見出し画像

木は「これまで」と「これから」を受け継いでいく:木について話そう#03

こんにちは

今回は「木について話そう」シリーズのお話にしようと思います。

木材は、加工が出来る素材なので汚れたり、傷ついたりしてもサンドペーパーなどを使えば一般の方でも補修が可能ですよね。

そう考えた時に、
木って再生可能な素材なんだなぁと気づきます。

ということで、お話に入っていきます。

日々に生まれた隙間にのぞいてもらえたら嬉しいです。



▼日頃の中で

日頃の業務の中で、
部分改修(リフォーム)工事やメンテナンス工事などがあります。

古い門戸を活用
新築現場に合わせるためヒノキ材の枠を回す


その場合、まず現地を確認してどのような状況、状態かを知るところから始まるのですが、場合によっては自分たちでは施しが難しい時があります。

例えば、
建材メーカーの製品(工業生産品)ですと、独自の造りとなっていて、ボク達ではメンテナンスがなかなか難しい場合があります。

自分たちで製作したモノ、あるいは同業(建具、家具、木工など) の職人さんが作った製品でしたら、どこにどう施せば良いのかが見えてきます。

割れた板の修繕

どのように作られているのか
それが、分かるか分からないか、が別れ道なのかなと思います。
(※そういった場面に遭遇した場合は今お話ししたようなことを説明して自分たちが出来る範囲の施工方法を提案させていただいております。)


▼木材なら再生できる

そんなこんなを日々繰り返しながら、
木材であれば、その多くは再生出来るんだよなぁ、なんて思うことがあります。

新規下足収納
以前より使っていた古建具を再活用

もう少し言うと
強度(耐久性)や腐食(防腐)などの視点から見てしまうと鋼材(アルミや鉄など)の方が適しています。
それでも鋼材に比べ、木は削ったり、継ぎ足したり、切ったりなど修繕や再加工が可能な素材です。

つまり、やり直しが利く、ということが言えます。

障子の修繕
折れた組子と新しい組子を組み直す


住宅で考えると、
長年住み続けていると何かしらメンテナンスが必要になるタイミングが訪れます。
そのとき、製品(家具や建具)や部屋の造作に木材(または突板合板)を使用していれば、元々を活かしつつ改修工事ができます。
(ここでは内装仕上げ素材としてのお話で構造については外しています。)

リノベーション工事にて
これまで使ってきた仏壇
引き出しと建具はそのままに棚を新たにした


例えば、
家具の天板は今まで使っていた無垢材を再活用し、収納部分を新規で作ることが可能です。
建具は襖や障子は貼り替え出来ますし、組子が折れていたら部分修繕を施せます。

というように、内装の造り付のモノも含めて木(木をベースにした素材)だったら、なんとかなる、確率がとても上がります。

ボロボロだった障子紙と組子
木ならなんとかなる


特に長年使い続けたモノには思い入れや思い出が詰まっています。
新築、リフォーム、リノベーション、
新しい生活に移り変わる時(引越しも含めて)、「これまでの歴史(思い出)」を「これからの場所」に引き連れていける、

それが「木」なら可能にしてくれます。

なぜ木が良いのか、と考えた時、
作り手から見た理由の一つ、ではないかとボクは思っています。

天板に使ったヒノキの板
お客さんの父から受け継いできたもの
新規家具になっても受け継いでいく


設計、製作、フィールドワーク、人からの話などの体験を通じて、木って良いよね、と言える視点を増やしていきたいと思います。

ということで、
今回はこの辺りで失礼します。

ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

ではまた


▼木について話そうシリーズ



▼よろしければこちらもご覧ください。

▼KURAMOCO


話を聞いて面白いと興味が湧きましたら、ぜひサポートの方もしてくださると嬉しいです。 アイデア探し・デザイン制作など創作活動のために活用していきます!