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【日記】9月14日〜9月20日

9月14日
空気感が完全に秋へと変わった。一年で最も好きな季節がやって来た。さらに秋にはいくつもの思い出があるので感傷と高揚が行ったり来たりする季節。

帰り道、途中下車して中古屋に立ち寄って電光石火でCDを買おうとするも棚をいくら探しても見つからない。アマゾンのマーケットプレイスを見ると確かに在庫があることになっているのに。あまり長居したくないので、店員さんにたずねてみると目の前に山と積まれた数十枚のCD達の中にそれはあった。これから陳列するところだったらしい。親切な応対にほっこりしながら帰路に着く。

9月15日
ビル・エヴァンスの命日。‬今年で亡くなって40年目。
‪今年の春。終わりの見えないコロナへの不安や恐怖に落ち込んでいたある日、買ったきり何故か聴かないでいたビル・エヴァンスのライヴ盤がふと目に止まり、なんとなく手にとって聴いてみたら文字通り夢中になってしまった。そして聴き終えたあとに残ったのは素晴らしい音楽を耳にした時だけに感じる、暖かくて深く滲み入るような幸せな気持ちだった。
その時、先の見えない不安や恐怖の中でも音楽を聴いて素直に感動出来る心が自分の中から失くなっていないと分かった。それが本当に嬉しかったし、自分の心はまだ大丈夫なんだと気付かされた。
元々好きなピアニストだったけれど、その瞬間ビル・エヴァンスは自分にとって特別な存在になった。‬そこから少しずつ作品を買い集めている。

9月16日
もう半年もライヴハウスへ行っていない。
「毎日色々と辛いことがあるけれど、オレは音楽を作って演奏すること、きょうへいさんはイベンターとして物作りをすることで、辛いこととのバランスをうまく取ることが出来てるんだよね。つまり音楽があって本当に良かったよね」
知人のthat's all folksさんが話していたことを何故か思い出す朝。

大量のマスクとニットが到着。さらに除菌スプレーを発送する。いよいよ何が何だか分からなくなってきた。

篠原ともえ「Megaphone Speaks」が聴きたくなったので久しぶりに聴く。1998年、いつの間にか巨大化した"シノラー"に自らの手で別れを告げるべく製作された1枚。篠原ともえ本人作曲による「anything」「パレイド」「MICRO BLUE」「MUSIC」は忘れ去られてしまうには惜しい、素晴らしい楽曲だ。勿論、「メトロの娘」も。

9月17日
4連休前、脆弱な新しいコンピュータシステム、大量の商品。色々な人が苛立っている。

今週のカタカナ配信はメンバーさんそれぞれの一日についての話。同じバンドメンバーであっても、みんなそれぞれに違う人生を歩んでいるのだなあと実感。あとセイヤさんの話を聞いていたら今度は味噌汁が飲みたくなってしまった。
日中とても嫌な出来事があってモヤモヤしていたのに、配信を見て声を出して笑っていたらすっかり元気になった。いつだってカタカナのメンバーさんには色々と助けてもらってばかりだ。

9月18日
今週は松山市内を走る路面電車のドキュメンタリー番組を見ながらの朝ご飯。映り込む景色を見ていると数年前に松山市内を旅した思い出が蘇る。懐かしい気持ちに包まれながら納豆ご飯やねこまんまご飯をかき込む日々だった。

4連休前の金曜日。久しぶりの慌ただしい日。しかも夏が復活したような暑さにグッタリ。
大量のマスクとコートがやって来る。多忙な中でのスキャナー大暴走は本当に困る。

帰りにデヴィッド・ボウイのブートやビル・エヴァンスのCDを買い、さらに天下一品に立ち寄りこってりラーメンをテイクアウトしつつ帰宅。

帰りがかなり遅くなったので今週も「浦安鉄筋家族」を見ることが出来た。今回は主役の大鉄、岸井ゆきのさん演じる桜をフィーチャーした話。岸井さんの演技力の凄みを存分に味わう。さらに初回からチラつかせてきた「大鉄が2人いる?」って伏線がいよいよ回収される流れが楽しい。

9月19日
連休初日。
探していた本をAmazonマーケットプレイスで発見。卒業した大学の近くにある古本屋に在庫があるということで直接買いに行く。4年間通った景色は卒業してから10年以上経った今も殆ど変わっていなかった。

曇り空ながら空気感は再び秋。心地良い気候の訪れを感じると自転車に乗りたいな、と思ったりするものの今は自転車が無い。
昔は自転車で何十キロも走り回っていたけれど、生活の変化もあってかいつからか全く乗らなくなった。以前所有していた自転車も何年か前にシンガーソングライターの西山小雨さんに譲ってしまった。
と言いつつ、近いうちに安いのが見つかったら久しぶりに買おうかなと思案中。

昼食に昨夜テイクアウトした天下一品ラーメンを食べる。お店で買うと刻みネギも付いてくるので調理が楽ちんだ。

ジョージ・ラッセル「ニューヨーク, NY」を聴く。一見煌びやかなのにどこか影がある、そんな不思議なニューヨークという街を音で表現した作品。ときおり挟み込まれるジョン・ヘンドリックスの語り、というかもはやラップのような言葉の連射も素晴らしい。こういうビッグバンドのジャズも良いな。

夜、昨晩放送された「浦安鉄筋家族」をブルーレイに焼き、改めて見返してみる。

9月20日
曇り空の下、古本屋へ行く。連休中最後の外出。が、途中から雨がしとしと降り出して何だか侘しい気持ちになってしまった。古本屋で文庫本を3冊買う。

オスカー・ピーターソン・トリオ「ライヴ・フロム・シカゴ」を聴く。
自分はこの作品のような1950年代から60年代にかけて小さな会場で録音されたジャズのライヴアルバムがとても好きだ。耳を澄ますと聞こえて来るレジの「チーン」という音やグラスや食器の音、演奏に耳を傾ける人々の楽しげな雰囲気とざわめき、素晴らしいソロを披露した演者に対する大きな拍手…。
ヘッドホンを被り目を閉じて聴いているとほんのひと時だけタイムスリップしてその場にいるような気持ちになる。その瞬間が何とも楽しい。咳払いの音だけは好きになれないけれど。

中山康樹「ビル・エヴァンスについてのいくつかの事柄」、谷川俊太郎「ひとり暮らし」を読む。

夜、昨夜録画しておいた「99人の壁」を見る。佐藤二朗さんはユーモアの達人だと思う。

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