![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67105282/rectangle_large_type_2_985dd333d958d49878d90d886b510689.jpg?width=800)
兄の反乱の裏をかく弟 応神天皇さま二二 神話は今も生きている ことの葉綴り六四六
デトックスで不要なものを除く
おはようございます。師走、二週目の週明けですね。
皆さん、お元気でお過ごしでしょうか? 「ことの葉綴り」に“お来し”いただき、いつもありがとうございます!
さて、十二月六日(月)の暦は、六曜は「先勝」。用事や急用は午前中にかたづけるのがよし。十二直は、障害を取り除く「除」。病院のかかりはじめ、薬の飲み始め、掃除など、不要なもの、気の落ちたもののデトックスにいい日。種まきもよしです。
二十八宿は、「畢」祭祀、お参り、建築工事はじめ。不動産取得、葬儀に吉。そしてご神事やお参りによい吉祥日の「|神吉日<かみよしにち》」です。
さて、早速神話の物語の続きに入ります。
兄王兄王大山守命と弟王、宇遲能和紀郎子
誉田天皇こと、第十五代応神天皇さま亡きあと、皇位継承を狙う、兄王大山守命は、弟王、宇遲能和紀郎子の命を奪うために、反乱を起こします。
それを察知した、弟王、宇遲能和紀郎子は、宇治川に兵士を隠し、自らは、貧しい船頭に扮し、山上の陣屋には、影武者の王を配置していました。
兄王大山守命も、衣服の下に鎧を身に着けて、いざ、山上の弟王の本陣へと、秘かに侵入し命を奪おうと計画しています。
宇治川の船着き場で、川を渡るために船頭に声をかけて弟王の陣屋を目指そうとします。
編み笠で顔が見えない船頭が、鋭い視線で、兄王大山守命の様子を探っています。
この”船頭”こそ、父、応神天皇さまが、「皇位を譲る」と命を出した母の違う弟の皇子でした。
“船頭”が小舟の櫂を握り、川を進みはじめます。
“大猪”を討てるか、否か
あの山上に、私が討たねばならぬ弟がいるのだ。そうせねば、私は皇位を受け継ぐことができぬ……立派な陣屋には見える……必ずや…長子の私が……。
おい、船頭よ。
この山には、怒れる凶暴な大猪がいると噂に聞いたぞ。
私が、その大猪を討ち取ろうと思っておる。
どうだ、私に獲れると思うか?
大山守命は余裕を持って、船頭に尋ねます。
はい、あなたさまならば……
そう答えを期待していました。
ところが、“船頭”は、船をこぎながら、静かに低い声で、思いも寄らぬ言葉を返してきました。
否、いえ、あなた様には無理なことでしょう……。
驚いた兄王は、「なぜだ? どうして、理由は?」と、少し向きになり問いただします。
「あっ、いえ……折々に、度々、これまでも、その大猪を討ち取ろうとするものがおりましたが、誰も成し遂げておりませぬ。それで、叶わぬ、と申したのです」
ふんっ、貧しいこんな船頭に聞いたのが間違いだったわ。
気にすることはないわ。必ずや、討ち取ってやる!
大山守命は、船頭の言葉に苛立ちながらも、山の上の陣屋を直視し、反乱決行の意を新たにしていました。
川へ突き落とす“船頭”の正体
そんな、やりとりをしている間に、船は川の中央にまでやってきていました。水深もかなり深そうです。
そのときです。
”船頭”は、手にした櫂を使い、船を急に傾け、船が大きく揺れました。
大山守命がバランスを取ろうとしても、船の底の簀の子には、滑りやすい蔓の汁が塗られていたので足が滑ってしまいます。
さらに“船頭”は船を傾けて、兄王の大山守命を、川中へと落としたのです。
あああっ―――何をする!? 助けてくれーーー。
いきなり川の中へ落ちた兄王、アップアップしながら、船に戻ろうとしたとき、編み笠の下から見えた顔が……自分が討ち取ろうとした“大猪”、弟王、宇遲能和紀郎子であることに、ようやく気がつきました。
おぬし!! 宇遲能和紀郎子――!!
ちはやぶる 宇治の渡に 棹執りに
速けむ人し 我が許に來む
宇治川の渡りに、棹を素早く取って操り、
私の仲間よ、来てくれないだろうか
このとき、神話では、川に落ちた兄王大山守命は、こう歌を詠んだとされています。ええっこんな時に?って思いますが(苦笑)
さて、助けはくるのでしょうか?
―次回へ
#一度は行きたいあの場所
#私の作品紹介
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?