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歌に溢れる弟王の心 応神天皇さま二三 神話は今も生きている ことの葉綴り六四七

冬将軍の到来「大雪」

おはようございます。いつも「ことの葉綴り」読んで頂きありがとうございます
十二月七日(火)は、二十四節気の「大雪たいせつ」で、本格的な冬になる時期。厳しい寒さ「冬将軍」が到来します。夜も長くなるので、日が暮れてからは、夕食にあったか鍋、夜はお風呂で温めと、温活したいですね。
ほかの暦、六曜は、朝と夕が吉で、何事もにも勝負の勝ち負けがない「友引」。十二直は、昨日と同じ、デトックスで“障害”を取り除くのにいい「のぞく」、治療はじめ、薬の飲み始め、掃除など、不要なもの、気の落ちたものを取り除きましょう。新たな佳き種まきにはいい日。
二十八宿は、「」で、お稽古始め、仕事はじめに吉なので、新たな習慣をスタートするのによさそうですね。
また、二十四節気には、神社のお参りもいいですよね。
今日も嬉しいお知らせをありがとうございます。

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早速、神話の物語の続きに入ります。

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川に流されていく兄王

第十五代応神おうじん天皇さま亡きあと、皇位継承を狙う、兄王大山守命おおやまもりのみことの反乱を知った弟王、宇遲能和紀郎子うぢのわきいらつこは、裏をかいて、貧しい船頭に扮して、宇治川の川の中に落とします。

自分を川に突き落とした船頭が、弟王であることをようやく知った兄王。

おぬし―――!! 

宇治川の渡りに、棹を素早く取って操り、
私の仲間よ、来てくれないだろうか

と、歌を詠んだようですが……。

泳いで岸に戻ろうとしますが、岸辺の草むらに隠れていた、弟王宇遲能和紀郎子うぢのわきいらつこの兵士たちが、あちらこちらから、一斉に姿を現して、弓矢を射ってきて、決して岸辺に近寄れないように攻めてきます。
その矢が兄王の大山守命おおやまもりのみことの体にも突き刺さってしまいます。

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鎧の“泣き声”?

なすすべもなく、川の流れに身を委ねて流されながら、溺れないように懸命にあがきますが、やがて山城国の訶和羅の前かわらのさき(現在の京都府京田辺市河原里ノ内)まで流されていき、力尽きて、川の底へと沈んでいったそうです。

この兄王が川の中へと沈んだところを、かぎのついた長い棒で捜索をしたところ、大山守命おおやまもりのみことの衣服の中に着けていたに、引っ掛かり、「かわら」と音が鳴ったといいます。
そのことから、この地を、「訶和羅の前かわらのさき」と名付けられたそうです。
今も、京田辺市には、「伽和羅古戦葉跡」が、残っているそうです。
神話って、本当に今も息づいていますよね。

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弟王の本心

弟王の宇遲能和紀郎子うぢのわきいらつこは、兄王の亡骸を引き上げて、そして歌を詠みました。

ちはやひと 宇治のわたりに 
渡り瀬に 立てる 梓弓檀弓あづさゆみまゆみ
らむと 心は思へど
い取らむと 心は思へど
本辺もとへは 君を思ひ出
末辺すえへは 妹を思ひ出
いらなけく そこに思ひ出
かなしけく ここに思ひ出
い伐らずぞる 梓弓檀弓あづさゆみまゆみ

宇治川の渡場に植えてある、檀の木を
この木を切り倒そう、と心は思うけれど、
殺さねば、と、心は思うけれど
本辺を見ては、君を思い出し
末辺を見ては、あの子を思い出して
一方で、いらいらと痛ましく
もう一方では、悲しく思い出して
これまで、切り倒さないで来た……ああ、その檀の木よ……。

倒したけれど、一方では、そうしたくはなかった……。
そんな悲しみも感じる、切ない歌ですね。

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―次回へ
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