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はたらくおとな限定 「ビジネス頭の体操」 今週のネタ(10月26日〜30日分)

はたらくおとな向け限定。自分の頭で考える、頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事や興味の範囲を超えて、収益構造は?市場規模は?どうして成立しているの?自分が経営者なら?等など、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


10月26日(月) 原子力関連の支出は現在でも2兆円を超える規模を維持

昭和38年(1963年)のこの日、茨城県東海村の日本原子力研究所の動力試験炉が日本で初めての原子力発電に成功しました。それを記念して、1964年の閣議決定により「原子力の日」として制定されました。

東日本大震災時の原発事故に伴い、日本の多くの原子力発電所は停止した状態です。再稼働を目指し投資を続けている状態であることは認識していましたが、今回調べてみて驚いたのですが、電気事業者による原子力関連支出高は震災後は落ち込んだもの、2018年実績ではほぼ震災前にあたる2兆円を回復しています。

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出典:「原子力発電に係る産業動向調査2019報告書」一般社団法人日本原子力産業協会

また、世界に目を転じると、2019年3月時点で運転中のものは445基、3億9,566万kWに達しており、建設中、計画中のものも含めると総計628基、5億8,281万kWとなっています(出典:「平成30年度版原子力白書」内閣府原子力委員会)。

こちらも調べてみて認識を新たにしたのですが、電力に占める原子力発電比率が高い国トップ5は、1位フランス(71.6%)、2位ウクライナ(55.1%)、3位ハンガリー(50.0%)、4位ベルギー(49.9%)、5位スウェーデン(39.6%)という順で比較的ヨーロッパ諸国が多いことが分かります(出典:同上)。

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一方、EUでは高いCO2削減目標を掲げ、原子力の代替電源の確保が難しく、一度決めた原子力発電の廃止を見直す動きも起こっています。CO2削減との間で難しい判断を迫られていると言えるでしょう。

→頭の体操する際の自分に対する質問例
☑️ 今後の原子力産業はどうなっていくのか?その理由は?
☑️ EUは今後CO2の削減と原子力の依存度低下をどのように両立させていくのか?また、その政策手段はどのようなものが考えられるか?


10月27日(火) 「文字・活字文化の日」は法律で決められた記念日

今日は平成17年(2005年)に制定された「文字・活字文化振興法」第十一条で定められた、「文字・活字文化の日」です。
そうです。国会で決議された、正式な法律の条文本文で定められた記念日なのです。すごいです。

では、その目的を同法第一条を引用する形ご紹介します。

(目的)
第一条 この法律は、文字・活字文化が、人類が長い歴史の中で蓄積してきた知識及び知恵の継承及び向上、豊かな人間性の涵養並びに健全な民主主義の発達に欠くことのできないものであることにかんがみ、文字・活字文化の振興に関する基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文字・活字文化の振興に関する必要な事項を定めることにより、我が国における文字・活字文化の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって知的で心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。

さて、この法律の設立背景には「活字離れ」があったそうですが、読書量はどう推移しているのでしょうか?

まず、小中高校生(出典:「学校読書調査」公益社団法人全国学校図書館協議会)。法律ができた翌年2006年から向上していますね。

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次に大学生(出典「第55回学生生活実態調査」全国大学生活協同組合連合会)。…2013年頃から0(ゼロ)分が増えていますね…

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次に社会人(出典「国語に関する世論調査」文化庁)。読まない、という人が半分近くいるんですね。

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→頭の体操する際の自分に対する質問例
☑️ 2005年に法律が制定され、翌年から小学校での平均読書数が増えている。この要因としてどのようなことが考えられるか?
☑️ ある出版社の経営者であるとして、売上を伸ばすために、小、中、高、大、社会人、どのマーケット向けにどのようなジャンルの書籍を投入するか?その際にはどのようなチャネルを通じて、どのようなプロモーションを行うか?


10月28日(水) 日本のABCの日。ABCって?

今日は一般社団法人日本ABC協会が1988年(昭和63年)に制定した「日本ABCの日」です。
日本ABC協会は昭和27年(1952年)に誕生した、広告料の基準となる新聞や雑誌、専門誌、フリーペーパーの販売・配布部数を調べて正しい部数を発表・認定する機関です。
「発行部数○万部」というのは自分調べではなく、こうした監査が入っているんですね。

どういう収益構造か、というと、監査を希望する新聞社などの発行体が会費を納める形で運営されています。昨年度の実績では受取会費の合計は約2.8億円。前年から0.1億円減少しています(出典:日本ABC協会HP)。

ネット広告だと、どれくらい見られて、どれくらい反応があったかは正確に分かりますので、そういった意味でも紙媒体とは広告媒体としての価値は全く異なることが分かります。そもそも実績で課金するなんてできないですもんね。

→頭の体操する際の自分に対する質問例
☑️ ABC協会の事業モデルは情報の非対称性を埋めることとも言える。自分のビジネスで同様の事象はあるか、あるとすれば収益化はどのようにすれば可能か?
☑️ 自分がABC協会の職員だとした場合、会費を増やすことも含め収入を増やす方法としてどのようなことが考えられるか?


10月29日(木) インターネット誕生日

1969年のこの日、インターネットの元型であるARPAネットで初めての通信が行われた日ということで「インターネットの日」とされています。
最初の通信は「LOGIN」の「LO」まで送信したところでシステムダウンしたそうです。

さて、そこから50年。当たり前のインフラとなりました。

どれくらいか、というと、経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、日本のBtoC EC市場の規模は19.3兆円、EC化率は6.76%(出典:同調査報告書)

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BtoB EC市場の規模は、352.9兆円、EC化率は31.7%(出典:同上)

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私の認識が追いついていなかっただけなのですが、特にBtoBの領域でそこまで進んでいるとは驚きです。

また、インターネットの利用端末では予想どおりと言いますか、スマホが伸び、首位になっています(出典:同上)。

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こうした状況を受け、広告費に占めるインターネット広告は伸び続けており、それ以外のマーケットを奪うだけでなく新たな需要を作り出しているのが分かります(出典:同上)。

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→頭の体操する際の自分に対する質問例
☑️ 資料のBtoBのEC市場規模359.2兆円にはどんな分野が大きなシェアを持つのか?
☑️ 広告費を多く投入している業界はどのような業界か?インターネットとそれ以外で違いはあるだろうか?


10月30日(金) ニュースパニックデー宇宙戦争の日

1938年(昭和13年)のこの日、アメリカCBSラジオで放送された「火星人来襲」というドラマの中で「火星人が攻めてきた」という臨時ニュース形式の放送によって120万人以上がパニックに陥ったという日で、ニュースパニックデーとされています。

まず、ラジオ?と思い調べてみましたら、アメリカでNBCがテレビ定時放送を開始したのが1939年、一般家庭への普及は1950年代とのことで納得です。

それから、なんでそんな信じたの?というところですが、実は、CBSのそのドラマ番組の枠は当時あんまり人気はなく、裏番組が人気だったのですが、その裏番組にあんまり人気のない歌手が出演したのでチャンネルと変えたところ、その臨時ニュースのくだりをちょうどやっていたこと、また、ワシントン州の一部ではちょうど停電が起こっていたこと、などの偶然が重なってのパニックだったそうです。なるほど。なんとなく違和感はあったのですがやっぱり調べてみるもんですね。

→頭の体操する際の自分に対する質問例
☑️ 現代で同様な事象が起きるとしたら、どのようなメディアでどのような方法で起きるか?


最後までお読みいただきありがとうございました。

何か使える体操ネタがあれば嬉しいです。


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