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神の逆鱗に触れ身罷った仲哀天皇 神話は今も生きている ことの葉綴り五九九

満月と秋の土用入り 温かく過ごしましょう

おはようございます。今夜はお天気よく満月が見えるといいですね。
そして今日から秋の「土用入り」。
立冬の前の18日間がそれにあたり、まさしく冬への季節の変わり目。「土用入り」は、土いじりはよくないといわれます。これは土いじりなどの“大仕事”をして農作業に支障がないようにということだそう。疲労したりケガしたりしないように気をつけましょうってことですね。
ただ翌年の準備を始めるのはいいそうです。
まずは、体を温めて免疫力をつけたいですね。

十月二十日(水)の暦は、六曜は、「大安」で万事によい大吉日!
十二直は、「たいら」で物事が平らかになる日。地固め、引っ越し、お祝いごと、すべてさわりなし。
二十八宿は「しん」も、婚礼などのお祝いごと、地鎮祭をはじめ建築関係、祭祀、お参りすべて吉! ただし服の新調は明日まで待った方がよさそう。そして吉日の「神吉日かみよしにち」です。
満月ちょうどは、23時57分と深夜です!
皆さん、秋の夜長、しっとりと心穏やかで体も温かく健やかでありますように!!!

<ことの葉綴り>全体のご案内
この「言の葉綴り」は、神話の物語を神さまごとに「マガジン」に分けて、すべて読めるようになっています。
「神さまも“失敗して成長した”」と、魅力的な神さまごとに18のマガジンに分かれています。

最新のマガジンは、倭建命やまとたけるのみこと(日本武尊)さまの物語です。

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仲哀ちゅうあい天皇 突然の死


第十四代、仲哀ちゅうあい天皇の御代、再び、九州の熊曾が朝廷への抵抗が強まったため、天皇は、滞在していた「筑紫の訶志比宮かしひのみや」(福岡県香椎)で、神帰せをおこなったところ……。

皇后の息長帯比賣命おきながたらしひめのみことさまに乗り移られた神は、「すぐ近くの熊曾を討つのではなく、海を越えて西の国(新羅)へ往け。そこには、目の輝く珍しき宝があり、服従させよう」と、お告げになったのです。

天皇は、この神のお告げを疑われて、琴を弾くのをやめてしまわれます。

天皇に対して、この神は「この天の下は、西の国も、汝が統治する国はない!!! そなたは、黄泉の国へまっすぐ行くがよい!!!」と、すさまじくお怒りになられたのです。
慌て驚いた審神者さにわ建内宿禰たけしうちのすくねが「天皇おほきみ、大御琴をはやく、お弾きなさいませ!! どうか!」と、なだめます。

天皇は、しぶしぶと御琴を引き寄せて、乗り気がしないまま再び御琴を弾きはじめられました。

すると、それほど時もたたぬ間に、また再び、琴の音が聞こえなくなってしまいました。

不審に思った建内宿禰たけしうちのすくね火を灯してみると……。
天皇がお倒れになり、すでにこと切れて、身罷られていたのです!!!

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神の許しをこい、皇后が清め祓いの神事を

皇后の息長帯比賣命おきながたらしひめのみことさま、審神者さにわ建内宿禰たけしうちのすくねをはじめ、みなは、”天皇は、神のご神託を疑われて信じなかったために、神の逆鱗にふれて、命を落とされた”のだと、驚き畏れたのです。

神の許しをこうために、葬られるまでの間、亡きがらを置く仮の宮「殯宮あらきのみや」に天皇は安置されました。
そして、神の祟りをお祓いすることになり、国をあげて、神の忌み嫌う”穢れを祓う”ためのお供えもの(大幣おほぬさ)を集めたのです。
さらに、穢れをもたらす次のような罪や、それをおこなったものたちをも祓い清めなければなりませんでした。
その罪とは……、
生剥いきはぎ逆剥さかはぎ……獣の皮を生きたまま剥ぐ、また逆さまに剥ぐ残忍な行為。
畔離あはなち溝埋みぞうめ……田んぼの畔を壊して、溝を埋める農耕の妨害行為。
屎戸くそへ……尿を放ち、神聖な場所を穢す行為。

こちらの罪は、以前の神話にも登場しているのです。
天照大御神さまの弟神、須佐之男命様が、高天原で暴れ回られて、罪を償われて地上へと追放されます。
そのときに「天つ罪」がでてきます。

さらに……。
上通下通婚おやこたはけ……親子間の不倫な婚姻。
馬婚うまたはけ牛婚うしたはけ鶏婚とりたはけ犬婚いぬたはけ……馬、牛、鶏、犬などに淫らな不倫行為。

皇后の息長帯比賣命おきながたらしひめのみことさまは、国の(この場合は筑紫の国中)のこれらの罪穢れもすべて祓い清める「大祓」のご神事を執り行われたのです。

そうした上で、審神者さにわ建内宿禰たけしうちのすくねは、再び、清められた神聖な祭場の沙庭さにわに、ご神託を待つために控えられました。

すると、再び、皇后の息長帯比賣命おきながたらしひめのみことさまが神がかりされて……神のお告げが下ったのです。
そのご神託とは……。

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