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2017年1月の記事一覧
宇多田ヒカルが登場した頃
2000年生まれの私の妹は誕生してもいなかったのか。びっくりした、自分としてはアンモナイト発掘するくらいの心持ちで記憶を手繰り寄せるつもりだったのに、昨日のことのように思い出せるんだ。比喩じゃなくてマジで。
宇多田ヒカルってコがすごいんだよ!って近所のお姉ちゃんが叫んでいた頃、私は幼稚園児だったかな。へえ~って返した気がする。それよりキティのクレヨンと落書き帳を早くちょうだいよ、って。
近
端的に言って、苦しい。どんな慰めも枯れるほど、好きならそうだと言いたいし会いたい。相手の相手とか、愛人という響きとか、どうでもいい。真横で煙草を手渡されるのも、向かいでコーヒーを飲むのも、最高で最低だった。想い出ばかりじゃ弱くなる。今、会いたい
気持ちが沈んでいるとき
出来立てのコロッケパンを頬張るためには手袋を外さなきゃいけないじゃないかと文句垂れて、満月を黒いクレヨンで塗りつぶしたいとき、っていうよりはもっと煩雑で、けれども深遠な流し目が似合うあの人ほど大人びた表情にもなれない、もどかしさだけが純粋な、そんな黄昏時っていうのは、TUTAYAで全く知らないCDを引き当てて帰る微笑の喜びでは足りないし、睡眠薬も、なんか悲しい。
複雑骨折での過剰な親切も得ら
甘えたい。マグニチュード6の地震が起きたと思ったら自分の体が震えていただけだった。脳味噌が心臓に化けたみたいにドクドク血が巡る。ドロドロとサラサラの中間のお粥を半分未満口にして、あとはそっと目を閉じて眠りたい。大丈夫?と聞かれたら、大丈夫じゃないと掠れ声で言って困らせたい。
ジャズも小田急線もわからないけれど、木製の本棚の薫りとココナッツ・ミルクの美味しさにとろける。ここ良かったよと何でもないことのように言葉にして、相手が思わず行ってくれたら嬉しい。
ポテトサラダが好きで、居酒屋では決まってポテトサラダを頼む。ないと、そっと凹む。
じゃがりこに湯を注いで混ぜただけのポテトサラダがめちゃくちゃ美味しい。こんな食べ物は一人暮らし特権。さつまりこと明太子とサラダ味は絶品。
どこかいつか私の知り得ないところで、大切に想う相手が何らかの重大な決定をしたらしいと悟るとき、自身の予感を恨むと共に、精神がすっかり渇いて、血を貪って飲んだ虚無感だけが覆ってくる。苦しいと呟くことも叶わない。
りんごは赤いというけれど、皮を剥いたらそんな初々しさは消えるじゃないですか。だったら私はスイカですよ。深遠な緑を装っておいて、中身は真っ赤だ、熟して燃えたっている。そして所々厄介な種がある。無理に噛み砕こうものならダイヤモンドの歯を痛めますよ