褒めて伸ばして、何でも楽しく
今日は雨が降ったり、止んだり、
一面にグレーの雲が広がっている天気でした。
「少しムシムシするねー。」
雨で、湿度が高くなっています。
「それに、夜の6時を過ぎても、まだ真っ暗じゃないんだよ。」
「今月は、初めと終わりでは、気候が かなり違うよね。」
季節は、どんどん進みます。
今夜も、りこちゃんと こざる達は、
いつものように 夜のニュースを見ながら皆で一緒に 夕飯です。
マラソンの監督で、多くの名ランナーを育てた
小出義雄さんの訃報のニュースをやっています。
「小出監督、いつもガハハーって大笑いしていたよね。」
「いつもニコニコしていて、明るくて お喋りだったよ。」
「あれ? それって….」
こざる達は、りこちゃんを見ます。
「りこちゃんと同じだ!!」
りこちゃんも、こざる達も ニコニコします。
ニュースでは、小出監督は
褒めて才能を伸ばす指導法の先駆けだったと言っています。
「それまでは、叱って厳しく指導するのが当たり前だったからね。」
「小出監督は、すごく新しかったんだね。」
皆は、うんうん頷きます。
「そういうとこも、りこちゃんに似てるねー。」
「りこちゃん自身が、厳しく叱るとか叱られるとか、
そういうのが嫌いだしね。」
「よく陰険なのはイヤって言ってたよねー。」
「やるなら何でも楽しくやりたいって よく言ってたもんね。」
「そうよー。」
りこちゃんが、笑顔で頷きます。
りこちゃんは、どうせやるなら、嫌な気分でやるのではなく、
何でも 出来るだけ楽しくやりたいというタイプです。
りこちゃんは、教師やコーチという指導者ではありませんが、
小出監督も、りこちゃんも、この世代の中では珍しいかもしれません。
「小出監督は、厳しく叱って怒って選手に練習をやらせるという指導法が
当たり前だった時代に、全く違う価値観を持って、指導したんだね。」
当たり前とされていることと、違うことをやるのは、
なかなか大変です。
「柔軟な、自由な発想の持ち主なんだよ。」
自分が正しいと信じて続けることも、そう簡単ではありません。
「それに、頑張って努力して辛い練習を
毎日ずっとずっと続けるのは選手だけれど、
自分ではない他人に うまく練習をさせて、才能を伸ばすって、
すごく難しいことだよね。」
「うん、監督って、とっても難しい仕事だし、それもまた才能だね。」
「そうだね、選手は いい監督に出会うかどうかで、運命が変わるよね。」
高橋尚子さんも、有森裕子さんも、
小出監督に出会って才能が大きく開花しました。
それまでは、特に目立った記録を持った選手ではありませんでした。
画面は切り替わって、別のニュースになります。
皆、夕食を食べ終わったようです。
「じゃあ、食後のお茶を淹れて来るね。」
「お願いねー。」
こざるちゃんが立ち上がって、台所に向かいます。
今日も こざるカフェでは、ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。
読んで下さって、どうもありがとうございます。
天気の変化が激しい時期ですので、皆さま、お身体ご自愛ください。
よい毎日でありますように (^_^)
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