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エッセイ

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還暦デビューの小説家が、漫画家の娘たちとサイコパスの夫との日々を書き綴ります。 毎週金曜更新。
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#エッセイ

谷村新司さん、八代亜紀さん、鳥山明さん…

 去年あたりから、あまりに同年代の有名人の訃報が続いていて、そのたびにしばらく落ち込んでしまう。
 坂本龍一さん、伊集院静さん、谷村新司さん、もんたさん、KANさん、八代亜紀さん、鳥山明さん、TARAKOさん…。
 同じ時代を生きてきたというだけで、胸がふさがるのだ。この年代の方達は、日本が貧しい敗戦国からあっという間に立ち直って、世界に影響を与える経済大国にのし上がった激動の時代の生き証人である

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三浦翔平さんのこと

 私は「おっさんずラブリターンズ」を観るまで、三浦翔平さんという俳優さんを知らなかった。
 だからこのドラマが始まっても、三浦さん演じる菊之助に対して、正直興味がなかった。
 ところが…ところが……。ドラマが進むにつれて、三浦さんの演技力と魅力の虜になってしまったのである。
 私の偏見かもしれないが、正統派のイケメンというものは、なかなか「面白い」とか「笑える」とはならない気がする。何をやってもか

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きのう何食べた?

 私はおっさんずラブの大ファンで、いわゆる「OL民」なのだが、よしながふみさんの「きのう何食べた?」の大ファンでもある。
 もともと漫画が大好きだったのだが、ドラマも素晴らしく良くて、西島秀俊さんと内野聖陽さんのファンになった。
 私の年代だと、しろさんのお母さん役の梶芽衣子さんの若い頃のお姿をよく覚えているので、ちょっと不思議な気がする。すらりとした抜群のスタイルで、長いストレートヘア、そしても

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おっさんずラブ ロスとの戦い

 おっさんずラブが終わってしまったなんて信じない…。
日本中のOLファンはロスで辛い思いをしていることだろう。
 ロスを少しでも和らげるべく、毎日「点滴」と称して、仕事の前に好きなシーンを観ることに決めた。
 今日の一本目の点滴は「神社シーン」と「桜の花片が舞い散る中での春牧の幸せそうなシーン」「公安ズラブ、あんぱんキスシーン」。
 春田さん牧君、よかったね!菊さま可愛い!エロい! 和泉さんもうぽ

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菊さまと和泉さん、新キャラが作る新しい沼

 おっさんずラブ第四話。ごちそうさまでした!めちゃくちゃ萌えました。
一人で食事に行ったら、半径2メートルの大テーブルに、こぼれ落ちそうなくらいのご馳走が並んでいて「どうぞお召し上がりくださいませ」と言われたような、萌えの大盤振る舞いだった。
 菊さまと和泉さんの公安ズラブがすばらし過ぎて、この先この大量の萌えを消化できるか心配だ。いや、正直嬉しすぎる。このドラマの制作者の勇気と情熱にひれ伏したい

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恋の形見とオムツパートナー

恋の形見とオムツパートナー

 おっさんずラブ第三話も、本当に素晴らしかった!そして色々考えさせられる回でもあった。
牧と武川さんが初めて出会った時、武川さんはまだ四十歳くらいで今の春田さんと同じくらいだったはず。
「若かったから傷つけ合ってしまった」
 武川さんの言葉に、自分の若き日を思い出してうなずいた中高年も多いだろう。
 初デートの時に牧がプレゼントしてくれたイルカのキーホルダーをまだ大切に持っているのは、武川さんが牧

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前期高齢者作家が語るおっさんずラブ愛。第二話の勝手な考察。「黒澤部長の愛の形 嫁姑問題」

「黒澤部長の愛の形 嫁姑問題」
 ネタバレ注意!
 二話のテーマは嫁姑問題だった。武蔵のイライラ、ザワザワは婚約者を奪われた悔しさだけじゃないし、牧の腹立ちも元婚約者への嫉妬だけじゃない。地層を下へ下へと掘り崩してみると、表面に現れた事象の下に複雑な想いや過去があったりする。
私も四十年の結婚生活で経験済みだが、結婚は二人だけのものではなく、いろんな人が関わってくるから第三者がらみの問題が起きるこ

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おっさんずラブ リターンズ 始まる!

おっさんずラブ リターンズ 始まる!

おっさんずラブ リターンズが始まる!

 この日をどんなに待ちわびたことか(涙)。日本中のOL民の歓喜の雄叫び(おたけび)がそこここから聞こえてくるようだ。
 しかし、元旦から地震、津波。飛行機事故と、日本は大変なことになっている。大切な人を失われた方達、今も救助を待っている方達、避難所で不自由な思いをなさっている方達の苦悩を思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。被災地でもこの日を待ってい

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謹賀新年 noteを再開した理由

私の職業は「物書き」である。ちなみに「職業」を辞書で引くと「生計を立てるための仕事」と書いてある。生計を立てられるほど稼いでないので、職業欄に「作家」と書いていいのか悩むところだ。たまに出版社から「支払い通知書」なるものが届くけれど、この一二年は、小学生に「はい、お小遣いよ」と渡したら「ジャポニカ学習帳とチロルチョコしか買えねえじゃないか」とブチ切れられるくらいの金額である。
娘達は漫画家(キリエ

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『おっさんずラブ』の沼に落ちた作家のひとり言

『おっさんずラブ』の沼に落ちた作家のひとり言

 2018年に放送されたドラマ『おっさんずラブ』に「ハマった」ことに、私自身が一番驚いた。こんなことになるとは思ってもいなかった。
このドラマは、男性同士のピュアな恋物語だ。天空不動産勤務の春田は上司の黒澤部長と同僚の牧に愛されて三角関係に。その三角関係に牧のかつての恋人武川が参戦し、四人の男達の切ない恋がからみ合い、もつれてしまう。

 劇場版は二回観に行って、もちろんDVDや公式本も買った。公

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腐女子が世界を動かしている

腐女子が世界を動かしている

 腐女子とは「BL(ボーイズラブ)が好きな女性。男性同士の恋愛を扱った小説や漫画を好む女性」である。そして、年齢の高い腐女子のことを「貴腐人」と呼ぶらしい。その定義によれば、私は貴腐人である。
おっさんずラブにはまって、「沼」にどっぷりつかってしまった。今でもOL沼の住人で、二次創作を大量に書いてインスタにのせている。

https://www.instagram.com/kyrieasako/?

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『チェリまほ』にはまった作家のひとり言 第8話

私は毎日、来年出版予定の小説の改稿作業をしている。実は私、「改稿」が超苦手である。作品を書き終えた後は、もう一行も見たくなくなるのだ。
原稿と格闘する日々に、出逢ったのが『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』だった。
音楽であれ、ドラマであれ、何かにハマるというのは、とてもいいことだ。
それに触れている間だけでも、気分転換になる。
ただ、残念なことにこのドラマは全国放送ではない。だから、私

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自己紹介

自己紹介

「未来予想図は大体はずれる(気がする)」

人生は、何が起こるかわからない。未来なんて、心に描いた通りにはいかない。
子供の頃の夢は医者になって貧しい国に行き、医療活動をすることだった。だけどある日、ガリ勉の高校生だった私に母がいきなりこう言い放った。
「あんたは、勉強しなくていい」
その頃、父が借金の保証人になっていたりして家が傾いていたから、息子を大学にやるだけで精一杯で、私を大学にいかせる余

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四十代女性礼賛

四十代女性礼賛

 六十一歳で作家デビューした途端、編集者を始め、雑誌や新聞の記者、テレビのプロデューサー、カメラマン、書店員さんなど、三十代四十代の「キャリアウーマン」と呼ばれる人達と知り合う機会が一気に増えた。
生き生きと働く女性達に出逢うたびに、「時代は変わったなあ…」としみじみ思う。

 四十代というのは心身共にすごく豊かな時代なのだ。それまでにいろんな経験も積んでいるし、この世界の様子もある程度わかってい

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