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太陽日記〜コロナ禍の記憶〜

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方丈記のようにコロナの時代を記録します。
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1人目の客になれた話:京福西院駅近く神来裏編

1人目の客になれた話:京福西院駅近く神来裏編

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。一週間ほど前、私と同じ西院に住む方がX(旧ツイッター)に新店情報をあげており、「神来の裏に居酒屋がオープンするっぽい」ということだったので、その日のうちにお店を確認しにいったところ、確かにそこには店ができており、17時頃だったか、中にはすでに客がいる様子だったので遅きに失したか、と歯噛みしつつも店の外から中の様子を覗き込んでいると、店員のお姉さん

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でいいよ

でいいよ

 昨晩はちょっと上等で上品な居酒屋で呑んだ。先輩と二人で呑み、腹を割っていろんな話をした。八割方は現状への不満、やるせなさであった。7時過ぎに入店し、11時過ぎまで店にいた。俺は途中でこれはまずいんじゃないかと思った。何がといえば支払いである。生ビール650円はもはや「とりあえず」と言える料金ではない。一杯目は生ビールを頼んだ俺だが、注文すると同時に最も安いアルコール飲料は何かをチェックした。焼酎

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当たり前ではない

当たり前ではない

 特権の内にいるとその特権の「特」のところにはなかなか気づけないものだ。気づけないとそれは当たり前になり、当たり前になると有り難みはなくなってしまう。特権の外に追いやられたとき、はじめてその特別さに気づくのである。

 Aという企業の営業マンとして縦横無尽に働き、クライアントや下請け、部下その他大勢の人間を巻き込み、まさに「俺流」で仕事を回す方がおられ、その仕事ぶりは相当すごかったのだが、とにかく

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禍と渦を間違いがちだった頃

禍と渦を間違いがちだった頃

 コロナ禍の「禍」を「渦」と間違ってる人がまだ多かったコロナ初期、2月末に磔磔で「涌井大宴会」という自主企画を行えたのは確かギリギリのタイミングで、数日後にはライブハウスはライブができない状況に追い込まれていたと思う。パソコンの文字変換トップは「かんせん」が「観戦」から「感染」になり、濃厚接触の語感に卑猥なものを感じ、変異株はまだ変異種と書かれていた。
 やがて緊急事態宣言が発令され、ステイホーム

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1人目の客になれた話 京福西院駅隣編

1人目の客になれた話 京福西院駅隣編

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。
 先日、村上春樹が「その日の1人目の客としてバーで酒を呑む」ことが好きだという話を聞きました。あの村上春樹が私と同じようなことを好んでしていると知り、親近感が湧き、以来勝手に春樹と呼んでいます。新店の1人目の客になるのが趣味なのですが、これからは「その日の1人目の客」になることも趣味にしていきます。

 さて。
 大型連休の空気を帯びた京都市内

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詩 矛盾している

詩 矛盾している

矛盾している

未来ある若者のやる気を
削いではならんと思ういっぽうで
未来ある若者の成長の芽を
摘み取ってしまおうかと思う

ひとことも謝らない偉い人のことを
心底嫌いでいるのに
仕事をもらうときは
あなたのことを心から愛していますと
媚びへつらう

矛盾している

謝らない人のことが嫌いなのに
自分のことになると謝らない
後から気づいて死にたくなる

自分の仕事こそが最も尊く
最も尊重されるべ

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ノンストップミックス

ノンストップミックス

 今日は担当番組でゴールデンウイーク折り返し記念時代を超えた歌って踊れるノンストップミックスをオンエアいたしました。昭和から令和まで。80年代から2020年代までのヒットソングに少しばかり普段あまりラジオではかからない曲もまぜこみながらぎゅぎゅっと20分強、我ながらなかなか面白いミックスになったと思っております。

●おどるポンポコリン
 昭和55年生まれの私なんかは、近藤房之助をBBクイーンズで

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ツネ様

ツネ様

 新聞の何が好きかといえば、興味のない記事があることである。普段自らは知ろうとしない情報に近づくことができるのは近頃得難い魅力だ。インターネットは気を利かせすぎる。先回りしてくれるのは有り難いが才気ばしったところがどうも好きになれない。三国志で曹操が楊脩を嫌っていたのと多分同じ感情だと思う。鶏肋鶏肋。
 インターネットは寄り道をさせてくれない。ネットサーフィンなんて寄り道の極みではないかと思われる

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もののけ京都

もののけ京都

 いま、京都市京セラ美術館は村上隆さん、ジブリと金曜ロードショー、キュビスムの展覧会が同時に開催されているうえ、KYOTO GRAPHIEの会場にもなっており、これはえらい人だかりなのではないかと覚悟して行ってみたところ、思ったほどではなかった。岡崎公園界隈も人がごった返すという風でもなく、ちょうどいい塩梅で、この程度の混雑なら京都市民もウェルカムなのではないかと思う。こうやって書いてしまうあたり

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ミスターX

ミスターX

 クリスマスの夜にはサンタクロースがプレゼントを持って子供たちの寝室にやってくる。普段から知らない大人に付いていってはいけないなどと散々教育しておきながら北欧からくる真っ赤なお衣装でひげもじゃのおじいちゃんが家に侵入してくることは誰も何も言わないという、サンタクロースにしかない特権について、誰も何も疑問を挟まないのだろうか、ということを考えること自体が無粋であるとされるなか、私は長男がまだ小さい頃

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令和6年読書の記録 雨穴『変な絵』

令和6年読書の記録 雨穴『変な絵』

見れば見るほど、何かがおかしい?
不穏なブログ、
消えた男児、惨殺死体、補導少女・・・
「奇妙な絵」に秘められた
衝撃の真実とは!?

↑本そでの紹介文引用

 ホラーな作風を得意とするウェブライターでユーチューバーとしても活動されている雨穴さんの小説です。これは『変な絵』ですが、『変な家』っていう作品もあり、こちらは映画化されているんですよね。どうやら原作とずいぶんテイストが変わってるみたいです

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1人目の客になれなかった話

1人目の客になれなかった話

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。今日は以前からチェックしていたお店が二軒、オープンする。うまくいけば久々に「1人目はしご」できる。一軒は17時オープンの居酒屋で、もう一軒は19時オープンのラーメン屋である。小一時間呑んで気持ちよくなってからシメのラーメンを食べたうえ、どちらともの1人目の客になる、という最高の計画を数日前から立てていた。

 40分前に到着すれば十中八九1人目に

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1人目の客になれた話 烏丸六角編

1人目の客になれた話 烏丸六角編

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。職場の近くに居酒屋がオープンすることを知ったのが数日前。ロケーションは抜群だがオープンは17時。普段の木曜日、私は16時30分くらいまで収録をしているから、いくら職場の近くのお店とはいえ、どれだけ急いでもオープン20分前にしか店頭に到着することはできない。時を巻き戻すことはできないのだ。ましてや令和の現代、時はもはや「巻き戻す」ものではない。「巻

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私の許せなさ誰かの許せなさ

私の許せなさ誰かの許せなさ

 いまから私はいくつかの行動について否定的意見を書きますが、それをする人を否定はしません。私はその行動に否定的であるため、その行動はしませんというだけの話です。

 その前に本当に嫌いなのはイヤホンをしている人に話しかけたとき、ものすごく面倒くさそうにイヤホンを取り、「はい?」と言われること。これは本当に嫌いです。こんなにわかりやすく人を下に見てるのがわかる行為って他にあります?「俺様が機嫌よく音

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