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アンビバレンス

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どんな形容詞も邪魔だ。
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2017年2月の記事一覧

普通の詩

君は悔しがるかもしれないけれど、君と僕には似たところがあります。
普通、を普通に扱えないところだよ。鏡を見たってウサギとニワトリは違うのに、なんで数え方は同じなの。普通を口に出せば出すほど普通じゃなくなるから、けれども会話を成立させるためには普通を使い通さなきゃ一緒にティータイムもできずに。

フロムが「愛するということ」で仰々しいことを言っておきながら同性愛やアセクシャルを認めない発言をしたとき

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アメリカのジェットコースターに乗るテンションでしか書けないことは多いから、そのときの今を連射するように投稿垂れ流してみる。他者がいない。かといって自分が確立されているのでもない。無が有るというより、有り過ぎて無なのか。

人間みたいで羨ましい。

二度と利用するもんか、と行くたびに思っていた寮の大浴場を結局何度も使った。お湯のきもちよさには勝てない。
女湯には行きたくないけれどどうしたって男湯が望ましいわけではないし、だから私は開場直後に一番風呂できる時間帯以外は行かないように気をつけていた。同年代の女の子が裸で喋り倒すあの空間がどうしても苦手で、私はいつも透明人間を目指していた。
女性に性欲が生じる状況があったとしても、女湯と

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「失恋してた方がいい文章書けるね」

君は出来事を小説のストーリーみたいに捉えて、キャラ付けしてるしバッドエンドを導いている。人生で事あるごとに一大イベントがあるよね、少なくとも一年に三回とか?

暫く何も文章を書かない方がいいのかもしれない、というよりそんなこと明白だ。

太宰治が書いていたはずだ。小説家なんて奴は故郷に捨てられる、と。

私の場合は友人だったり好きな人だったり、もっと身近なところで人と距離を置かなければ、あるい

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もう告白なんてしないよ

哀しいとか悔しいとか嫌だとか不快というわけではなくて、地中を飛行している気分だったんだ。どうしようもなく苦しく不甲斐ない。迷宮であることこそ正解で、言葉の誕生以前の、空間にも為れない、そうした場所に私は放り出されたようで。なんて言ったら、論理的な君は汚物を飲み込んだようなカカオ1000%の顔をするんだろうね、そんなことはわかってますよ。それでも好きだという逆説を私は宝物にしていたかった。地球に酸素

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好きな人が恋する表情を絶望と思わないくらい忍耐と友になってしまった。それでもそれでも、それでも好きだ。貴女の顔は哀しいほど美しい、それを知るのは俺だけだ。

#短文 #恋

サングリアに沈む果物が欲しいならご自由にどうぞ。

サングリアに沈む果物が欲しいならご自由にどうぞ。

あまりに穏やかに会話が弾んでしまうから、自分史上最高の孤独を伝えようもなかった。今後告げることもないだろう。

東京に住んだ二年間、バーカウンターで泣きじゃくった晩もあったような。粗大ゴミの方が余程ましだったろう。

数ヶ月の間であったが、自分がバーテンダー側に立って、客の色々な光景を目にした。
昨晩見たカップルは別れ話をしているようだった。割り勘した後、不自然極まりない距離をあけてその男女

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バーに並ぶグラスだ。崖っぷちに積み重なって息を殺している。少しずつ歪んでズレて、それでもようやくライトの反射で存在を誇示する。触れたらいつでも崩れ去る準備は出来ていた。朝が来て命が吸われるまで、眠れない。

穏やかに荒れて、健やかに絶望し、独りでゴディバのカクテルを飲んだ。

好きな人にはきちんと休んでほしいし、寂しくなってほしい。一人でも生きていけるけれど、一緒にいると最高の関係性を目指したい。だから出かける約束(デート…?)の延期は、とんでもなく淋しかったけれど同時に嬉しくて、自然と優しい言葉が漏れ出す。そのやり取りが好きだ

70度の酒を飲んだ。後からぐらぐらして、翌朝も気持ち悪さが残る。きっと他人がそう話していたら笑い話になるけれど、本当は、それをあおる背景があった可能性が大きくて、救いようのない激情が隠れているかもしれないのだ。

#忘れたくない

幸福過ぎて何も書くことがない。幸福は不幸より耐えがたい、と少々怖れていることを除けば。