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媛女(をとめ)の求婚の返事は? 神さまも“失敗”して成長した ことの葉綴り。二一九

目尻入れ墨にビックリの媛女(をとめ)


おはようございます。神無月の月曜日の朝、仕事の合間に、「ことの葉綴り。」のひとときが持てました。さあ、更新したら仕事にGO(^^)

初代天皇に即位された、神倭伊波禮毘古(かむやまといわれびこ)の、皇后選び。候補となった神さまの御子の媛(ひめ)
日本最古の神社の大神神社(おおみわじんじゃ)のご祭神、三輪山の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)さまの娘である、伊須氣余理比賣(いすけよりひめ、またの名を、伊須須岐比賣命いすすきひめのみこと)でした。

ある日、神倭伊波禮毘古(かむやまといわれびこ)は、七人の媛女(をとめ)たちが、野遊びするところに出会います。
そこには、皇后候補の伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)がいました。

家臣の大久米命(おおくめのみこと)から、
七人の中で、大物主(おおものぬし)大神の娘は誰でしょう?
と問われた、神倭伊波禮毘古(かむやまといわれびこ)は、こう返します。

どの媛女(をとめ)も可愛らしく、誰かというのも難しいけれど。
先頭のいちばんの年上の媛女(をとめ)がとても美しく気になる……。

その媛女(をとめ)こそ、皇后候補の神の御子
伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)でした

大久米命(おおくめのみこと)は、喜び勇み、すぐに伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)の元へと駆けつけて神倭伊波禮毘古(かむやまといわれひこ)の、「命(みこと)」を伝えました
「大王が、あなたさまを、皇后としてお迎えしたいとお望みであります」
でも、このとき大久米命(おおくめのみこと)は、優れた武人である証である入れ墨を、目にしていたのです。

伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)は、その言葉よりも、入れ墨をした家臣の顔に驚いてしまいます

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伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)クールな対応


そりゃあ、そうですよね。
突然、目が裂けたようにメイクをした人が、ものすごい目つきで、目の前に出現したわけですから。
伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)からすると、不審に感じて当然です。今でも、そんな人が目の前に近づいてきたら、怪しみますよね。

伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)も、たいそう怪しく思われたようです。
そして、このときの対応、すごく冷静でした。クールでした!

裂けたような入れ墨を入れた鋭い目で見つめてくる大久米命(おおくめのみこと)の顔を、伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)も、じっと見つめ返して、こう歌で返答したのです。

胡鷰子鶺鴒(こあめつつ) 千鳥ま鵐(しとと)
など黥(さ)ける利目(とめ)

あま鳥、つつ(鶺鴒せきれい)、千鳥、しとど(ホオジロなど)のように、あなたはなぜ、目じりに墨を入れて、
そんなに鋭い目をしているのですか?

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求婚への返答は?


いきなりの「プロポーズ」への返答ではなく
その怪しさの理由を尋ねた
のです。

大久米命(おおくめのみこと)も、伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)のまっすぐな問いかけに、歌で答えます。
やはり、こちらも粋ですね。
ちょっと歌でやりとりっておもしろいですね。

媛女(をとめ)に 直(ただ)に遇(あ)はむと
我が黥(さ)ける利目(とめ)

可愛らしい神の御子の媛女(をとめ)を、直接、自分の目で見つけようと思いまして、入れ墨をして、目を鋭くして、探していたのでございます。

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やはり、こちらも粋ですね。
ちょっと歌でやりとりっておもしろいですね。
この歌で、あんに、大王の皇后候補の神の御子である
伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)伝えているのですね。

きっと即位された天皇の皇后選びのお話は、
大和の皆に伝わっていたことでしょう。


大久米命(おおくめのみこと)の歌を聞いた伊須氣余理比賣(いすけよりひめ)は、大久米命(おおくめのみこと)と共にいる方が、神倭伊波禮毘古(かむやまといわれひこ)であることもすぐに
理解
したのです。


自分の中で、深く腑に落ちることがあったのでしょう。

そしてまっすぐに凛としたお姿で、こうおっしゃいました。

わかりました。
お仕え奉ります。

それが、求婚の答えでした!!
神倭伊波禮毘古(かむやまといわれひこ)の願いが叶いました。

鋭いメイクをした大久米命(おおくめのみこと)、なんだか、キューピットみたいですね(笑)。この顔の入れ墨が、歌のネタにもなり、やりとりができたのですからね。

何が功を奏すかはわかりませんね。人生も同じですね……

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―次回へ

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