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神代から続く人代へ 神様も“失敗”して成長した ことの葉り。百九二

神代の物語


こんばんは。今日もお仕事を終えて帰宅して「ことの葉綴り。」のひと時です。もうすっかり太陽も沈み夜になりました!


天地初めて発けし時、高天の原に成れる神の名は、天之御中主神。

から始まった、神話『古事記』の物語。
「ことの葉綴り。」では、
其の四七回目~神代の巻が、スタートして、


前回の百九一回で、上つ巻が終わりました。

上つ巻では、
冒頭、この宇宙の、世界の始りから綴られています。
天地はまだ陰陽も分かれていない混沌としていて、
産霊(むすひ)により、あるものある者が結びつき
天と地が分かれて最初には高天原には、
天之御中主神さまが在られました。
そして宇宙に命が誕生し、
森羅万象の自然の成りたち、
国土の誕生
神々の誕生
と、命の躍動感に溢れたお話でした。

目には見えないけれど、確かに“在る”
森羅万象の自然の働きに、カミを視る。

出雲の大国主神さまはじめ、
国生み神生みの伊邪那岐伊邪那美さま。
その三貴神、天照大御神さま、須佐之男命様をはじめ神々の、
“失敗しながら”冒険していく物語でした。

綴っていても、とても楽しかったです。

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そして、高天原を統べる天照大御神さまから
委ねられた孫神の邇邇芸命さまが
九州の日向の高千穂峰に、天孫降臨されて、
地上の山の神の娘、木花佐久夜毘賣と結婚。
その子の山幸彦(火遠理命)は、
海の神の娘、豊玉毘賣さまと結婚。
その息子の鵜葺草不合命様は、豊玉毘賣の妹の玉依比賣と結婚。

こうして、天と地、山、海の力をも統べることになりました

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『古事記』中つ巻のはじまり

神話の中つ巻は、
鵜葺草不合命と玉依比賣の4人の息子のうち
末っ子である若御毛沼命(わかみけぬののみこと)
またの名を、豐御毛沼命(とよみけぬののみこと)
別名、神倭伊波禮毘古命(かむやまといわれびこ)
物語から始まります。

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天照大御神さまの直系となる、神倭伊波禮毘古さま。

さて、その人生(神生)を見ていきましょうか……。

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神倭伊波禮毘古の旅立ち

神倭伊波禮毘古さまには、3柱の兄神がいましたが、
二番目の兄神の稲氷命(いなひのみこと)は、
妣(はは)の国、玉依比賣の海の国、海原へ行ってしましました。

三番目の兄神御毛沼命(みけぬのみこと)も常世の国にわたり、
長男神の五瀬命(いつせのみこと)と、共に、
九州の日向の高千穂の宮から、国を治めておりました。

あるとき、神倭伊波禮毘古神は、兄の五瀬命に向けて
こう語りかけました。

兄上。
この日向の国は、天下を、国全体を治めるには、
隅っこにありすぎです。
どうすれば、どこの土地に住めば、
この天下を安らかに治めることができるのでしょう?
もっと東へと向かっていきましょう!

「ここは暮らしやすいところだ」という兄神を、
「兄上、今こそ、天照大御神の直系の私たちが、
この国土全体を、この天下を治めるのです!!」

そう説得します。

こうして、神倭伊波禮毘古神さまたちは、日向の国を
旅立たれ、最初に、九州の筑紫へと向かっていったのです。

この東へと向かう道筋は、命がけのものになっていくことを
この兄弟は、まだ知りませんでした。

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―次回へ。

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