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東京ヴェルディ 補強診断〜チーム別補強診断#28〜

こんにちは。
Jリーグも開幕してから半年以上が経ち、すでにシーズンが終わりに近づき、来季の補強も考え出す頃でしょう。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第28回となる今回は、東京ヴェルディ編です。
なお、すべての情報は10月9日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフの東京ヴェルディの補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#29 ~東京ヴェルディ編~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
 染野唯月 ←鹿島アントラーズ(期限付き移籍)

【OUT】
 藤本寛也 →ジル・ビセンテ(完全移籍)
 山本理仁 →ガンバ大阪(完全移籍)
 新井瑞希 →ジル・ビセンテ(期限付き移籍)
 阿野真拓 →福井ユナイテッドFC(期限付き移籍)
 端戸仁 →鹿児島ユナイテッドFC(期限付き移籍)

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J2リーグ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①高木和徹(←清水エスパルス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 長い間、本所属先を清水エスパルスとしつつ期限付き移籍を繰り返していましたが、今季より完全移籍で東京ヴェルディに移籍し、完全に清水から移籍することになりました。
 昨季は、J2のVファーレン長崎でプレーしていましたが、出場は2試合のみと、プロ通算でもシーズンを通して主力として活躍した年はないことから、控えGKとしての獲得と言えそうです。

考察

 開幕当初は、監督の評価が高く、飛躍の年になりました。しかしながら、監督交代がおき、城福監督が就任した後の、天皇杯でマテウス選手が良いプレーを見せたことから、最近はセカンドGKやサードGKとなっており、序列が著しく低下してしまいました

評価

評価は『B』としました。
 シーズン序盤は、出場機会を掴んでいたものの、なかなかチームのパフォーマンスも上がらず、後半戦になって主力ではなくなり、悔しいシーズンとなっています。

②山越康平(←大宮アルディージャ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季限りで、大宮アルディージャを退団しており、今季よりフリーで東京ヴェルディに加わりました。大宮では123試合に出場しており、主力ではなかったですが、昨季も多くの試合でメンバー入りはしていた選手です。
 若狭選手が退団したヴェルディですので、その穴を埋める補強というのが妥当ではないでしょうか。

考察

 開幕当初より、右サイドバックで主力の座を掴んでいましたが、負傷離脱をしていた間に監督交代が起きてしまうと、城福監督の元では序列が低下してしまっており、最近は主力とは言い難いパフォーマンスとなっています。

評価

評価は『B』としました。
 序列の低下があったとは言え、それでも多くの試合に絡んでおり、期待値を大きく下回るなどということはないでしょう。

③アルハン(←PSISスマラン)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 えげつない数のInstagramフォロワーを持っているインドネシアの英雄で、サイドバックを本職としているインドネシア代表のサッカー選手です。
 インドネシア人は、Jリーグの提携リーグで日本人枠扱いになるということやアジアでのマーケテンングという観点も大いにある獲得と言え、どの程度戦力として考えているかは不透明です。

考察

 インドネシア代表ということもあり、ある程度は試合に絡んでくるかと思いましたが、ここまでに出場は45分のみで、他の全試合ではベンチ外となっており期待はずれと言わざるを得ません。
 マーケティング効果はあるとは言え、試合に出場しないとその効果は薄れますので、ここまで試合に絡めないのは想定外でしょう。

評価

評価は『D』としました。
 インドネシア代表ということもあり、獲得時は大きな話題となりましたが、ほとんど試合に絡めない現状は期待はずれでしょう。

④佐古真礼(←藤枝MYFC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 プロ入り後は、J3の藤枝MYFCへ期限付き移籍しており経験を積みました。が、シーズンを通して主力などというわけではなく試合出場数も10試合とあまり結果は出せませんでしたが、190cmを超える大型なDFで期待値も非常に高い選手です。

考察

 開幕から、メンバーを落とした天皇杯以外ではほとんどの試合でベンチ外となっており、ほぼほぼ構想外と言っても過言ではありません。潜在能力は高い選手ですので、期限付き移籍などで出してあげれば…と思ってしまいます

評価

評価は『C』としました。
 J3の藤枝でも主力ではなかったので、ヴェルディに戻って主力になるかと言えばそうではありませんが、それでももう少し試合に絡んでほしいところです。

⑤宮本優(←法政大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 清水エスパルスの下部組織出身の選手で、法政大学より加入しました。身長は172cmと小柄ですが、攻守にハードワークできる選手で、粘り強い守備や果敢な攻撃参加に特徴のある選手です。

考察

 開幕当初より、ベンチ外・ベンチ入り・スタメンを繰り返していると最近は、ベンチ外が増えてきてしまっています。
 大卒ということを考えると、ここまでに9試合しか出場していないことは少し期待はずれですが、それでもまだまだ期待して見てきたい選手です。

評価

評価は『C』としました。
 大卒ということもあり、かなり厳し目の評価であると思います。が、大卒であればコンスタントに試合に絡んできてほしいところです。

⑥加藤蓮(←明治大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 大学サッカーの名門、明治大学より加入した左サイドバックで、175cmと決して大柄ではありませんが、勇猛果敢な攻撃参加が持ち味で、多くのチャンスを作り出してくれる選手です。

考察

 第5節でプロ入り初スタメンをはたすと、その後は連続でベンチ外となる時もあったものの、総じて左サイドバックの一番手の座を確固たるものにしております。ここまでに21試合のリーグ戦でスタメン出場していることを見ても、期待値を上回っているでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 大卒ルーキーでありながら、ポジションの一番手となり多くの試合にスタメン出場を果たしている現状は期待値以上と言えるでしょう。

⑦谷口栄斗(←国士舘大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 181cmと決してセンターバックとしては大柄ではありませんが、対人守備にめっぽう強く、地上戦であれば抜群の強さを誇る選手です。大卒ルーキーですが、守備能力は大卒離れしており、主力になる可能性もある選手です。

考察

 第2節よりスタメンに定着すると、その後はほとんどの試合でセンターバックとしてスタメン出場しています。また、監督交代後も変わらずに主力であり、いまやヴェルディの守備リーダーと言えます。

評価

評価は『S』としました。
 期待値の高い大卒ルーキーでしたが、完全に主力に定着するというのは想定外で、サプライズと言えるのではないでしょうか。

⑧バスケス・バイロン(←いわきFC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 青森山田高校時代に、高校サッカーを沸かせた生粋のドリブラーは、いわきFC入団後東北社会人リーグでは活躍したものの、JFLではあまり、得点を記録できなかったものの、攻撃センスを見せており、今季よりステップアップ移籍をしました。
 JFL時代を見ても、いきなり主力ではなく、スーパーサブなどとして多くの試合に絡むことが期待されていると言えるでしょう。

考察

 スタメン出場の機会はあまりないものの、多くの試合で試合で流れを変えるスーパーサブとして起用されており、城福監督になっても多くの試合に起用されています。
 最近は、得点やアシストは記録できていませんが、まだまだこれからの選手ですので、期待値を下回っているとは言えないでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 スーパーサブとして多くの試合に絡んでおり、期待値通りの活躍を見せることができていると言えるでしょう。

⑨梶川諒太(←徳島ヴォルティス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 イメージ的には、常に東京ヴェルディに所属しているイメージがありますが、昨季は本所属元は徳島ヴォルティスで今季より、完全移籍に移行し、正式に東京ヴェルディに復帰しました。
 昨季も、中盤のプレーメイカーとして多くの攻撃チャンスを作り出し、アシストを記録しており、攻撃の軸になっており、今季も昨季同様に攻撃の軸になることが期待されているでしょう。

考察

 開幕当初より、キャプテンマークを巻いて多くの試合にスタメン出場を果たしており、アシストを記録していました。最近は、スタメン出場の機会が減ってしまっていますが、それでも総じて多くの試合に出場しており、十分に期待値以上の働きはしているでしょう

評価

評価は『A』としました。
 昨季は、「コイカジ」のコンビで活躍していたものの、小池選手があまり出場機会をつかめていないこともあり、そのコンビはみれていません。一方で、多くの試合でキャプテンマークを巻いて出場しており、十分に主力級と言えるでしょう。

⑩稲見哲行(←明治大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 明治大学より加入したボランチで、山本選手らと共に多くの試合に出場することが期待されていると言えるでしょう。大学サッカーの名門からのルーキーということで期待値も高い選手と言えます。

考察

 開幕から全く試合に絡めず、サブ組でのぞむ天皇杯でも出場機会を掴むことはできませんでした。しかし、監督交代を経て城福監督が就任すると、天皇杯での川崎フロンターレ戦でスタメン出場をするなど、瞬く間に序列を上げました。
 最近は、スタメン出場の機会も増えていますが、スタートダッシュに失敗したことも踏まえると、総じて期待値通りと言えるでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 開幕当初は全く試合に絡めなかったですが、最近は多くの試合に絡んでおり、大卒ルーキーとしての及第点と言えるパフォーマンスでしょう。

⑪西谷亮(←東京ヴェルディユース)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 中島翔哉選手など多くのタレントを輩出してきた東京ヴェルディの下部組織出身の選手で、最近、下部組織出身で昇格した選手は若いうちから出場機会を掴むことが多いチームですので、西谷選手も例外ではなく、若いうちから多くの出場機会を掴むことが期待されているでしょう。

考察

 ヴェルディらしい選手で、ボランチを本職としている選手です。開幕当初はなかなか出場機会をつかめませんでしたが、それでも監督交代によって城福監督が就任すると序列を上げ、最近はスタメン出場の機会も増えています

評価

評価は『B』としました。
 開幕当初は苦戦していましたが、それでも最近は多くの試合に絡んでおり、期待値通りといえる活躍でしょう。

⑫阪野豊史(←松本山雅FC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 松本山雅や山形で活躍してきた選手で、パライバ選手が退団してターゲットマンとなりうる選手がいなくなったヴェルディにおいて、その役回りを期待されての獲得と言えるでしょう。

考察

 開幕前に重傷を負ってしまい、シーズンの大半を棒に降ってしまいました。最近は、徐々に出場していますが、それでも開幕前の期待値を踏まえると、非常に淋しい結果と言わざるを得ません

評価

評価は『C』としました。
 ここのところは出場しており8試合で3得点と結果を残していますが、それでも当初の期待値を踏まえると淋しい成績と言えます。

⑬染野唯月(←鹿島アントラーズ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

出場不可

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 夏の移籍市場で鹿島アントラーズより加入しました。
 鹿島では、レネ監督の元、多くの試合に出場していたもののスタメン出場の機会は少なく、結果も残せていなかったことから出場機会を求めての移籍と言えます。

考察

 加入直後からいきなり出場機会を掴むと、センターフォワードの一番手になりました。ここまでに3得点を記録しており、インパクトも残している選手で、期待値を上回っていると言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 即戦力としての活躍が求められる夏の移籍市場での獲得で、その役回りをしっかりと結果を残しています。

⑭河村慶人(←日本体育大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 日本体育大学より加入した選手で、ウイングや最前線でプレーできる選手です。一瞬のスピードも持っており、相手選手を剥がすこともできる選手ですので、佐藤選手とタイプは異なりますが、個で局面を打開できる選手です。

考察

 開幕当初は、途中出場がほとんど。また、同じくらいの試合ではベンチ外になるなどなかなか試合に絡めていませんでしたが、城福監督が就任すると、序列を上げていると言えます。
 スタメン出場の機会も増やしており、ほしいのは結果だけという状況です。

評価

評価は『B』としました。
 城福監督の就任に伴って序列が上がっており、総じて期待値通りと言えるでしょう。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

高木和徹 B
山越康平 B
アルハン
 D
佐古真礼 C
宮本優 C
加藤蓮 A
谷口英斗 S
バスケス・バイロン B
梶川諒太 A
稲見哲行 B
西谷亮 B
阪野豊史 C
染野唯月 A
河村慶人 B

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「B」としました。
 若い選手(大卒選手)が多く加入したヴェルディにおいて、城福監督の就任と共に多くの選手が出場機会を得ており、総じて見れば期待値通り・及第点と言える移籍市場と言えるでしょう。

最後に

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