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教科書通りに行かないワケ


① 米経済、足元には不安材料 減速ペースに関心

米経済が利上げ開始から1年半たっても好調さを保っている。米商務省が26日発表した7~9月期の実質経済成長率は4.9%と高水準だった。一方で、足元には不安材料が多く、減速ペースに焦点が移る。
(中略)
FRBは10月31日~11月1日に予定する次回のFOMCで政策金利を据え置く公算が大きいものの、このまま景気が冷えなければ次々回以降で追加の利上げも選択肢になる

日本経済新聞【ワシントン=高見浩輔】

去年から年明けにかけての予想ではとっくに景気後退してるはずだったアメリカ。過去に類を見ないほどの急ピッチな利上げをしたのに、出てくる数字出てくる数字がアメリカの強さを示してるにゃ。もうそろそろ流石に、という感じで良い結果には目もくれずに悪い影響を粗探ししてるけど、専門家をはじめ多くの人の予想を裏切り続けたのはにゃぜ?
その確たる答えがまだ見つかってにゃい方が気になるにゃ。

② 金に逃避、2000ドル再び突破

金は金利がつかないため本来であれば、金利が上昇する局面では下げやすい。だが米国債利回りが財政不安などを背景に上昇していることから、株式や社債、国債と違い発行体が破綻する信用リスクとは無縁とされる金への買いが出始めた。
金市場にはこうした「リスク」が上乗せされつつある。マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘共同代表によると、金価格の分析では金と逆相関の関係にある実質金利から推定される「基準価格」、経済の先行きに対する市場の警戒感など実質金利では説明できない「リスクプレミアム」の2要素に分けられる。
16年を基準にした金のリスクプレミアムは24日時点で1431ドルと金の基準価格の2.6倍になるという。リスクプレミアムはハマスによる攻撃前の6日に比べると115ドル増え、金価格の7割を占めた。新村共同代表は「中東情勢の緊迫で安全資産需要による買いが増え、リスクプレミアムが拡大した」と指摘する。

日本経済新聞(松本桃香)

ここにもまた教科書通りにいかない現象が起きてるにゃ。金利が上がれば金利の付かない金の魅力が落ちるはずにゃんだけど、今起きているのは逆。純粋に金利を元に推測した価格は下がってるはずなんだけど、いろんな信用不安が起きててその不安の分だけどんどん積み増しされて高騰してるそうにゃ。

③ 【FINANCIAL TIMES】食料不安・ストに寡占の影

賃金の上昇が加速し、新型コロナウイルス禍でサプライチェーン(供給網)でのデリスキング(リスク軽減)が進むことにより企業の力は衰え始めるかに思えた。
だが国連貿易開発会議(UNCTAD)が4日に発表した貿易開発報告書では、それがまだ起きていないことが判明した。むしろコロナ禍中に企業の統廃合が進み、利益も大幅に拡大した一方で、不当な価格つり上げの横行や食料不安の発生など懸念すべき事態が起きていることが明らかになった。

日本経済新聞(ラナ・フォルーハー)

なかなか教科書通りいかないワケの答えになりそうな考えをひとつ見つけたにゃ。企業の寡占化が進む一方で労働分配率は低下してて、最近のストなんかは特にこうした巨大企業による利益の独占に対する反動だと筆者は見てるにゃ。

この考えを株式市場や債券市場でなかなか教科書通りにいかない展開が続いてることにも応用すれば、ちょっと霧が晴れてきるような気がするにゃ。

日本経済新聞「米長期金利5%に再接近、市場揺らす」より

S&P500のこの分解グラフをみれば一目瞭然、Google、Apple、Meta、Amazon、Microsoft、NVIDIA、Teslaのいわゆるマグニフィセント7だけしか実際に上がってなくて、他はむしろ今年の年初来でマイナスになってるにゃ。FRBが金利を上げて続けてもアメリカが強いように見えるのは一部のこうした巨大テックの恩恵であって、実はもう弱ってる残りの9割の実態を見えにくくしてるだけなのかもにゃ。

ひょっとしたらノーランディングとハードランディングが同時に起こっている?

こういうときこそ冷静に対処したいにゃ。

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