見出し画像

倭姫命様から五百野の皇女へ受け継いでいく祈り 元伊勢一四八 神話は今も生きている ことの葉綴り四八〇

豊鋤入姫命さまから御杖代を受け継いだ倭姫命さま

こんにちは。曇り空の夕刻です。しばし「ことの葉綴り。」のひとときです。陽が沈む前に、アップできるかな?(^^)
さて、今日も元伊勢の倭姫命さまの物語へと入ります。
宜しくお願い致します。


第十代崇神(すじん)天皇六年天照大御神さまを永久にお鎮まりになる宮処を求めて、皇女の豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまが、天照大御神さまにお仕えする御杖代(みつえしろ)となり、ご巡幸に旅立たれました。
大和国、丹波国、木(紀)乃国、吉備国、そして大和国に戻られて、
長い間、天照大御神さまをお祀りして参りましたが、もう齢を重ねてこれ以上はできないと思います。吾、日足りぬ=私の奉仕の日は満ちました」と、姪っ子で、垂仁天皇の皇女、倭姫命(やまとひめのみこと)さまに、御杖代(みつえしろ)のお役目を託されました。


大和の三輪の「御室嶺上宮(みむろのみねのかみのみや)」にて、二年間倭姫命さまと過ごされて、天照大御神さまをお祀りし、宮処を探すための御杖代の使命を、器から器へとうつすように、引き継がれていかれました。

画像4

天照大御神さまのご神勅で伊勢にお祀りを

天照大御神さまにお仕えする御杖代(みつえしろ)となられた倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、崇神天皇六十年、大和国を旅立たれます。
伊賀国、淡海国、美濃国、尾張国、鈴鹿国、そして伊勢の国へと辿りつかれます。
そのころには、父である垂仁天皇の御代になっておりました。

この国に居(お)らんと欲(おも)ふ」と、いう天照大御神さまのご神勅をうけられて、倭姫命さまは、五十鈴川の川上、五十鈴の宮に、天照大御神さまをお祀りなさいました。
それが、垂仁天皇、二十六年の冬のことでした。

 すでに故郷の大和国を旅立たれてから、五十年以上の歳月が流れておりました。

画像3

半世紀以上の歳月を祈りに捧げて

大足彦忍代別(おほたらしひこおしろわけ)天皇(景行天皇=けいこう)二十年(はたとせ)庚寅歳、倭姫命、「年既老耈(お)いて、不能仕。吾日足奴」と宣りたまひて、斎(いつ)きの内親王
(ひめみこ)に仕え奉るべき物部八十氏(もののべやそうぢ)の人々を定め給ひて、十二司(とをあまりふたつつかさ)寮官等(つかさたち)をば、五百野(いほの)皇女(ひめみこ)久須姫命(くすひめのみこと)に移し奉りき。

倭姫命さまの兄である大足彦忍代別(おほたらしひこおしろわけ)天皇、景行天皇の御代二十年の庚寅の年のことです。
五十年以上もの長きに渡り、天照大御神さまにお仕えされてきた倭姫命さまは、こう仰られたのです。

私は、もうすでに齢を取ってしまい、皇太神(すめおほみかみ)さまにお仕え申し上げることができなくなりました。
私はこれまで、ただ奉斎の日を重ねて参りました

画像2

二人の御杖代の「吾、日足りぬ……」

倭姫命さまは、かつて、伯母であり初代の御杖代(みつえしろ)の豊鋤入姫(とよすきいりひめのみこと)さまに想いを馳せて、こう続けられました。
吾、日足りぬ=私の奉仕の日は満ちました」と……。

初代の御杖代(みつえしろ)の豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまとおなじ言葉を、倭姫命さまは仰られたのです。

そして、天照大御神さまを祀る伊勢の五十鈴の宮(神宮)に奉仕する内親王(ひめみこ)にお仕えするための、軍事や刑罰を担当する物部の多くの氏人をお決めになられました。
また、斎宮の暮らす斎宮寮を司る十二司の係りのものたちの管轄を、五百野皇女(いおののこうじょ、内親王)こと、久須姫(くすひめ)におうつしされました。

いよいよ、世代交代なのですね。
倭姫命さまは、天照大御神さまにお仕えし、ご神事を執りおこなう斎王(さいおう)の使命兄の皇女で、姪っ子の五百野皇女(いおののひめみこ)へと引き継いでいくことになったのですね。

最初に、物語に登場された倭姫命さまは、まだ少女の面影でした。
日々、倭姫命さまを感じて綴っていると、その祈りの半生の旅にも伴奏させていただいている気がしますね。

よろしければ、ぜひ、元伊勢の豊鋤入姫命(とよすきいりひめのみこと)さまのご巡幸、そして倭姫命さまのご巡幸のはじまりもご覧になってみてくださいね。

<ことの葉綴り>ご案内

この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。

いつもありがとうございます。
ではまた次回! 日が暮れる前に更新できそうです(^^)


―次回へ
#一度は行きたいあの場所

画像1


この記事が参加している募集

振り返りnote

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?