旅に出ると人格が変わる!?出国~帰国の間に別人に生まれ変わる行動レシピ
こんにちは、ゆうです。今日は「その時人生が変わった」という瞬間を狙って作り出す方法について、体験談を交えながら解説していこうと思います。
例えるならば、卓球で「ここぞ」というタイミングを作り、スマッシュを打ち込んで勝利を勝ち取るようなイメージです。
旅をする理由は人それぞれだと思いますし、行先によって持っていくガイドブックは変わるはずですが、この記事でご案内するのは
世界中どこに行っても使える「自分作り」のためのガイドブック
でして、なりたい自分を探し新しい自分を作る過程を示していきます。
「生まれ変わるなら生きている内に」というのは私のモットーですが、本記事はまさにそれを実現することができる旅の指南書です。
きっと多くの人が今の自分に満足しておらず、自分を変えたいな...とうっすら感じているものの、なかなか具体的な行動に移せていないと思います。
私もそうでした。
なぜかと考えてみると、わたしたちは「日常生活」という殻に囲われて生きており、まずこの殻を破らないと何も変化を起こせないのではないでしょうか。そして長く日常生活を続けていくほど、その殻は岩石のように固くなり壊すのにますますエネルギーが必要になります。
自分を囲っている城壁を爆破してくれるのが旅ではないかと考えました。旅先で「その時人生が変わった!」と覚醒する瞬間に出会う確率を上げ、そのエネルギーを大型キャノンに詰め込み、厚い殻をぶち抜く具体的な手順を体験談を交えながらお話していこうと思います。
STEP1:日常生活で負の感情貯金をする
意外に思われるかもしれませんが、実は自分を変える旅というのは日常生活から始まります。
というのは自分を変える旅に行こうと動機づけるためには、強い負の感情の蓄積が必要だからです。
もうこんな生活イヤだ。やってられない。このままだと自分は終わる。
書店に行けばポジティブであることが正義だという主張をする本が所狭しと並んでいますが、人を行動に駆り立てるのは負の感情です。希望ではありません。
私の好きなロシュフコーと言う作家は次のように述べています。
どうやら人間は「~したい」と思うだけでは妄想に終わってしまうことが多いようです。背筋がゾッとするほど「このままだとやばい」と真に思ったり、ネガティブな気持ちが最高潮に達して初めて行動に出るのです。
反動で行動するのです。
そして、日常生活は負の感情をポイント制で蓄積できる良い場所です。
わたしの場合、今でこそマルチリンガル語学教師をしており、人と話すのが楽しくて仕方がありませんが、生まれてからの22年間はずっと根暗で、「ニンゲンギライ」というあだ名すらもらっていました。
当時は行動力と英語力もゼロ、幸福度はマイナスという有様で、人と話すのも顔を合わせるのも苦痛で仕方がなく、そんな自分が何よりも大嫌いでした。
中学時代は毎日日記を付けており、不満を書き綴っていました。
そうしていくうちに、段々自分を真に変えたいと思うようになってきていたのです。そしてその直後に、わたしに大変化をもたらした小さな旅が計画されるのですがそれは次の章でお話するとして、この章は次の点で締めたいと思います。
貯金というのは、いくらあるか把握する必要がありますよね。感情貯金も同じで、どのくらい負の感情が溜まっているのか目に見える形に取っておくと、より旅に出る動機づけをしやすくなりますし、あとあと自分が成長した時に伸びしろを手にとって感じることができます。
STEP2:旅先で自分のカラを割るかヒビを入れてくる
STEP2にはいくつかバリエーションがあります。
まず、運良く1回の旅行で自分の殻を割れてしまうパターンです。これについては、相当の運を必要とするので特に言及はしません。なにせ、本稿は「狙って」自分の殻にスマッシュを当てて生まれ変わる旅についてなのですから。
ということで、恐らくほとんどの人は旅先で殻を割るには至らないがヒビが入る程度には自分を変えることが出来ると思います。
ヒビが入っただけでは本質的に変わっていないではないか、、、と思われるかもしれません。しかし、ヒビが入った卵というのは総じて割れやすいものです。次の衝撃で割れるか、次の次の衝撃くらいで割れるようになります。
したがって、殻にヒビを入れる確率が上がるように行動することが戦略レベルでの思考になると思います。そのための方法は2点あります。
・出会った人に割ってもらう
・ヒビを入れてくれる人に出会う確率を上げる
順に説明していきます。
・出会った人に割ってもらうのもアリ
初めて行った海外旅行はタイで、中2の頃でした。ふつう中2と言えば友達とふざけ合ったりドンチャン騒ぎをする時期ですが、私は根暗という殻の中に閉じこもっていて、1週間学校で一言も話さないなんて週はザラにありました。
普通の人の中2の生活は私には眩しすぎるのです。
そんな私を見かねたのか、親がタイ行きの家族旅行を計画してくれたのです。たった1週間の旅でしたが、大きなキッカケになりました。
アユタヤ遺跡という観光名所で同年齢くらいの地元の学生が、英語力がゼロの私に「Can you take a photo of us ?(写真撮ってよ)」と聞いてくれ何も返せなかったのですが、その1週間で人から話しかけられたということが何より嬉しかったのです。
こうして自分が閉じこもっている殻にナノレベルのヒビが入りました。人と話すのはもしかして楽しいのかもしれない、そんな風に思い始めたのです。
私の場合、ヒビが入った程度でしたがこの時入ったヒビが後々の人生の大きく響きました。
旅先のひょんな出会いで人は変わる可能性はあるのです。
・ヒビを入れてくれる人に出会う確率を上げよう
単に行動力を上げるという手もありますが、日本で毎日をベルトコンベヤーのように過ごしている私たち(自分を含めて)には、やや難易度が高い方法です。
そこで、その国で話されている言語を最低限の会話ができるレベルにまで勉強してから旅に出るという方策についてお話しようと思います。
旅先ではあなたは外国人。珍しい存在なのです。
そこでふと話しかけられることがあり、そこで会話ができたことで一緒に飲みに行ってさらなる出会いを重ねたりと、事態は八方広がりを見せるものです。
私の好きな言葉の中で「チャンスの女神は前髪しかない」というのがあります。つまり後追いはできないので、後ろ髪を掴んで幸運をものにするという方法はないと。もし現地語が話せないと、「その時人生が変わった!」という瞬間に繋がる会話チャンスをみすみす逃すことになってしまいます。
自分の殻は自分で割らないといけないという思い込みをする人がいるようですが、何もそんなに肩の力を入れなくても良いのです。
他の人に手伝ってもらってもよいのだし、他人任せが嫌だったら、一緒に割ったても良いのです。
例えば、その一番良い例はホームステイかもしれません。ホストファミリーが手取り足取り面倒を見てくれたり、いろいろな場所に連れて行ってくれたり、人を紹介してくれることでしょう。
こうしたランダムな出会いの点がどこかチャンスの女神の前髪に繋がることがあるのです。
わたしの場合、先程の中学時代の例からずっと先ですが、大学時代オーストラリアに1ヶ月ホームステイに行った時に起きました。巡り巡って、現地の大学の日本語の授業を参観する機会を得たのです。
日本で授業というと、黙々と先生の話を聞いているだけの授業を連想しがちですが、私がその時見たのは先生も学生も心の底から、腹の底から笑い、楽しみながら日本語を学んでいく姿でした。
いつも教室の隅でひとりぼっちで居る自分の姿と重ね合わせました。
授業ってこんなに楽しくなるんだ。人ってここまで笑うものなんだか。先生ってここまで幸せになれるものなんだ。
その授業は毎回1時間だけでしたが、自分の殻にヒビを入れるのには十分すぎました。そしてのちに、オーストラリアに行った時にバイトをする代わりに、現地の人に日本語を教えて稼いでいこうと思うことに繋がります。
いわば、私の先生としてのキャリアの原点となる経験でした。
もしホームステイした時に最低限の英語ができなかったら、きっと日本語の授業の参観にたどり着けなかったと思います。
チャンスを作るのは現地の人との交流なので、現地語は大切なのです。
STEP3:日常生活の中で変化を持続させる
旅は、エナジードリンクを飲んで一時的に感情が高ぶるのと同じ作用を持っています。ゆえに、旅行中のフィーバー状態が冷めてしまうとまた元の日常生活に甘んじて、せっかく割った殻のことを忘れたり、せっかく入れたヒビのことを気にかけなくなってしまいます。
殻が割れてからも、変化が止まるということはあり得るのか?
ありえます。とても恐ろしい形で。
殻を割った後でも、殻を割る前の環境に戻ってしまうと「あたかも前あった殻がそこにあるかのように」行動してしまうのです。
これは「カマスの実験」により証明されています。
カマスとはある魚のことです。エサとなる小魚とカマスを同じ水槽に入れ、最初は真ん中を透明な仕切り板で仕切っておきます。
カマスはエサとなる魚を見つけ食べに行こうとしますが、板のせいで向こう側に行けず、「ここは越えられないのだ」と学習してしまいます。
しばらくして板を外しても、板を取る前と状況は一向に変わりません。一度学習したらその理解が習慣的に続いてしまうのです。
日常生活とは、習慣的に繰り返す生活のことです。カマスの実験の透明な板のようなものが存在します。それは日々のルーティーンだったり、思考のパターンだったり、行動パターンだったりします。
日常生活は殻そのものだと言えるのではないでしょうか?
殻と言っても、卵の殻のように目に見えるものではなく、心の中にある目に見えない殻のことです。そのため、せっかく旅行に行き新鮮な空気に触れてきても、また元通りになってしまう人が多いのです。
ゆえに人は一度変わってもその変化を持続できないため結局変われず、いつになっても書店で自己啓発書が売れ続けるという奇妙な現象が起きるわけです。
「どのようにすれば、変化を持続することができるのか?」
これを帰国後に常に問い続けることが大事です。
本記事のタイトルは「出国前と帰国時で別人になる方法」ですが、実はそんなのは簡単です。環境を変えて、いくばくか人の出会いを経験すれば、出国前と帰国直後は別人でいられることでしょう。
エナジードリンクのように一時的なのです、そしてカフェインの効果は永遠には続かないのです。
せっかく得た変化を固定すれば良いのでしょうか?というと危険臭がします。なぜなら、それでは日常生活化することと本質的に変わらないからです。
安定を変化に求めてしまった時点で自分は交われなくなってしまうと思います。そこで、安定的に変化するという発想に持っていくのです。
つまり、帰国後も安定的に変化できるように、毎週異業種交流会に足を運んでみたり、普段行かないジャンルの活動に行ってみたりするのです。
戦略レベルの発想としては、旅行で自分の中で「初速度」という形で変化を起こし、帰国後は初速度を基に加速度的に自らを変化させる行動をとります。
物理学の法則ですが、車は止まっている状態から10km/hに上げるよりも、70km/hから80/kmに上げる時のほうが必要なエネルギーは少なく済むのです。つまり、旅で殻を破り初速度を得て、その後は継続的に変化のエンジンをふかし続ける活動を続けるのが自己変革の正攻法です。
そしてこれが旅が終わった後でも、旅を活かす方法です。
最後になりますが、「安定的に変化を続けるための努力の方法」について書いた記事がありますので、今読んでいただければ内容が腹落ちすると思います。
まとめ:旅は旅をする前の日常生活から始まり、旅の最中では自己変革の「初速度」を得て、旅の終わりで初速度の変化分を根ざし続け、安定的に自分を作り変えていく。
自分を作り変える旅ガイド、いかがでしたか?
旅は日常生活から始まります。日常的に非日常を求め続ける心持ちこそが自己変革に繋がります。
この記事が皆さんの人生の糧になったことを祈って!
それではまた!
PS
自己変革と続きまして、英語の人格を作り上げてしまうような英語学習法について解説した記事があります。もし日常的な語学学習で自分を作り変えることに興味がございましたら、是非ご一読ください。
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