして、最初にお世話になるであろうLongman英英辞典が2000単語レベルですので、まず英語の語彙を2000単語身につけてください。その2000単語には、英和辞典を使って単語学習をすることになります。


  ・英英辞典の使い時は初級→中級への移行期

英語の入門書を終わらせ一通りの文法と基礎単語の理解を得たら、積極的に英英辞典にチャレンジしていくと良いでしょう。

なぜなら、
辞書を引くたびに、これまで勉強した単語と文法を使って単語を理解することになるので、「毎回復習→毎回定着」のサイクルが回り、英語力の地盤を強くすることができるからです。

このように考えれば、英語学習における中級者の定義が明らかになってきます。

英語学習の中級者とは、
英英辞典を使いこなせるだけの語彙と文法がある人

以上から逆算すれば、
英語を学習し始めたばかりの人は、一刻も早く英英辞典を使いこなせるだけの文法的・単語的基礎力を習得することを目指してください。

英英辞典を引けるようになることは、英語力を高めてくれる上昇気流に乗れる権利を手に入れるようなものです。


  ・英英辞典で英語の直感力を磨ける理由

英英辞典は、英語だけでその語を説明してくれるので、英語で英語を理解する訓練になります。

そのため、「英語で考えて、英語で話す」ための地盤づくりになります。

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英会話の時に、「思考→日本語→英語」というプロセスを踏んでしまうと、日本語で考えている間にどうしても会話に取り残されてしまうので、リズム感ある会話のためには、英語で英語を運用する力が求められます。

英英辞典を使うたびに英会話の瞬発力を磨くことができ、一歩一歩確実にネイティブの領域に近づけますし、英語上級者と呼ばれる人たちは、ほぼ間違いなく英英辞典を使用しています。

むしろ、
彼らは英英辞典を繰り返し使い、瞬発力のある英語回路を構築できたから上級者レベルにたどり着いたと言えます。

ということで、
英語の上級者に到達することを考えて英語の勉強をされているのであれば、英英辞典を使えるようになることは避けては通れません。

次の章で、
いよいよ主要英英辞典3つを比較していきます。学習ステージに応じた英英辞典を採用することで、より効率的に英語力を高めることができます。



   

4.主要オンライン英英辞典3つを比較してみた

オンラインの英英辞典は数多くおりますが、その中でも人気が高い3辞典(ロングマン・ケンブリッジ・オックスフォード)を集めて比較してみました。

まずは早見表を御覧ください。

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ずばり、
・初級者がまず使うべき英英辞典はロングマンです。
・中級者が語彙不足を補いたいならケンブリッジです
・中上級者がスマートな英語を話したいならオックスフォードです

それでは個別に見ていきましょう。


・ロングマンは2000語で全てを説明する親切辞書

[良い点]:中学英語があれば誰でも使える
[悪い点]:その代償として説明が冗長である
[対象者]:英語初級者を卒業するころ
[辞書URL]:こちらをクリック

ロングマン英英辞典の最大の利点は何と言っても、初級者が使いやすいように、定義に使う単語を最も基礎的な約2000語に制限してくれている点です。

逆に言えば、この2000語さえ知っていれば、どんな単語の意味も理解できますので、初級者の人はとりあえず理解語彙2000単語を目指せば、英英辞典にアクセスでき、あとに紹介する辞書を使い一気に中級、そして上級への道が広がると言えます。

どんな2000語を知っていればよいかの目安として、一覧表があるので貼っておきます。

リンクを開いていただければ分かりますが、中学英語で見るような単語がほとんどです。

2000単語と聞いて気が遠くなるかもしれませんが、要は中学校英語に毛が生えたレベルの単語力がつけば、英語力アップの上昇気流に乗れる資格を手にすることが出来るのですから、がんばらないわけにはいきません!

ということで、初学者の方はまずこの2000語を暗記することから始めるのが学習戦略であると言えます。


  ・ケンブリッジで芋づる式に単語を増やす

[良い点]:関連語彙の習得に適している
[悪い点]:その代償として使用する語彙レベルが”少し”高い
[対象者]:中級から上級の橋渡し辞書を探している方
[辞書URL]:こちらをクリック

2つ目のケンブリッジの辞書なのですが、これは芋づる式語彙学習ができる点が非常にありがたい辞書です。

例えば「Big」とケンブリッジ辞書で引くと、下のように関連する単語を一目で把握することができます。

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そして気になった関連単語たちをクリックすることで、一気に語彙を拡大させることができるのです。

これで中上級者が陥りがちな、語彙量が伸びない問題を一気に解決する道が開けます。

ちなみに上級段階になっても、使用に耐えうるほど質の高い辞書なので、使い慣れてしまったらこの後に紹介するオックスフォードにわざわざ移行する必要もないです。


  ・オックスフォードは短くスマート

[良い点]:説明が短い
[悪い点]:その代償として使用する語彙レベルが高い
[対象者]:ケンブリッジに飽きた上級者
[辞書URL]:こちらをクリック

Oxfordは3つの中で、最も難易度が高いので、初学者にはオススメできない辞書であると言えます。

試しに、「Online」という単語を引いて比べてみましょう。

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単語数の差は一目瞭然だと思います。

Oxfordの方が、使用語彙を引き締めているので、スマートに短く単語の定義を説明できていますので、Oxfordで使われている英語に触れ続けていれば、冗長な表現から卒業できスタイル良く表現する能力が身につくと予想されます。

他の辞書が簡単に思えて手応えがなくなってきた時には Oxford にお世話になることが多いでしょう。

結論:学習ステージに応じて、英英辞典と和英辞典の使い分けをしよう

全体の話を通して、4つの指針が出来上がります。

・英語を始めたばかりの人は、Longman 英英辞典を使いこなせるように、まず2000単語頑張る。

・Longman が分かるようになってきたら、Cambridge 英英辞典に挑戦し、語彙力を増やす。

・Cambridge に慣れてきたら説明が短めの Oxford も時折混ぜてみて、辞書引きの効率を上げる。

・専門用語臭い単語を見かけたら英英辞典をとりあえず引いてみて、無理そうだったら和英辞典を引いてみる。

というのが、語学の裏設定的辞書術です。

この4つの指針に沿っていけば、和英と英英辞典それぞれのポテンシャルを最大限に引き出した辞書引きができると思います。

辞書を1回引くごとに、英語を伸ばせる機会がやってくる と考えて積極的に辞書を引いていきましょう。

現役で英語を教える身の私ですが、同時に現役の英語学習者でもあります。
一緒に上を目指して頑張っていきましょう。

本記事が皆様の英語学習の糧になったことを祈って、

それではまた!

1言語1人格。語学だけで終わらない語学の学習を始めとして、留学・海外生活について投稿しています。フォローしていただくと、語学の勉強が楽しくなります。