母の誕生日に

義務感で輝く星々を真下に携えて、電車は空を駆る。慌ただしく、一度落とせばもう手にできないことを知っているから、落し物のマフラーが地上に着くより早く、だれかがスコーピオンを矢で射る。
麗しい瞳の女性は、裏メニューにもない誕生日ケーキを待ち望む。知っている、知っていたけれど、それがどうしたっていうんだ。お母さん誕生日おめでとう、なんて吐いてたまるか。永遠に敗北を期待する人の瞳孔は、迫り上がるイルカの背びれより美しい。
兎に羽があるならわかるだろう、明日も明後日も登校拒否だ。ぼくは三千里離れた彼女を愛すべきで。今が一番虹色さ、捧げものは不要だよ。

#Twitterで拾った単語で作文

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