アルビレックス新潟 補強診断〜チーム別補強診断#32〜
こんにちは。
Jリーグも開幕してから半年以上が経ち、すでにシーズンが終わりに近づき、来季の補強も考え出す頃でしょう。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第32回となる今回は、アルビレックス新潟編です。
なお、すべての情報は10月19日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。
補強動向
改めて、今オフのアルビレックス新潟の補強動向を振り返っていきましょう。
なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#33 ~アルビレックス新潟編~』に記載されている表になります。
また、この表に記載されていない移籍情報は以下の通りです。
【IN】
アレクサンドレ・ゲデス ←ラクフ・チェンストホヴァ(完全移籍)
【OUT】
遠藤凌 →いわきFC(期限付き移籍)
本間至恩 →クラブ・ブルージュ(完全移籍)
試合結果
選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。
J2リーグ
天皇杯
個人スタッツ
それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。
①瀬口拓弥(←徳島ヴォルティス)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
讃岐では多くの試合に出た経験もありますが、徳島ではそのような経験はない選手です。昨季も、新潟に期限付き移籍していましたが、ベンチ入りした試合も数える程度で第3GKや第4GKといった立ち位置で、若いGK陣の中で唯一のベテラン勢と言えました。
今季より、完全移籍に移行しましたが、小島選手なども残留しているため、起用方や期待されている役割は昨季と同様でしょう。
考察
開幕から昨季同様、ベンチ外が続くと、リーグ戦3試合にベンチ入りしたものの出場はありません。
しかし、昨季の成績を踏まえても期待値が高い選手ではないので、決して期待はずれではないでしょう。
評価
評価は『B』としました。
期待されている役割は全うしていると言えるでしょう。
②小島亨介(←大分トリニータ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
最終的に選外となりましたが、東京五輪世代ではながらく主力として活躍してきた選手で、名古屋グランパスの下部組織の後、大学を経て大分トリニータでプロ入りしました。
大分では、高木選手の壁が厚く、なかなか出場機会が掴めなかった中で、J2の新潟への期限付き移籍期間中に主力に定着し、今季より完全移籍に移行しました。
今季も、これまで同様主力としての活躍が期待されます。
考察
開幕からスタメンの座を掴むと、ここまで大きな離脱もなく、リーグ戦全試合にスタメン出場しており、チームの守護神として定着しています。
元々、主力になることが期待されての完全移籍移行でしたが、しっかりと求められた結果は出していると言えます。
評価
評価は『A』としました。
主力になることが期待されての獲得ということで、非常に難しい加入でしたが、しっかりと主力になっており、期待値を上回っていると言えるでしょう。
③西村遥己(←昌平高校)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
187cmと高身長の選手で、U18の日本代表候補であった経験もあります。その身長からもわかるように、ハイボール処理に定評がありますが、足元の技術にも定評があり、ビルドアップ能力にも優れており、新潟のスタイルにもマッチします。
未来の守護神候補と言えるでしょう。
考察
開幕からリーグ戦ではベンチ入りもできていないものも、天皇杯ではベンチ入りしており、GKというポジションの特性上出場機会は掴みにくいですが、それでも徐々にプロのレベル感に慣れてきていると言えます。
評価
評価は『B』としました。
高卒のGKという状態ですので、出場機会が掴めていない現状でも期待はずれなどではないでしょう。
④トーマス・デン(←浦和レッズ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
メルボルン・ヴィクトリーから加入した浦和レッズでは良いパフォーマンスも見せていましたが、相次ぐ負傷や新たな選手の加入により出場機会を失っており、契約満了により昨季限りで退団しました。
新潟では、負傷を治した上で、しっかりと活躍することが求められているとは思いますが、負傷もある選手なのでいきなり主力候補ではないでしょう。
考察
開幕から負傷により試合に絡めていませんでしたが、しっかりと時間をかけて
負傷を治すと、5試合連続スタメンなど徐々に試合に絡んでおり、J1に挑む来季はさらなる活躍が期待されます。
評価
評価は『B』としました。
負傷もあったということで、試合に絡む機会は少ないですが、想定の範囲内ですので、期待はずれなどではないでしょう。
⑤田上大地(←柏レイソル)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨年は、期限付き移籍で加入していた選手でしたが、スタメン出場の機会は少なかったです。それでも、センターバックからサイドバックまでこなすことのできるユーティリティ性をいかして、多くの試合でメンバー入りするなど欠かせない戦力になっており、今季より完全移籍で加入しました。
退団したDFなどもいないため、起用法としては昨シーズンと同じようなものが想定されていると言えるでしょう。
考察
開幕からしっかりと、メンバーに入ると、ここまでのリーグ戦では2試合を除いてメンバー入りしている他、昨季よりもスタメン出場の機会が明らかに増えており、序列も上がったように感じます。
評価
評価は『A』としました。
当初、想定されていたバックアッパーの域を抜け出し、「準主力」というにふさわしいプレーぶりです。
⑥渡邉泰基(←ツエーゲン金沢)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季までは、同じくJ2のツエーゲン金沢に期限付き移籍をし、主力として活躍したサイドバックです。しかし、今季より「もう一度新潟で勝負したい」という意志のもと、復帰しました。
本人が勝負をしたいと考えての復帰ということで、既存の序列を覆すような活躍が求められていると言えるでしょう。
考察
開幕からベンチ外が続くと、5試合にスタメン出場をしていますが、多くの試合ではベンチ外となっています。
田上選手が、DFラインであればどこでもプレーできる選手ですので、ベンチ入りも難しくなっており、「勝負の年」としては期待はずれでしょう。
評価
評価は『C』としました。
自信が、勝負をすると意気込んだ一年でしたが、結果として競争に敗れてしまっており、厳しいというのが現状です。
⑦伊藤涼太郎(←浦和レッズ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
浦和レッズでプロ入りした選手ですが、なかなかトップチームでは試合出場が出来ず、J2の水戸などへ移籍していました。
水戸では、61試合で13ゴール6アシストと結果を残しており、J2で通用することは折り紙付きであったことに加え、テクニックにも定評のある選手ですので、高木選手頼みであった攻撃陣を助ける存在として加入したと言えるでしょう。
考察
開幕スタメンを掴むと、シーズンが進むにつれ序列を上げてきた印象です。攻撃的なMFやサイドハーフとして、比較的自由にプレーをしており、新潟の攻撃陣を引っ張っており、大きく才能が開花した1人だと言えます。
最終節の前の段階で、9得点10アシストであり二桁得点まで後少しです。
評価
評価は『S』としました。
一部報道によると、違約金を支払っての獲得だったようで、期待値は非常に高かったですが、しっかりと、その期待値を上回る活躍を見せています。
⑧イッペイ・シノヅカ(←柏レイソル)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季は、柏レイソルでプレーしていましたが、20試合にメンバー入りしたもののスタメン出場はわずか5試合となかなか試合に絡むことが出来ず、今季より新潟に期限付き移籍しました。
サイドアタッカーとして、ロシアの年代別代表に選出された経験もあるなど、ポテンシャルは間違いない選手ですので、しっかりとポジション争いに絡むことが期待されているでしょう。
考察
開幕のスタートは非常に良く、2得点を記録するなど早速主力に定着したかに思えましたが、シーズン途中に全治4ヶ月となる負傷を負ってしまい、シーズンの半分程度を離脱することになってしまいました。
評価
評価は『B』としました。
シーズン序盤の勢いでは、『A』でしたが離脱ということもあり『B』評価にしました。
⑨松田詠太郎(←横浜Fマリノス)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
横浜Fマリノスで、プロ入りをしたもののJリーグ屈指のメンバーの中で試合に絡むことが出来ず、これまでにSC相模原、大宮アルディージャへの期限付き移籍を経験しており、新潟への期限付き移籍が3度目の期限付き移籍となります。
大宮では後半戦に全く試合に絡めなくなってしまう悔しい経験もしましたが、新潟のポゼッションスタイルにはマッチする選手ということもあり、多くの試合に絡むことが期待されます。加えて、21歳という年齢を考えても、完全移籍がオプションに入っている可能性もあるでしょう。
考察
開幕はベンチ外でしたが、徐々にスタメン出場の機会を掴むと、イッペイ・シノヅカ選手が離脱していた期間には、多くの試合でスタメン出場をしました。ここまでに、リーグ戦は41試合のうち37試合に出場しており、しっかりと役割を果たしていると言えます。
評価
評価は『A』としました。
多くの試合に絡むことが期待された中で、しっかりとそのタスクを果たしています。得点やアシストもコンスタントに記録しており、非常に良いプレーを見せています。
⑩秋山裕紀(←鹿児島ユナイテッドFC)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季前半戦は、新潟でプレーしていました。半分弱の試合でメンバー入りするものの出場はなく、夏の移籍市場でj3の鹿児島へ移籍しました。
鹿児島では主力としてプレーしましたが、今季より新潟に復帰しています。年齢的にも21歳となっており、勝負の年とも言えます。
考察
開幕直後は、出場がないどころか、メンバー入りもできておらず、苦しみましたが、それでも後半戦は多くの試合に出場し、スタメン出場の機会も掴むなど、期待には応えていると言えます。
評価
評価は『B』としました。
最近は、多くの試合に出場しているものの主力ではなく「かもなく不可もなく」といった感じではないでしょうか。
⑪シマブク・カズヨシ(←新潟医療保健福祉大学)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
元々、浦和レッズの下部組織出身の選手で、当時からそのタレント性には注目を浴びていましたが、新潟医療福祉大学を経て、アルビレックス新潟に加入したサイドハーフです。
ドリブル突破に特徴のある選手ですが、「前へ、前へ」ではなく、卓越したテクニックで展開力を存分に生かすこともできる選手です。
考察
前半戦はほとんど試合に絡めず、プロの厳しさを思い知らされる結果となってしまいました。
後半戦は、スーパーサブのような立ち位置になり、試合に出場していましたが、結果を残せずにいると、最近はメンバー外となっています。
評価
評価は『C』としました。
大卒ルーキーという結果が求められる中で、与えられたチャンスをなかなか物にできなかった印象ですので、評価は『C』としました。
⑫吉田陣平(←佐賀東高校)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
新潟出身の選手で、本職はボランチの選手です。
しかし、ボール奪取というよりはボックスtoボックスの選手で、中盤の底から攻撃を司ることができる選手ですし、自身もゴール前に積極的に上がることができる選手で、地元出身ということもあるので、将来の主力候補と言えるでしょう。
考察
開幕からベンチ外が続くと、j2リーグ3試合に出場しましたが、なかなか結果を残すことが出来ずにその後はメンバー外が続いています。
現状は、メンバー入りできていないので、来季のレンタルもあり得るとは思います。
評価
評価は『B』としました。
高卒一年目は、「プロに慣れる」ということにふってもいいとは思っているので、厳しい評価はつけたくないということもあり、『B』にしました。
⑬アレクサンドレ・ゲデス(←ラクフ・チェンストホヴァ)
試合スタッツ
・Jリーグ
・天皇杯
獲得理由
そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。
昨季は、ポーランドリーグでプレーしていましたが、12月に退団し所属チームがなくなっていたところを新潟が獲得しました。
2020年にプレーした仙台では、26試合で5得点をJ1で記録しており、前線のタレントが不足していることが課題であった新潟にとってその課題を解決するうってつけの存在です。
考察
開幕の合流が遅れたこともあり、前半戦はあまり出場機会を伸ばせませんでした。徐々に出場試合数を増やしていますが、ここまでに2得点とあまり結果を残せていません。
評価
評価は『C』としました。
得点が期待されるポジションでありながら、あまり得点に絡めておらず期待値を下回っていると言えます。
全体評価
それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。
以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。
全体評価は「B」としました。
獲得選手を見ると、大きく失敗と言えるような獲得はありません。一方で、大成功と呼べる選手もすくなく、総じて及第点と言えるでしょう。
最後に
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