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失って気づく大切さ 仁徳天皇十六 神話は今も生きている ことの葉綴り六九三

開き通じる「開」

おはようございます。厳しい寒さが続いていますね。
皆さん、お元気でしょうか。
一月二二日(土)の暦は、六曜が、「先勝せんしょう」で午前が吉。急用や訴訟によく、先んじることで幸を勝ち取る日。
十二直は、開き通じる「ひらく」で、運を開くための祭祀、ご神事、お参り、開店開業、建築、引っ越し、婚礼に吉。ただし、不浄をイメージすることは凶。トイレづくりなとは避けてよし。
そして二十八宿は、お稽古始め、発表会、種まきに吉の「じょ」です。
今週末は、外出は控えて家で温かくして過ごしたい週末ですね。

さて、今日も神話の物語に入ります。

<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を、神代から神さまごとに20の「マガジン」に分けて、すべて読めるようになっています。

最新は「神話20 八幡大神さまこと応神天皇さまの物語 」です。

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后の家出を知った天皇は……

第十六代、仁徳にんとく天皇さまの皇后石之日売命いわのひめのみことさまは、夫の浮気に業を煮やし、堪忍袋の緒が切れて、難波の高津宮(大阪)からの“家出”を決意されました。
けれど、ご実家のある大和の葛城(奈良)に、戻ってしまうことで、実家の後ろ盾をなくし、天皇の力が弱まってはいけないと考慮されて、山城の国(京都南部)の筒木の、韓人からびと(百済からの帰化した人)の奴理能美ぬりのみの家に、身を寄せられたのでした。

一方、夫である仁徳にんとく天皇さまは妻、皇后が「家出」をされて、宮中に戻られずに、御船で山城の国へ向かい、そこからご実家の大和国に向かわれていることを知り、鳥山という側近に使える警備や雑用の任にあたる|舎人《とねり》を、皇后の元へと急ぎ遣わし、ご自身の気持ちを綴った御歌を皇后におくります。

山代に いけ鳥山
けい
吾が愛妻に
き遭はむかも

さあ、鳥山よ、急ぎ往け
山城の国へ、さあ往け
そして私の愛しい妻に
追いついて、会ってきて私の気持ちを伝えておくれ

いなくなってわかる愛ってありますもんね。
天皇もこれまでずっと尽くしたくれた皇后の“家出”は
かなりショックだったようです。

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后に送る愛の御歌

舎人とねりの鳥山のすぐあとにも、

あれでは、私の気持ちは伝わらない!!!

と、次には、丸邇臣の口子わにのくちこという家臣を皇后のもとへ、御歌を届けさせます。

御諸みもろをの その高城たかきなる
大猪子おほゐこが原
大猪子おほゐこ
腹にある 肝向きもむか
心をだにか
相思はずあらむ

御諸みもろ山の 高いところにある
その名も、大猪子おほゐこが原
この名のような大猪子おほゐこの腹にある
肝の心だけでも
ああ、あなたは私のことを思ってくれないのだろうか?


なんとか、皇后にご自身の気持ちを伝えようと、一生懸命に御歌を詠まれ、次々に使者を向かわせます。

けれども、その効果はまったくありません。
皇后さまは、身を寄せられている山城国から、宮中に戻る気配はありませんでした。

どうなることやら……ですね(^^)

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