『塔』2024年3月号より③
『塔』2024年3月号の作品1から、気になった歌をあげて感想を書きました。(敬称略)
「大正金時」はあずき色のおおぶりのインゲン豆で、北海道で発見され、大正村(今の帯広市内)で量産されたのが由来らしい。
この歌では「十勝」や「大正金時」という固有名詞が、「ほたる火」と響き合って情緒を生みだしている。
「ほたる火」はガスの極弱火のことだが、「ほたる」を出したことで、おのずと十勝の夜の野に蛍が浮かぶ景色が想像される。
豆を煮たという、それだけの歌にも関わらず広がりのある奥深い一