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哲学

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哲学、東洋思想、宗教など
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#東洋哲学

「気」は連続体という概念

この世界は宇宙が始まったときから今に至るまで連続体である。

道教の始祖である老子と荘子は「この世界は連続体である」と説き、道徳を世に広めた儒教の始祖孔子は「この世界は不連続体である」と説く。

文字通り受け取り、この世が連続体であるとしたら、すべての区別や差別はなくなる。しかし、法律は決まらず、混沌とした状態に陥る。この世が不連続体であるとしたら、法律は決まり、人々を治めることができるが、区別や

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絶対的精神の自由を求めて…『荘子』万物斉同の哲学

絶対的精神の自由を求めて…『荘子』万物斉同の哲学

荘子は紀元前369年頃から紀元前286年頃にいたとされる人物で、万物斉同と因循主義によって精神の自由と平安を求めた中国の思想家で、道教の始祖の一人とされる人物だ。

そんな荘子の著書が『荘子』である。といっても『荘子』の著者はそのすべてが荘子というわけではなく、『荘子』は前漢(紀元前206年-8年)の初めごろまでのほぼ百五十年間にわたる荘子学派の集積であり、荘子自身がどれを書いたかということは正確

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東洋思想が行き着いた哲学、道(タオ)の説明

東洋思想が行き着いた哲学、道(タオ)の説明

中国には道教という土着の民族宗教がある。それは日本でいう神道や、インドのヒンドゥー教のように、誰か明確な開祖がいるわけではない自然発生的な宗教である。自然発生的宗教は、民族特有の精神性が反映された思想体系であり、そういった意味で道教は、古代中国人の精神性といっても過言ではないわけである。

そんな道教では、道(タオ)といった概念を最上の思想と考える。では、道とは一体なんなのか。

道とは、真理であ

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孔子の『論語』に学ぶ聖人への道 ≪目安時間10分≫

孔子の『論語』に学ぶ聖人への道 ≪目安時間10分≫

聖人…なんと尊い響き…、そして我々一般人とはあまりにもかけ離れた存在…、ああ、しかし、聖人とは一体…?

今回はそんな謎に満ち溢れた聖人についてよく分かる『論語』という書物について説明していく。

『論語』とは春秋時代(紀元前770年)の中国の哲学者である孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子たちが記録した書物である。

『論語』は孔子を始祖とする思考、信仰の体系である儒教の経書の1つに数えられる

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