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昔の話

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私がこれまで経験してきたことを書いている記事です。
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#思い出

入院手術の思い出【その3】

入院手術の思い出【その3】

頭蓋骨の骨を鼻筋に移植するという大手術は本当に大変でしたが、無事に退院することができました。

頭をさわると頭蓋骨の一部が少し無いのがわかります。
ここはぶつけるとものすごく痛いので、またしばらくの間、動きが慎重になりました。

私の口唇口蓋裂の手術もいよいよクライマックスを迎えます。
今度は引っ込んでいる下顎を前へ動かす、という手術を受けることになりました。

「今回はこの引っ込んでいる下顎をぐ

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入院手術の思い出【その2】

入院手術の思い出【その2】

腰の骨を口の方へ移植するという大手術が終わり、しばらくは平穏な日々が続いていました。

やはり人間の体というのは少しでも欠けると不具合が出ます。
腰をぶつけたりすると激痛が走るのでしばらくは何をするにも慎重になっていました。

高校生になったころ、病院の先生から次回の手術について話をされました。
「今度は頭蓋骨を少し取って鼻すじの骨に移植する手術をします。」
「頭を切ることになるので、出血が多くな

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入院手術の思い出【その1】

入院手術の思い出【その1】

自己紹介の記事に書いていますが、私は生まれつき『口唇口蓋裂』という病気でした。
簡単にまとめると、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で顔ができるときに鼻と口は両側から伸びてきてくっついて形作られるそうなのですが、何かの原因でくっつかず、真ん中でパックリ割れている状態で生まれてきてしまうという状態です。

そのままではミルクも飲めないということで、私は生まれてすぐ手術をしたらしいです。
母は赤ちゃんの私と

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黄色いチューリップの花束

前回のnoteで昔、花屋で仕事をしていたと書きました。

花屋の仕事自体はとても楽しかったし、できることなら続けたかったのですが、豆腐メンタルだった当時の私は人間関係に悩み、結局3年ほどで辞めてしまいました。

花屋にいたころの忘れられないエピソードがあるので、今日はそのお話しを書いていこうと思います。

私が働いていたお店はスーパーの中にありました。
24時間開いているスーパーの中の花屋で『遅番

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『しろくまちゃんのほっとけーき』のはなし

『しろくまちゃんのほっとけーき』が小さい頃から大好きでした。
あの、ほっとけーきが焼けていくページは穴が開くほど見つめていました。

母は私のためにたくさんの絵本を買って読んでくれていました。
寝る前にいつも一冊読んでもらい、眠りについていた記憶があります。

私も同じように自分の子供達に絵本を読み、一緒に幸せな時間を過ごしてきました。
不思議なことに私が好きだった絵本を子供達も気に入ってくれて、

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私の20歳までの話

私の毎日は特筆すべきこともなく平和です。
こんな穏やかな日々を過ごせるようになるなんて小さいころは思ってもみませんでした。

私は生まれつき口唇口蓋裂という病気で、0歳から20歳まで入院手術をしたり、歯の矯正に通ったりと落ち着かない日々を過ごしていました。
小さいころは何で入院しなければいけないのか、手術が必要なのか全然わかっていませんでした。

自分が口唇口蓋裂という病気だったと知ったのはずいぶ

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秘密基地のはなし

今日はふと思い出した小学校のころの思い出の話です。

高学年になったばかりのころ、通学路から少し離れた場所に大きな石がたくさん置いてある場所がありました。
特に立入禁止の立て札もなく、入れないように張ってあるロープもありません。
通るたびに気になっている場所でした。

ある日、同じ方向に帰る友達数人とその石置き場に入ってみました。
小学生の身長と同じくらいか、それよりも大きな石がゴロゴロしていまし

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電車の中での出来事

電車の中での出来事

これは数年前の出来事です。

ある日、1人で新潟方面の電車に乗っていました。
次の駅で駅員さんと一緒に電車を待っている人が見えました。

電車が止まり、ドアが開くと駅員さんはポンとその人を電車に乗せてそのまま去っていきました。
電車に乗せられた人はオロオロしていました。
私はおかしいな、と思い、その人の腕をつかんで「ここ空いてますよ」と、半ば強引に隣の席に座らせました。

「ありがとうございます。

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