重陽の節句 菊酒で乾杯を ことの葉り。百九三
五節句
こんばんは。今日も夕刻になってから「ことの葉綴り。」に向かいます。
そして九月九日は、九と九の重なる目出度い日。
菊の節句、栗の節句、御九日(おくんち)とも呼ばれる
重陽の節句ですね。
これは、古代、中国で縁起が良いとされていた奇数のことを
陽数とよぶ目出度い日。
一月七日
三月三日
五月五日
七月七日、
そして、九月九日を、合わせて、季節の変わり目となる大切な日として、
「五節句」と言われていました。
陽数の奇数と奇数を足して、偶数の陰に転じることから、
季節の植物の生命力で、邪気を祓うことがおこなわれてきました。
それが江戸時代になると、日本の風習とも合わさったのです。
でも一月だけ一日じゃなく、七日になってますよね?
なんででしょう・
元々は、一月一日だったそうですが、元日には、特別にお屠蘇で祝い、厄を祓う風習がある日。
また、七日には、古来、七種の野草で汁をつくる風習で、季節の植物で邪気を祓うことから、1日より7日のほうがいいのでは? となったそうですよ。
また、古来、中国では元旦から六日までは、獣を当てはめて占い、
七日に人を占ったことから、「人日(じんじつ)の節句」と呼ぶんですって。
今では、七草の節句で、七草粥を食べることで有名ですよね。
ほかに桃の節句として有名な、三月三日。
上巳(じょうし)の節句と呼ばれ、お雛人形で。鬼を祓い、子どもの健やかな成長を願う女の子の節句でお雛祭の日。
五月五日は、端午の節句。
男の子の節句で、五月人形や鯉のぼりを建てて健やかな成長を願いますね。
そして織姫様と彦星様の七夕の節句。
菊酒で邪気祓い
最後五つ目の節句が、九月九日。
重陽の節句は、陽の数(奇数)の最大の九が重なることから、
重陽の節句と呼ばれ、五節句でも特に重要な特に目出度い日とされます。
秋の収穫を祝う季節でもありますね。
菊の花びらを浮かべた菊酒は、長寿延命になるといわれ、
旧暦の九月九日には、天武天皇の御代から宮中でも、「菊花の宴」がおこなわれ、無病息災、不老長寿を願い、菊酒で祝ったそうです。
なぜ菊なのでしょう?
菊は、もともと仙人の暮らすところに花が咲くといわれることから、長生きにいいとされています。
平安時代になると、宮廷の行事として、臣下に菊酒がふるまわれ、お土産もあったそうです。
雅でいいですね~。
もう一つは、栗ご飯!!
江戸時代になると、「御九日(おくんち)」として、秋の収穫祭とともにお祝いされてきました。
この時期に、獲れる栗をお米に入れて炊いた「栗ごはん」を、ご神前にお供えをして、実りと収穫を感謝したのです。
秋の味覚ですね。
また「御九日」(おくんち)で有名なのが、「長崎くんち」がありますね。
長崎くんちは、毎年10月7、8、9日に行われている、
長崎県の諏訪神社さまの秋季例大祭です。
1634年(寛永11年)に、諏訪神社に、二人の遊女が、「小舞」という謡曲を奉納したのが、はじまりだそうです。
その後、長崎奉行の援助もあり、どんどん盛んになり、出島のあった長崎んらしく奉納踊りに、異国情緒のものが取り入れられていき、江戸時代から、豪華絢爛なお祭として全国に知られていきます。
残念ながら、今年は、コロナの影響で、奉納踊・御神幸(お下がり・お上り)は中止となったようです。
目出度い重陽の節句。
今夜は、日本酒に菊の花びらを浮かべて、菊酒で乾杯しませんか?
―次回へ。
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