ただひたすら身を委ねる空間:《大巻伸嗣 真空のゆらぎ》
こんにちは
現在、国立新美術館にて「大巻伸嗣 真空のゆらぎ」が開催されています。
大巻氏の作品に触れるのも初めてでしたし、空間を作品にしたインスタレーションアートも体験したいと思い足を運びました。
今回は大巻氏の空間作品を体験したお話をしていきます。
少しの間だけお付き合いいただけたら嬉しいです。
それではさっそく
|大巻伸嗣の空間体験
インスタレーションアート、それは作者の作品のために展示会場を設えるとは異なります。
造形物から空間(ここでは展示室)そのものまで含めて作品ですので、鑑賞する、というよりは、体験、だと思います。
大巻氏の作品は展示室にこれといった装飾もなく至ってシンプルです。
それだけに、光や暗闇、が際立ちますし、その空間に入ると作者の世界観に没入していけるように思います。
光に照らされる自分、暗闇に呑まれていく自分、というように、その場に居ると自分自身も作品の一部になっていくような感覚になります。
そしてインスタレーション作品と合わせて作者のドローイング作品も展示されています。
ドローイングから空間演出の意図などが見えてくるのでボクとしても学べるところでした。
|暗闇の面白さ
ここからはボク個人で感じたことを綴っていきますね。
[真空のゆらぎ]のインスタレーションは面白いなぁっていうのがあって、そこを中心に。
展示室に入った瞬間は真っ暗です。
でも、目が慣れてくると展示の様子が徐々に見えてきます。(暗順応と呼ばれる現象)
目を閉じて次に開けた瞬間には別の世界に来ていた、的な空間の切り替えに人間の現象も取り入れている感じがして、なるほどなぁ、でした。
そして、うっすら見えてきた空間には大きな半透明の布が波のように揺らいでいます。
大きな展示室の半分ほどを使用していて本当に海かのように圧倒的なものを感じます。
暗闇にごく僅かな照明が故に、余計な情報は打ち消されています。
ですので、鑑賞している人の姿も見えにくく、波のように不規則に揺らぐ布、どこからか吹いてくる風、聞こえてくる音、僅かな光のみを頼りにあとはこの場に身を委ねていくような感覚です。
そこで何を感じ、揺らぐ布を何に捉えるか、は人それぞれですし、きっと自分の心情次第で見え方が変わっていく面白さもあるかもしれません。
こうしてボクがお話するより、写真を見るより、インスタレーションアートはその場に身を置いて体感することがやはり良いなと思います。
暖かく過ごしやすいこの秋にぜひ足を運べる方は体験してほしいです。
ということで、
今回はこの辺りで失礼します。
ここまでご覧くださりありがとうございました。
ではまた
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